真実(番外編)
恵玲那ちゃんはずっと遙馬のことが好きだったずっとって言っても、私と遙馬が付き合って3人で過ごすようになってからそれを知った。もしかしたら、私たちが付き合うよりも前に遙馬のことを好きだったのかもしれない。...そう思うと恵玲那ちゃんに申し訳なくなってくる。私は遙馬のこと大好きだけど、恵玲那ちゃんの事も大好きだから、恵玲那ちゃんの気持ちも尊重してあげたい。でも、遙馬を取られたくない。2人のことが大好きで3人で過ごす時間、あの楽しい時間が永遠に続けばいいと思ってた。でも、それは恵玲那ちゃんにとってはきっと辛いことだったと思う。恵玲那ちゃんもきっと私と同じように本当は3人で一緒にいたいって思ってくれているはずだけど、それでも恵玲那ちゃんは遙馬のことが好きだから私と遙馬を見てるときっと辛かったと思う。だから、恵玲那ちゃんが私たちから離れるって言うなら恵玲那ちゃんの思うようにさせてあげたい。でも、せっかくできた可愛い後輩を放ってはおけない。だから、恵玲那ちゃんの幼馴染である沙玖耶くんにこっそりお願いした。全ての事情を話して、恵玲那ちゃんを救ってほしいって。私がどうこうできることじゃないと思ったから。恵玲那ちゃんには悪いことをしたと思ってる。沙玖耶くんに事情を話して勝手にこんなことして。でも、それでも私は恵玲那ちゃんの幸せを願ってるから。沙玖耶くんだったら、恵玲那ちゃんを救ってくれると信じてるから。だから、2人が付き合ったことを知って安心した。これで恵玲那ちゃんも救われる。そう思った。でも、今となってはそれも違うのかな?と思う時がある。本当は、恵玲那ちゃんに遙馬を諦めさせて私が遙馬とずっと付き合えるようにしただけなんじゃないか。恵玲那ちゃんの為だと言って、結局は自分の為にやったことなんじゃないか。そう思う時がある。でも、それで2人とも...4人とも幸せになれるなら私はそれでいいと思う。こんな勝手なことして恵玲那ちゃんが知ったら怒るだろう。きっと沙玖耶くんが恵玲那ちゃんを好きだって言うのを信じなくなってしまうかもしれない。全ての言葉を信じなくなってしまうかもしれない。だから、このことは絶対に誰にも話さない。いや、話せない。
私は1つの罪を犯してしまった。全てを知りながら、それを隠しみんなを欺くという罪を犯してしまった...。