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まち  作者: 柳瀬
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排水溝

排水溝に流れる水が、何処へ流れ着くのか。小学校や中学校の時に学んだ気もするし、何ならそういう施設に見学に行った気もする。しかし、これだという答えは思いつかない。

ただぼんやりと流れていく水を見ていただけ

で、答えは求めていない。

洗面台の灯りを消して、踵を返す。明るさに慣れた目が、暗い廊下の足元を映さない。

紅茶を飲んだ後のカップを洗う。

寝具を洗濯をする。

切った指の血を流す。

普段歩いている道路の下に、それらが流れ集まり何処かへ行く。

当たり前に起きている事を、改めて考え直すととんでもなく凄い事だなと思う。きっと、今回の事に限らず、真面目に考えると目眩がするような事がたくさんあるはずだ。

それを凄いと実感出来る事は、本当に少ない。今当たり前にある物は、生まれ落ちるその瞬間に立ち会えないと凄さが分からない。自分の専門外の事、知識が乏しいものはいくら凄い事も理解出来ない。

今世の中にある奇跡的なことのほとんど、理解する事も実感する事もできていない。

その代わりに、私に関わる奇跡を他の誰よりも強く感じる事ができる。そんなに幸せを感じた事はないけれど、その分たまにある幸せに敏感になる。

ただそれは人間皆そうである。

私だけが特別だとかいう考えはとうの昔にやめなければと思ったはずだが、未だに小さいその気持ちがある。やはり、やれば出来ると似たその気持ちを殺してしまうには勿体無い。

せめて、浪費しない日々を過ごそう。誰かためとか創作の心情は置いておこう。

人の夢に色が付いたのはカラーテレビが浸透してからだとか。それなら、私のアイデアでステレオに、そしてカラーにしていこう。

さっきの排水溝奥は暗くて見えなかったが、それは当たり前で奇跡でもない。

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