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この世界を救えブライザー!変身ヒーローの異世界転生  作者: にんにん
第一章 この村を救え!ブライザー
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恐怖、三狼男の巻

 ここベルーザにある迷宮、八大迷宮【イーグル】がある。月の属性迷宮にあたる。

 その迷宮の影響で空飛ぶ都市が出来上がったのである。無論攻略者はまだ存在しない。

 そんなベルーザで初クエストに挑む、子供パーティー名を


 【WSS】


 「やで」


 「なんで勝手に決めてしまうのじゃ」


 「そうだよクレイ、せめてじゃんけんとかして決めようよ」


 もっともな抗議をする2人にクレイは


 「決まったことにグダグダいうな、行くで!」


 そう言って出発するクレイに


 「あっ、まって」


 「待てよクレイ」


 慌ててついて行く2人だった


 ここはベルーザ近郊の森の中、ここは八大迷宮の影響なのか特殊な薬草などが取れやすくなっている。なので初心者冒険者に人気のエリアであり、学生冒険者にも優しいのである。


 「あったのじゃ」


 「ここにもあるぜ」


 「そうかご苦労」


 「「って、お前も働かんかい!」」


 みんな仲良しであった。

 いくら入学式が午前に終わり、午後が暇だと言っても初日に冒険者登録してクエストまでするのはかなり珍しい、いくら採取クエストが安全と言っても時間はかかる、なので


 「なあクレイ、寮の時間って大丈夫なのか?」


 ゲイルはなんとなく尋ねた


 「妾はベルーザの龍人族の別荘から通いだから大丈夫なのじゃ」


 葉美姫は大丈夫、


 「俺も家がベルーザだから通いなんだ」


 ゲイルはベルーザ領主の息子なので通いなのだ


 「フッフッフッ、寮の時間ってなんや」


 クレイは時間に縛られない


 「えっ、お前寮生だろ、もう直ぐ寮の門限だろ」


 ゲイルが指摘する


 「えっなんてことなのじゃ、クレイ大丈夫なのじゃ」


 クレイは笑顔で言うのだ


 「大丈夫だ、寮の門限なぞ知らんからな」


 クレイは自由に生きるのだ


 「って大丈夫じゃないだろ、クレイ門限に帰らなきゃ大変なことになるぞ」


 「そうなのじゃ、大変なのじゃ、直ぐ帰るのじゃ」


 そう言うとクレイの手を引き寮に向かおうとした時、ガサ、ガサ

 物音がしたと思ったら

 ギー!ギー!

 鳴き声と共にゴブリンが現れる。


 「くっ、何故こんなとこにゴブリンが?」


 ゲイルが剣を構える、ベルーザ家は剣の一族と呼ばれる剣術一家であり、ゲイルも幼い頃から剣術を叩き込まれていた


 「ゴブリンなのじゃ」


 そう葉美姫は槍を構える、龍人族は槍術が一般的な武術で彼女もずっと練習してきたのである。


 「えい」


 クレイは問答無用でゴブリンに拳を突き立てる。ゴブリンは何も出来ないままに息絶えた。カイエン家は拳の一族でも何でもない、クレイが変わっていただけである。

 唖然と見る2人、いかにゴブリンといえど子供である自分達では苦戦するはずであったが、あまりにあっさり倒してしまうクレイの戦闘力に驚いていた。


 「じゃあ行くか?」


 そう言うとクレイは寮に帰ろうとしていたが、森の様子が変だった。一番の異変は葉美姫の護衛が倒れていた事である。


 「なんや、ちょっと変やぞこの森!」


 「どういう事なのじゃ?」


 葉美姫が尋ねる


 「お前の護衛が全員やられてる」


 「「なっ?」」


 龍人族は人族より圧倒的な戦闘力、魔力を有し、こと戦闘になると普通の龍人族なら戦闘訓練をした10人ぐらいの人族でも勝てない、しかも龍人族の王族の護衛は龍人族でもエリートであり、その辺の魔物では相手にもならないのである。

 ゲイルはクレイの言い分が確かなら5人いた龍人族がやられたと言っているのである。どんな非常事態なのか、葉美姫も護衛の実力は知っていたので何が起きてるのか不安で仕方なかった


 「グヒ、グヒ、こんな所に美味そうなガキがいるじゃねーかよ!グヒグヒグヒ」


 変な笑い方をした怪物が現れた。見た目は人狼族みたいだが全然違った、最大の違いは顔が三つある事である


 「俺の名は【三狼男】だ!グヒグヒグヒ」


 三狼男はそう言ってクレイ達に近寄る


 「人族最高峰の学園都市の破壊に来たんだが、その前に腹ごしらえと行こうかなグヒグヒグヒ」


 三狼男の圧倒的な殺気に腰を抜かす、葉美姫とゲイルそこに傷だらけの龍人族が現れる


 「姫様お逃げください、ここは私が時間を稼ぎますから」


 「何をいってるのだ、お前そんなぼろぼろのからだで! わたしはいいからお前が逃げろ」


 「無理言わんで下さい、私は姫のお目付役ですよ姫様を意地でも守りますよ」


 そう言って三狼男に対峙する


 「あっれー、お前まだ生きてたのか? 弱いくせに頑張るなーグヒグヒグヒ」


 「まあカッコつけてるとこ悪いけどよ、今は邪魔だから死ね!」


 そう言うと三狼男は龍人族の男に鋭い爪を突きたてようとした、あまりのスピードに誰も反応出来ない

 龍人族の男は悔しさでいっぱいだった、自分の未熟さで姫様を守れなかったことが、そして何も出来ず死を受け入れるしか出来ない自分が、そう龍人族の男が死を受け入れ目を閉じた。

 そんな龍人族に死は訪れなかった。


 「なかなかやるなクソガキ、マグレでも俺の攻撃を防いだのは褒めてやる」


 龍人族の男が目を開けるとそこに三狼男の攻撃を受け止めている子供がいた。なんだから神々しい剣を持っていた。


 「どうやらその剣のおかげみたいだな、凄い力を感じるな、どっかの迷宮品だろうなグヒグヒグヒ、しかし持ってるのがこんなガキではなー!」


 三狼男は子供に告げる


 「しかし俺に逆らうなんてな、せっかく苦しまずに食ってやろうと思ってたのになー、俺のじゃまするなら」


 《ぶっ殺してやる!》


 ビリビリと空気が震える、まさに怪物の咆哮であった。

 そんな三狼男にクレイは


 「まあええからはよ来いや、門限過ぎるやんけ」


 クレイは、怒っていた。



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