リーシャはお姫様
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町に降り立つと、そこにはリーシャと同じ龍人族達がいた。
それも畑を耕している。
「おお、誰かいのう?」
俺達が珍しいのか、農作業を止めて視線が集まる。
鍬を置き、作業をしていた全員が集まってきた。
「えっとお」
「ここに来れるっちゅうことは、我らの友か?」
「うん、そう言ったら横のは見たことがあるのう」
リーシャと俺はいつの間にか囲まれていた。
すごく興味津々な彼らに少し引いてしまう。
「あ、思い出しただ。あんた、いや、あんた様は姫だろ?行方不明になってた」
「ああ、そうだべそうだべ。確かにこの絵の子がすくすく育ちゃあこうなるべ」
「おお、帰ってきただか」
次はなんだか歓迎されているようだ。
そして、龍人族の男が出してきた木の板に書かれていた少女の絵は、リーシャの面影がある。
確かにリーシャかもしれない。
「リーシャ?」
「はあ、だから帰って来たくなかったのだ。トワ、我はここでは姫なのじゃ」
「姫?」
「そう、この町の殿様――王の娘じゃ」
言質を取った龍人族の方たちは大喜び。
姫が帰ってきたぞだとか、これでまた始めれるわいだとか騒ぎ立てる。
その騒動は他の龍人族も呼び寄せ、どんどんと龍人族が集まっていく。
てか、まじか。リーシャって姫だったのかよ。
「黙っててすまんのう」
「驚いたけど、リーシャは変わらずリーシャだろう」
リーシャは黙っていたことに対し罪悪感を抱いていたが、誰しもしゃべりたくないことの一つや二つはある。
そんなことよりも、この事態をどうにかしないといけない。
まだどこかからか集まってきている。
それほど、皆リーシャが帰ってくることがうれしいのだろう。
リーシャは愛されているな。
「愛されてるんだな」
「はあ、愛されているのは合っとるがのう。違うのじゃ」
何が違うというのだろう。
そうして、あれよあれよの内に、リーシャが帰ってきたという知らせはリーシャの父まで伝わり、俺達は来た侍?に連れていかれた。
連れてこられたのはお城。
城の外側には堀があり、そして石垣の上には白く塗られた土壁が。
お城の屋根は瓦みたいなもので作られているし、ほぼ日本の城と変わりがない。
リーシャの着ている服装から薄々気が付いていたが、龍人族の文化は江戸時代ぐらいの日本と似ている。
実際、このお城から来た龍人族は、細部は異なるが侍みたいな服装をしていた。
そして、今は畳の上で座らされている。
「シャガラ様のお見えである」
そう、老中?らしき人が声を張り上げる。
ここはお約束で俺は頭を深く下げ、今土下座みたいな恰好になっていた。
リーシャは頭を下げたりはしない。
逆に頭を下げている俺を不思議そうに見ている。
「何をしているのじゃ?」
「いや、ここは頭を下げるのがお約束かな、と」
そして、姿を現したのは大きな体格の殿様。
堂々と歩き座布団の上へと腰かけた。
「それで、リーシャ。お前は今までどこで何をしていた?」
「旅をしておったのじゃ。父上が許してくれんかった旅をのう」
「ほう、それでそやつは何者じゃ?顔を見せい」
そう言われて初めてその姿を見る。
顔は全然リーシャと似てなく、いかつい顔だ。
体格も大きく、すごく威圧感を感じる。
「トワは我の伴侶じゃ」
「伴侶だと?外から帰ってきたらどこの馬とも知れん者を連れて来よって」
「トワは強いぞ」
「ふん、弱い貴様が言っても説得力がないわ」
「あ、あのぅ」
「貴様は黙っとれ」
びしっと扇子を向けられながら、威圧される。
反射的に背筋が伸び、黙ってしまった。
