まとえ!ブライザー
ここはカイエン公爵家騎士団の1つ
【炎龍騎士団】
の、訓練所です。
カイエン公爵家は、家紋に龍を使っているので騎士団には龍の名前がつきます。
【炎龍騎士団】
【水龍騎士団】
【土龍騎士団】
【木龍騎士団】
【金龍騎士団】
の、五つの騎士団で構成されたのがカイエン公爵騎士団になります。
ちなみに、このルシュタールでは国軍として16の騎士団が存在し、第〜と数字が付く騎士団は国の騎士団になります。
カイエン公爵は16騎士団のトップである、
【日の騎士】
にあたります。
騎士の階級は【日の騎士】が軍の総司令官にあたり続いて各騎士団長が【月の騎士】と成り、下の団員は純粋な戦闘兵が【火の騎士】医療兵が【水の騎士】工作兵が【木の騎士】輸送や補給を担当する【土の騎士】要人警護の【金の騎士】と目的別に呼ばれ方は変わりますが、日の騎士、月の騎士以外の5騎士は階級的には平等です。
貴族が独自に持つ騎士団は、貴族家の紋章や歴史の由来などで様々な呼ばれ方をします。
しかし、どの貴族家の騎士団も一応は16騎士団に属しています。
カイエン公爵騎士団なら第6騎士団に属していて、有事の祭は騎士団長ロズと共に戦います。
ルシュタールの騎士団長は、基本的には大領地を治める貴族家の当主が務めます。
例外は、第1騎士団と第6騎士団に当たります。
第1騎士団は王都直轄地を守護します。王様が1番強い騎士を任命するので第1騎士団長は時代最強騎士が務めることが多いです。
現在の第1騎士団長は平民出身で、騎士学校に通っている時はカイエン公爵といつも首席の座を争っていました。
属性こそ金、木、火と三属性とカイエン公爵に叶いませんが、魔闘術の才能があったらしく剣を持てば大地を斬ることが出来ると言われるほどの騎士です。
カイエン公爵いわく
「まあまあ強いよ。私ほどではないけどね」
と言っていたのを思い出してたクレイ君、騎士団の訓練所で騎士の人にお願いします。
「頼もう!」
「これはクレイ様、何かご用ですか?」
少し驚いた感じで答える騎士団員
クレイ君はお構いなしにお願いごとを言います。
「今やってる格闘術を教えてくれ!」
「えっ!魔闘術をですか?」
「そうだ、その魔闘術を教えてくれないか?」
クレイ君、ここで初めて格闘術の名前を知ります。聞くからに強そうな名前にワクワクしてるクレイ君に
「いや、流石に危険すぎます。クレイ様」
三歳児に対してあまりにも過酷な訓練なのを、知ってる騎士は辞めるように説得しますが
「大丈夫だ!」
クレイ君は自信満々に答えます。
その答えに困ってしまう騎士さん
『大丈夫じゃねーよ。カイエン公爵のご子息になんかあったら首が飛ぶじゃねーか』
騎士さんは優しい人なので、三歳児の子供が心配でならないのです。
「クレイ様!」
そんな困った騎士さん。そこえ団長が現れます。
「クレイ様、このような場所にいかがなさいましたか?」
クレイ君、団長さんにお願いします。
「魔闘術を教えてくれないか?」
クレイ君は、誠意を持ってお願いします。
そんな純粋な気持ちに打たれた団長さん。35歳、独身、彼女募集中、185はある高身長に、無精髭が似合う熊を想わせる風貌、ガタイがいいのに趣味はポエムと言うナイスミドルの言葉は
「いいですなぁ、クレイ様も魔闘術派ですか!これはカイエン公爵家も安泰ですなー、はっはっは」
クレイ君、魔闘術派が何なのか分からないが今はどうでもいいので
「では、さっそく教えてくれ!」
「かしこまりました」
