1.プロローグ〜白い死~
この作品は国語力の無い初心者が書いた最初の作者なので、覚悟がある方のみ読んで下さい。
授業の終わりのチャイムが鳴る。
蝉の鳴き声が五月蝿い夏の日。ぶつぶつと小言を言いながら一段、また一段とゆっくり階段を上っていく。途中で何をしようとしてたかわからなくなったが目的地へ向かった。
着いた。屋上だ。平坦で特に何も無い。フェンスの代わりに50cmの壁があるくらいだ。これといってある物と言えば誰が置いていったかも分からない望遠鏡。レンズは割れているし錆び付いている。いつもなら気にもとめないが今日はやけに気になった。
「ここってこんなんだったか?」
「まぁ、今日が最後だし。」
なんでそう言ったのか自分でも分からない。
そう思いながら空が一番近い場所に立った。
「おーい、陽太ぁー」
という声が聞こえる。
冬香の声だ。だんだん近づいてくるのが分かった。何をしに来たんだろう。
「ちょっと陽太!そんな所にいたら危ないよ!」
茶髪のツインテールを揺らしながら彼女は言う。彼女の名は石蕗 冬香。隣のクラスのやつだ。なった中学2年の頃一緒のクラスになったきり同じクラスになったことは無い。今はクラスのムードメーカーになってるらしい。
「あぁ石蕗か。少し空を見ようと思ってな。」
適当に言葉を返す。
「え?今日は曇りだよ?雲がそんなに観たいの?」
痛い所を突かれた。説明するのは面倒臭かったので話を変えることにした。
「ところで明のやつを見なかったか?いつもは大体ここに居るだろ?」
勿論明の場所は知っていた。ただ話を逸らすために知らない振りをした。
一応明の事も説明しておこう。
名前は虎杖 明。クラスは冬香と同じでで、1-Dだ。何故かガタイのいい割に保健委員をやっている。
因みに幼馴染みだ。昔3人でよく遊んでいた。
「あーそれなら保健委員の仕事をしてるよ。ってあれ?なんの話をしていたんだっけ?」
こいつが馬鹿で助かった。なんかこいつと話をしていると何故か疲れる。
「んーじゃあ明を連れて来てくれないか?」
1人になりたかったから適当に口実をつけて戻ってもらおうとした。
「なんで私が?」
「いいから。連れてきたらなんでもするから。」
「今なんでもするって言ったよね?約束だよ?」
「わかった、わかった。」
俺は冬香を屋上から出させた。
…しかし連れて行かせたのは間違いだったのかもしれない。なぜなら連れてくるのなら戻ってきてしまうからだ。
ここには爆弾が仕掛けられている。今朝何故か俺の家に爆弾を学校に仕掛けたという予告がハガキで来た。勿論学校にも警察にも取りあってくれなかった。本当は学校に届く筈だったんだろうか。でも郵便局がこんな爆破予告を見逃すのだろうか?最近の郵便局は仕事をしないのだろうか?
爆弾はどこにあるのだろう。大体の検討はついている。望遠鏡だ。時刻は爆破予告には書いてなかったのでスイッチ式だろう。
しかし、それは違った。時刻はあと4分11秒だった。もう教師を呼んでもどうにもならない。さらに教師を呼んだとしても呼んで来ている最中にあいつらが屋上に戻ってきたらどうなることか。どうするか。今更冷や汗が出てきた。機械音が鳴り響き刻一刻とカウントダウンされる一方で、混乱した俺は目の前が真っ白になった。
正気に戻るとあと一分を過ぎていた。
そうだ、下に戻ろう。いつもは「死にたい」が口癖だったのにいざとなると死ぬのが怖くなる。あいつに会いに行きたいのに怖くなる。
気が付くと体が震えて歩きがおかしくなっていた。屋上のドアは閉めた。階段を降りよう。ゆっくり、ゆっくり降りて行く途中で転んでしまった。打ったのは…頭だ。誰かが俺の名前を呼んでる気がしたが脳内が真っ白になった。ただ轟音がしたのだけは覚えている。ゲームオーバーだ。と、思った。
気が付くと真っ白な病院にいた。
だが、怪我の後もなく膨大な時間が過ぎていた訳でも無かった。たった5分しか過ぎてないじゃないか。おかしいのはそこだけでは無かった。病院には看護師も医者もいない。ただ、何百人という人がいるのみ。そこには明と冬香、そしていないはずの幼馴染みの浅沙 菜摘までがいた。
彼女は幼稚園の頃から知り合いで中学1年の頃から病気で亡くなってしまったと親から言われていたような気がする。姿が変わっていたにせよ小柄な体に長い黒髪には俺が小学生の頃に誕生日のプレゼントとして作った髪留めを付けていた。
「病気…?」
自分の中で違和感が生じた。
「菜摘ぃ!」
大きな声で明が叫ぶ。
その声に反応した菜摘は一瞬戸惑った後、
「どなたでしょうか…」
と言った。それに対して明は
「忘れたのか?虎杖 明と薺 陽太だよ。」
と言った。菜摘はどこか悲しく、そして嬉しそうな笑みを浮かべ、
「陽太に明…久しぶり…」
と、呟いた。いつも無表情で静かな菜摘が笑うのは珍しかった。さらに冬香は、
「あなたが浅沙さんですか?はじめまして。石蕗 冬香です。」
と優しく微笑みながら冬香は言い、その言葉に
「は、初めまして、浅沙です…」
と答えた。人見知りは昔から変わってなかったようだが、2人は打ち解けたようで、会話を楽しんでいた。
しかし、変だ。
死んだ筈の菜摘と俺ら3人、そして他の人達。俺らには何があるのだろうか。そしてここは何処か。今頃何故俺たちは再会したのか。そんなことを2人の会話中頭の中を埋め尽くしていた。
すると、いきなりモニターが出てきた。文字で何かが表示されている。
「あなた達には自分が死んだ理由を探し出してもらいます。」
あぁ、やっぱり俺は死んだのか。モニターには続いて
「それと、あなた達一人一人から記憶の一部を書き換えさせていただきました。」
「因みに、書き換えられた記憶と死因を答えてもらい、合っていた場合は先着50人まで生きて元の世界まで帰ることができます。もし、その50人までに入れなかった場合はこれこそ本当のゲームオーバーです。ではでは。」
と、表示されてモニターの文字がぷつん、と消えた。
「え?…」
明と冬香が声を合わせて言った。
ー 俺達の死因を探す生活が幕を開けた ー
どうでしたか?まぁ分かりずらかった所は後で分かると思います。読んでいただきありがとうございます。次回は数日開けて出すと思うので宜しければ是非ご覧になって下さい。