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灰と茶と!  作者: AKAI
3/8

灰色の章(後編の上)

 遂に自らの無実を証明した灰川は今迄の事は水に流そうとするが、そんな彼には予想外の展開が待っていた。

 翌日、灰川は学校に行くと授業前に特別にホームルームが開かれるが何と其処には主任の鋼田の他、教頭の銀海と校長の金山迄が居て、その異例とも言える光景に不安を感じる灰川に級長の石居は

「灰川・・・茶山君や皆を許すのか・・・それとも許さないのか・・・?」

と問い、それに対し灰川は

「茶山君が・・・反省し盗んだ金を返すのなら全て水に流します・・・もちろん僕の代わりに便所掃除をしたり給食を免除する必要は有りません・・・」

と答え、それを聞いた石居は

「本当に許すと言うんだな・・・?だったら、このまま濡れ衣を着て貰おう・・・!当然、給食は、このまま免除し便所掃除も続けろ・・・それが返済の代わりだ・・・!」

と言い放ち、それに対し灰川は

「ど・・・どうして・・・?僕は何も、やってないのに・・・?」

と問い、それに対し銅島は

「お前の無実が証明されるという事は茶山君の悪事がバレるという事だ・・・お前も知っているだろう・・・わが校はサッカー部の強さがウリで茶山君は、その主力選手だっていう事を・・・」

と答え、それに対し灰川が震えながら

「だったら・・・僕は・・・茶山を・・・皆を・・・絶対に許さな・・・」

と言い掛けた時、実はサッカー部の顧問でも有る鋼田に続いて銀海、金山迄が

「おい!まさか許さないとでも言うんじゃないだろうな・・・こら~!」

「君は・・・やっぱり心の狭い人間だね・・・!」

「言っておくが君の御両親も、この事には同意してくれたよ・・・!」

 と言い放ち、それを聞いた灰川は

「う・・・嘘だ・・・」

 と震えながら呟くが帰宅後、その事で両親を問うと両親は悲痛な表情で

「消介・・・このまま茶山君の罪を着てあげなさい・・・」

と言い、その事を問い続ける息子の言葉を無視し続けた。


 実は父=消一の働く印刷工場の工場長の所に仕事を与えている立場の会社の重役で有る茶山の父=勝兵が訪ねてきて

「実は灰川さんの息子さんに私の息子の罪を着て貰いたい・・・もし、この頼みを聞いて貰えないのなら、お宅とは一切、縁を切らせて貰う・・・!」

等と脅しをかけ、それを聞いた工場長は

「分かりました・・・灰川は何とか説得してみましょう・・・」

と答え呼び出した消一に

「と言う訳だ・・・君の息子に茶山さんの息子さんの罪を着て貰いたい・・・いいか!これは頼みではない・・・業務命令だ!」

と言い放ち、それを聞いた消一は当初は反論するが聞き入れられなかった。


そして、しばらくしてからサッカー部の大会出場を掛けた試合が行われ、その予選の第一試合は大してサッカーの強くない小学校で茶山は

「楽勝・・・楽勝・・・!」

等と言って相手チームを見下す様な態度を見せるが予想に反し負けてしまい唖然とし続け試合終了後、下級生の4年生の中で選手に選ばれた者達の胸倉を掴み、その内の1人を

「馬鹿野郎!てめえらが生意気に下級生の分際で選手なんかに、なりやがったから負けたんだよ・・・!」

と叫んで殴り飛ばし、その部員を、もう一発、殴ろうとした時、その腕を掴んだ石居が

「止めろ・・・俺が見た限り、こいつらに落ち度は無い・・・負けた原因は他に有る筈だ・・・!」

と言い放ち、それを聞いた茶山は

「けっ・・・!もしかして、ず~っと、この部に貢献してきた俺が悪いとでも言うのかい?もし・・・他に原因が有るとしたら、それは灰川だ!奴め・・・この俺に濡れ衣着せられた事、根に持って祟ってきやがったんだ!」

等と荒れ狂いながら叫んだ後

「あっ!・・・早々、さっき止めろとか言ったよな・・・?だったら、こんな、つまらんモン、さっさと辞めさせて貰うわ・・・!」

と叫んで勝手に1人で帰ってしまい、その様子を見た周囲は唖然とするが茶山に先程、殴られた部員は石居に

「濡れ衣って・・・?もしかして、あの給食費泥棒は灰川じゃなかったんですか・・・?」

と問い、それに対し石居は無言で首を縦に振り、その姿を見た、その部員は

「その真犯人ってのは、もしかして・・・」

と呟いた。

 無実が証明された後も、このまま濡れ衣を着る様に強制された灰川は・・・

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