大好きな2人
今思うとそれは、「罪」だったのだろう...
好きな人が出来て、告白して、付き合って、なんてそんな青春みたいな話本当にあるとは限らない。
実らない恋だってあるのだから...。
私はどこにでもいるような高校生だった。恋をしたことがないだけで...。よく友達に聞かれることがあった。「恵玲那はモテるのになんで誰とも付き合わないの?」モテるかどうかは知らないけど付き合うっていうことがどういうことか私には分からなかった。恋をするなら自分が好きな人とって思ってた。好きな人ができないだけだった。「モテるかどうかはよくわかんないけど付き合うなら好きな人とがいいんだー!」「...可愛いな〜恵玲那は!」今は好きな人もいないし、友達と楽しく過ごせればそれでよかった。でも、恋はしてみたいと思っていた。
そんな時...
ある1つの噂を耳にした。
「紗耶香先輩と遙馬くん付き合ってるらしいよ!」紗耶香先輩も遙馬くんも私の学校で毎年行われるミスコンの優勝者だ。先生をも認める美男美女の2人だ。そんな有名な2人が付き合ってる??
おもしろそう...。
最初はほんの興味本位だった。美男美女出有名な2人の付き合ってる姿をただただ見たいだけだった。だから、先輩とも遙馬くんとも仲良くなっていつの間にか3人で過ごす時間が増えていった。でもやっぱり2人は恋人同士だから私も遠慮する。一緒にいる時は大抵邪魔をしないように距離を取るし、行き帰りは時間をずらして、個々とはあまり話さないようにしてる。2人は私がいてもぜんぜん気にしないし、私を妹みたいに可愛がってくれる。そんな2人だからこそ本当にお似合いで本当に大好きだった。でもだからこそ、そんな2人な邪魔をしてはいけないと思った。
距離を取ることにした...。
それが、私と2人の為だとそう思ったから。
苦しかった。今までの楽しかった日々が嘘のようになくなった。距離を取った私に話しかけてくる先輩に申し訳なくて、罪悪感でいっぱいになった。なんで罪悪感でいっぱいになったんだろう...?なんで申し訳なくなったんだろう...?それは今までにない感情だった。先輩に罪悪感を抱いて、申しわけなくなって、それはつまりどういうことなのだろう。
私の親友でなんでも話しを聞いてくれる
夏葉に聞いてみた。
「恵玲那さ、それ遙馬くんのことを好きになっちゃったってことじゃないの?」え?
「夏葉さん?何を言っているのかね?」ありえない...。「だって先輩のことも遙馬くんのことも大好きなんだよね?そんな大好きな先輩と話してると罪悪感でいっぱいになるっていうことは、やましいことがあるってことでしょ?」そんなことは...「そうかもしれないけど、私が遙馬くんを好きなこととは繋がらなくない?」そうだよ...。好きなはずない。
「まぁ、それはこれから徐々に分かっていくかもしれないよ」
絶対にありえない....。