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灰と茶と!  作者: AKAI
7/8

茶色の章(後編の上)

 元は真逆の存在で互いに嫌い会っていた2人は何時の間にか似た様な存在に・・・

そして更に月日は流れ灰川は中年と言える年齢に突入しようとしていて工場では沢山の年下の後輩達も出来たが彼らに迄、追い抜かれ呼び捨てにされタメ口を使われ

「お前・・・いや君達、僕、年上で先輩なんだけど・・・」

と、その事で抗議すると

「役立たずが何を言ってやがる・・・!」

 等と反論されて殴られたり蹴られたりし更に逆に自分は彼らに対し敬称&敬語を使う事を強制される等、馬鹿にされる日々を送っていた。


一方、茶山も相変わらずヤクザ達の所で一番の下っぱとして扱き使われる日々を送っていたが、そんな、ある日、拳銃と弾丸を1つずつ渡され

「おい!糞兵くそべえ・・・!これで、お前の憎たらしい奴、1人、ぶっ殺してこい!」

と命じられ、ためらいながらも

「大丈夫だ・・・サツからは守ってやる・・・って言うか、てめえ餓鬼の頃からわり〜事、上手くやってきたんだろう・・・もし上手くいったら、この家、返してやってもいいし、てめえは切り込み隊長・・・つまりヒーローって立場に大出世だぜ・・・!」

 等と言われ震えながらも

「ぜ・・・是非、やらして下せえ~・・・!」

 等と叫んで拳銃と弾丸を受け取る。


 その後、茶山は監視付きの形で街中を彷徨いながら自分が殺そうとする相手を探し回るが、そこで見かけたのは美人の妻と可愛い子供と共に散歩している石居で、その幸せそうな姿を見ながら

「や・・・野郎!元はと言えば、あいつが元凶みたいなもんじゃねえか・・・それなのに自分だけ幸せになりやがって・・・」

 震えて呟いた後、石居親子の前に現れ

「やろ~う!ぶっ殺してやる~!」

 と叫び、その姿を見た石居の妻子は震え出すが茶山の手には何も無かった・・・何と拳銃を落としていたのである。素手では石居には敵わず、どうする事も出来ない茶山を石居は

「茶山・・・元級友と同じサッカー部員のよしみで見逃してやる・・・貴様も刑務所に行きたくなかったら・・・さっさと消えろ・・・」

 と言い放ち、それを聞いた茶山は、その場から逃げ去り落とした拳銃を探し回るが見つからず、それを拾った他の監視の者に足で思いっきり顔面を蹴られ

「おい・・・!このままで済むと思うのか・・・」

と脅されるが、それに対し

「ま・・・待ってくれ・・・今度こそ上手くやるから・・・」

等と言って言い訳をし、この後、簡単に遣れそうな相手として選んだ灰川の行方を探し出し、その自宅に迄、押しかけ帰宅を待つが灰川は、何時までたっても姿を現さずイラつく茶山は其処のアパートの住人から

「灰川の息子なら・・・逮捕されたよ・・・確か仕事中に酒を大量に飲んで同僚の子を刃物で襲ったんだってね・・・」

と聞かされ、これは実は嵌められた物で冤罪だが味方よ呼べる存在の無い灰川は、どうする事も出来ず茶山は嘗て自分がやった事を他の者達がやった事で計画を狂わされ

「こ・・・これじゃあ・・・誰も遣れねえ・・・」

と唖然とする。その日の夜、茶山の元自宅ではヤクザ達による酒の席が開かれ殆どの者達が酔いつぶれて眠ってしまった後、ガソリン等を掛け捲り火を付け全焼させ自身も大火傷を負うが逃亡してしまう。


 そして更に月日は流れ刑務所から出所した灰川は40代の後半で老人の様な風貌となりホームレスと化した茶山は怪物の様な姿となっていた。

 あれから可成りの月日が流れたが再び灰川は濡れ衣を着せられ茶山は罪を犯してしまい・・・。

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