外でミア達やクラスメイト達が待っているんだけど、リーシャは……。
「父上は分かっとらん。トワは幾多の戦いで勝利を掴むほどの強さ、逞しさを持っておる」
「ふん、そんなひょろい奴がか?信じられん」
すっかり忘れてるなぁ。
二人の言い争いに戸惑っているのは俺だけで。
部屋にいる他の龍人族の家臣の方はそれをただ見ていた。
そして、何分か言い争った結果。
「それにのう、我はもうトワとは契約しておる」
そう言って、俺の腕を取って見せつける。
「なっ」
そういえばいつの日だったか、リーシャとそのような事をした覚えがある。
そして、それを見たシャガラ殿下はそれはもう激怒した。
「貴様、我が娘をたぶらかしよったな」
恐ろしいほどの怒りを噛みしめた声で、射殺さんと視線が刺さる。
すでに片腕が龍化し始めていた。
それを見て、流石にやばいと感じたのか家臣全員が止めに入る。
「ゆ、許さんぞ。お主だけは許さんぞ」
鼻息荒く純度百パーセントの殺気がぶつかる。
それは強くなってあまり怖がらなくなった俺に恐怖を抱かせるほどのものだった。
今は家臣達が止めているが、それも時間の問題だろう。
どうすべきか迷っていた時、襖の奥から手が手招きしているのを見つけた。
「リーシャ、あれって」
「トワこっちに来るのじゃ」
リーシャもその手を見つけて、その襖を開け俺とともに入っていく。
そして、襖はその手招きをしていた人物に閉められる。
襖越しに怒鳴り声が聞こえてきた。
「お帰り、リーシャ」
「カヤ」
リーシャがひしっとそのカヤという女性に抱き着く。
この女性のおかげでなんとかあの怖い殿様から逃げることができた。
「それでそこの人は」
「私の伴侶になる人だ」
「あら、外で見つけてきたのね。私に紹介してくれるかしら」
「もちろん」
そう言って、俺の手を引っ張りそのカヤという女性の前に連れてこられた。
「トワじゃ」
「どうもトワです」
「あら、トワって良い名前じゃない。魔力にも濁りが少ない、良い人を捕まえたわね」
「そうじゃろう」
胸を張って嬉しそうにしているリーシャなんて初めて見た。
それにしても、この女性はリーシャとどういう関係なんだろう。
リーシャに聞いてみる。
「カヤは我のもりじゃ」
「もりっていうと教育係ってことか」
「はい、カヤっていいます。トワ様」
カヤは丁寧にお辞儀をした。
それから、カヤさんに連れられて城から庭へと出た。
今は合わない方がいいわね、とカヤさんが気を使った結果だ。
そこでカヤさんに、外で仲間を待たせていることを伝えてみる。
「それじゃあ、使いを出しましょうか」
カヤさんが数人の侍を呼び、外の者達を連れてくるように命令する。
従順に彼らはカヤさんに従い、結界の外へと出て行った。
「もしかして、カヤさんって強い?」
「分かるかのう。カヤは武者の長をしておったんじゃ。最強の女武者じゃ」
「そんなお恥ずかしい、昔の話ですよ」
そう言って照れているカヤさんだが、武者の長を引退した今も負けることがあまりないらしく、時々武士達の訓練してあげているそうだ。
カヤさんからは魔力を感じないと思ったが、感じないのではなく、俺が感じることができないほどうまく隠しているのだろう。
もし戦ったら勝てるのか怪しい。
「そうだ、今日は私の家に泊まりませんか?外で待っているお仲間さんも一緒に」
「それはええのう。頼んだ」
「はい、分かりました。私も今までの話を聞きたいしね」
「うむ」
そうして、今夜はカヤさんの家に泊めてもらうこととなった。
殿様が襲って来ても怖いし、カヤさんの家なら安心らしいので、賛成だ。
その後、クラスメイトとミア達も到着し、その日の夜はカヤさんの立派な家で豪勢な食事を頂いた。