頭をさげる団長に騎士さん。18歳、入団したての新米さん、故郷に結婚を約束した幼馴染のジュディがいるが親にちょっとは強くなりなさい、と言われ騎士学校に入れられた少しヒョロっとしたイメージのナイスガイである。
「団長!大丈夫なんですか? 魔闘術させて怪我でもしたら!」
優しい騎士さんは心配性のようです。しかし、団長はとても厳しい人なので甘やかしません。
「大丈夫さ、ちょっと相手すれば満足するもんさ」
どうやら練習プランはもうあるようです。
『フッフッフッ、やったるでー』
やる気満々のクレイ君です。
「それではクレイ様、魔闘術の基本を教えるので私の真似をして下さい。」
「分かった!」
「まず体内の魔力を身体の隅々まで拡げます。そして、その状態を維持するのです。」
「こうか?」
光ってるクレイ君
団長さんは光ことを知ってるので驚きません。新米騎士さんは口をあんぐりさせています。
「そうですクレイ様、その状態をまず10分間維持できれば、次のステージに進みます。」
「分かった」
厳しい団長さんは、大変ハードなので普通の騎士が1分間維持すれば合格の修行も10倍を要求します。
「なるほど、団長考えましたねこれならクレイ様は安全ですね。」
「まあ、貴族家の坊っちゃんが、魔闘術したいって言ってきたらこうするもんなのさ!」
「確かに10分なんて達人レベルですもんね!」
「俺でも、4分が限界だからな」
「流石団長ですね。私なんて1分を少し超えるぐらいですよ」
「まあ騎士学校出立てなら、そんなもんだろ。これからたっぷりシゴいてやるからな、はっはっは」
「はっは、お手柔らかにお願いします。」
向上心を忘れない団長と騎士これからも鍛錬に励むようです。そんなこんなで10分後
「ふむ、案外簡単に出来たな」
あんぐりと口をあげて驚く団長と騎士、
「これで次のステージとやらに進めるのだな?」
溢れる才能とたゆまぬ鍛錬をしてきたクレイ君、魔力操作などお茶の子さいさいなのです。
そんな才児に、団長さんは練習プランを考えます。
『マズイぞ、まさか本当に10分も魔力を維持するなんて思わなかった!このまま魔闘術の訓練して怪我でもしたらエライことになる、どうしよう?』
団長さん、冷や汗をかきながら考えます。
そんな団長さんを邪魔が入ります。
「坊っちゃま?坊っちゃま?どこですか?」
メイドのセリアです。クレイ君を探しに来たようです。
「炎龍騎士団さん、坊っちゃま知りませんか?」
そう尋ねながらクレイ君を探すセリアさん。
「クレイ様ならここにいるよ」
炎龍騎士団の1人が、セリアさんに答えます。
「ありがとうございます。あっ!いた」
「坊っちゃま!お勉強の時間ですよ。先生がお待ちです。行きますよ」
そう言うと、ズルズルクレイ君を引っ張っていきます。
「わー、良いところなのに」
クレイ君の訓練はここまでのようです。団長さんは考えた練習プランが台無しになって、残念そうにつぶやきます。
「危なかった。良いとこにメイドが来てくれて助かったわ。明日からどうしようかな? カイエン様に報告しとくか!」
団長さんは、カイエン公爵に丸投げする気のようです。そしてカイエン公爵は、息子の溢れる才能を知り取り敢えず5歳になるまで基礎体力を上げる練習と簡単な剣術、格闘術をさせる事にしました。
そして鍛錬に明け暮れる毎日を過ごすクレイ君も、5歳になりいよいよ明日、選定の儀を迎えるのです。
「とうとう明日か!俺には、どんな属性があるんやろ」
そうこのクレイの選定の儀の日が、ルシュタールの果てはアルカラ全土に渡る、運命の日であった。
《そろそろブライザー出てこないのかな? 早く出てきてよ!》
【世界の危機は一刻一刻と近づいています。ブライザー頑張って下さい】