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第二波、突破

100話到着、いえ~~い!!

 第二波として登場した魔物達はとても強力だった。

 どれもがヘカトン以上の力、速さ、頑丈さを持ち合わせており、成すすべなく破壊される者もいた。

 だが、これ以上の被害は出ないだろう。

 誰だか知らないが、このふざけた銀の魔物を出した奴を許しはしない。


 「準備、完了しました」

 「起動開始します」


 起動に少し時間がかかるため、精鋭部隊で何とか引き留めてもらう。


 「起動しました。動きます」


 前に出てきたのは5機のヘカトン。

 通常のヘカトンとは違う。これは特別製だ。

 馬力は通常のヘカトンの百倍以上、使われている金属も特殊な配合をした超合金でできている。

 我らの技術の結晶がそこにはあった。


 「五長老様、お願いいたします」

 「任せろ!!」

 「皆の者下がるのじゃ」

 「俺らがこのくそ野郎をぶちのめす」

 「さあ、皆で倒してしまいましょう」

 「行くぞ」


 それぞれ用意された特別製のヘカトンに搭乗する。

 この機体の性能は桁違いだが、そのために魔力消費量がとても多い。ドワーフで操れるのは我ら五長老ぐらいだろう。

 起動した5体のヘカトンはすぐさま行動を開始する。

 一体目、その動きは音速へと近づく。


 「遅い遅いおそーい」


 サイコロプス型の足の関節全て切り裂き、そのまま体を駆け上がっていく。

 腕の関節部分を切り落とし、四肢を破壊した。

 身動きの取れなくなったサイコロプス型の目にサーベルを突き立てる。

 そして、サイコロプス型は動かなくなった。


 「俺の速さに追いつくものなどいない」


 二体目、一体目とは違いゆっくりと飛竜型へと近づいていく。

 それを確認した飛竜型は口の中に炎を生成し、放つ。

 その炎の温度は鉄さえも溶かす。


 「ぬるいなぁ」


 だが、二体目のヘカトンは溶けたりしない。

 背中が開き、そこからミサイルが数百発発射された。

 そのミサイルは逃げ惑う飛竜型を追いかけ、最終的には着弾させる。

 一瞬地面へと落ちかけた飛竜型は何とか持ち直す、がそこにはすでに追加のミサイルが飛んできていた。


 「攻防一体となった我には勝てはせん」


 三体目、そのヘカトンは杖を装備していた。

 普通はヘカトンの恐るべき機動力を使うならば、使う武器は剣などの近接のものとなるはずだ。

 だが、そのヘカトンは近接武器を装備していなかった。


 「ガルルルル」


 マンティコア型が3体警戒していた。

 前へと動き出す。

 マンティコア型の攻撃範囲に入った瞬間、マンティコア型は尻尾にある毒針を飛ばした。

 その針は寸分の狂いもなくヘカトンへと飛んでいく。だが、ヘカトンをすり抜けてしまった。

 何度も飛ばすがすり抜ける。

 そして、触れられるところまで来た。

 マンティコア型は気づいた、このヘカトンは偽物だと。


 「ガアアアア」


 すぐさまどこかにいる本物を探すがどこにもいない。

 一体、どこに。


 「一体、どこを見ているんですか?ここにいますよ」


 振り返った時、偽物に頭がつぶされた。

 残りの2体もすぐさま頭がぐちゃりと潰れて機能を停止する。


 「私を見つけることができなかったんですか?」


 4体目、それはヘカトンというより砲台という方が正しかった。

 体は地面に固定されており、その半身が大きな砲台で出来ている。


 「ドーン」


 放たれた砲弾は銀色の魔物達を3体貫いてもまだ勢いが止まらない。


 「ドーン、ドーン、ドーン」


 連射された砲弾は森を削っていく。

 その砲台と化したヘカトンを破壊しにゴーレム型が近づいてきた。

 固さが自慢の彼らは砲弾を恐れていない。


 「ほう、的が歩いてきたか」


 容赦なくぶっ放す。

 一発目は耐えたゴーレム型達だが、すぐに放たれた二発目により粉々に破壊された。

 だが、ゴーレム型は第二波の中で一番数が多い。

 すぐにまた数十体が攻めてきた。


 「後は任せなさい、さあ、行くのじゃ」


 砲台型の後ろで立ち上がったヘカトンはとても大きかった。

 どれくらい大きいかと言うと、サイコロプス型が腰ぐらいの高さである。

 それが手を振り下ろせば地鳴りが起き、足を振り下ろせば小規模な地震が起きた。

 銀色の魔物達はその攻撃を避けられず潰され、蹴散らされていく。


 「おいおい、危ねぇじゃねぇかよ」

 「周りがすごいことになってるよ」


 動くたびにクレーターが出来上がっていく。

 だが、この機体は五長老の機体の中で一番魔力の消費が激しいため、すぐに動けなくなった。


 「はあはあ、いかん、限界じゃ」


 コックピットから飛び降りる。

 下にはクッションが用意されており、そこに着地した。

 見るとエルフの森までは焼けていないが、そこの近くまで森が消滅している。

 そして、五長老の方を襲っていた第二波の銀の魔物達は全て壊れていることが確認できた。


 「終わったか」


 他の五長老達もその様子を確認してヘカトンから下りた。

 酷使したヘカトンからはすごい熱が放たれており、わずかに煙が上がっている。

 これはもう今日の内に使うことはできないだろう。

 後は、デック率いるドワーフ達のところだけだ。











 「なんかすごいのが、動いておったぞ」

 「何じゃあれは、五長老どもがあのような兵器を隠しておったとはのう」


 斗和達の方からは五体目の大きなヘカトンが見えており、そのヘカトンが暴れるたびにこちらまでその衝撃が来ていた。

 そして、数分してその揺れも収まり、大きなヘカトンも動かなくなる。


 「おい、やばいぞ。まだいるようだ」


 奥からゴーレム型が姿を現した。

 デックの頭には焦りが浮かんでいた。あちらの五長老のようにこちらには秘密兵器などない。

 今は陣形を組んで耐え忍んでいるが、時間の問題だろう。

 陣形もじりじりと押されてきているのが証拠だ。


 「デックさん、俺達がまた出るから援護を頼みます」


 打つ手なしか、と諦めかけた時、またも斗和達が前線へと戻ってきた。

 圧倒的な力でサイコロプス型やマンティコア型を蹴散らす彼らに奮い立たされたドワーフ達は雄たけびを上げる。


 「おいおい、俺らドワーフが客人ばかり頼っているわけにはいかないだろう」

 「そうだそうだ、この国は俺らが守ってこそ価値があるってもんだ」

 「行け行け突っ込め」


 勢いよく銀の魔物達に飛びつき、傷を与えて各個撃破していく。

 一体に対し五体以上で対処するという感じだが、着実にその数が減っていっている。


 「ぐっ、こいつは固いな」


 それでも攻撃が入らないゴーレム型には後ずさるしかない。

 攻撃してもその体には傷が付かず、相手の一撃はこちらのヘカトンを用意にひしゃげさせた。

 これに対し、咄嗟に斗和達は相手を変更してゴーレム型を相手取る。


 「ミアやれるか?」

 「大丈夫です。これぐらいなら切れます」


 固さに重きを置いているゴーレム型は足が遅い。

 そのため、切れるミアにとっては得意な相手だった。

 一体ずつ両断する。

 斗和も負けずとゴーレム型をリーシャとコマチと一緒に倒していく。

 気づけば第二波の魔物も少なくなってきていた。


 「もうすぐだ、頑張るんだ!!」


 デックさんの檄が飛ぶ。

 その檄に応えるように次々と銀の魔物達が撃破されていく。

 気が付けば、もうゴーレム型が2体しか残っていなかった。

 それも、ミアが両断し、俺とリーシャ、コマチが協力して撃破する。

 第二波を乗り切った。


 「よし、集まれ。警戒は解くなよ」


 第三波がないとも限らないのだ。

 警戒しながら待つが、銀の魔物達が襲ってくる気配はない。


 「コマチ、どうだ?」

 「うん、近くにはもういないと思う」


 その言葉を聞け、ドワーフ達は喜ぶ。死んでしまった仲間達はたくさんいる。

 だが、それでも自分の国を守れたのだ。

 未だ警戒しながらもその喜びを噛みしめていた。


 まさか、知らぬ間にドヴェルグタウンに危機が迫っているとも知らずに。



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