魔法だ!ブライザー
『 俺が生まれてから数ヶ月が経った。』
『 最近気付いたが、この世界どうやら【魔法】と言うものがあるみたいだ。』
『 俺のめんどうを見てくれているメイドさん?が、掃除などをしてる時に呪文みたいなものを唱えると部屋が綺麗になっていた!』
『 正直驚きと共に感動したよ。魔法って憧れていたんだよね、ブライザーで戦っている時は凄く強い力が使えるとか、凄く速く動けるとか、博士からもらう兵器とか使っていたからな、流石にこの世界にブライザーになるための【ブライフォン】がないからなーちょっと不安だったんだよね、しかし魔法ってどう使うんだろう?』
『 少しだけ考えたが魔法ってやつは、基本的に魔力ってやつが必要なはずだ。この世界でもそうなのかな?』
『 そう考えると俺に魔力あるのかな?いやあるはずだ、なんかさっきからお腹のほうからグルグルした感じがする、きっとこれが魔力に違いない。』
『 よーしお腹に力を入れてみよう、きっとそんな感じで魔力を操作したら、魔力が強くなっていて赤ん坊のころから訓練したらチート並の大魔導師なんかになれるはず!』
『 いくぞ!えい!ふっん!』
ぶり!
『 あかんケツからなんか出た』
「ふぇーん!ふぇーん!」
「あらあら坊っちゃまどうしました?」
「あー、オムツですか?すぐお取替えいたしますね」
『ふっ、どうやら魔法の修行はなかなかハードみたいだぜ。』
俺はなかなかのキメ顔をしながらメイドさん?にオムツをかえてもらった。
『 しかしこのメイドさん?って本当にメイドさんなのかな?見てる限り動きに隙がなさすぎるな、ブライザーの時に知り合った国際警察のエリート潜入捜査官ポールより隠密行動に長けてそうだぞ!何者なんだろう?うーん気になるけど、赤ん坊の俺じゃ調べるのもなかなか難しいな。』
『 まあ、気にしすぎても仕方ないかな?もう少し育ってから考えればいいか!』
『 うーん、しかし暇だな、魔法訓練はなかなかに危険だからやるのには躊躇してしまうし、生後数ヶ月程度ではあまり動けないし暇だな
もう寝るか!』
クレイ君は少し昔の夢をみる、ブライザーの最後の戦いの日の夢を!
「行くのか隼人」
「ああ、おやっさん行ってくるよ、バーギルとの因縁を断ち切ってくるさ」
「そうか必ず帰ってくるんだぞ、ここがお前の【家】なんだからな」
「分かったよ。おやっさんのまずい飯食ってやらなきゃいけないしな!」
「誰がまずい飯なんか作るか、生意気言ってないで行ってこい、今日はお前の好きな麻婆豆腐作っといて待ってるよ」
「そうかおやっさんが麻婆豆腐作っといてくれるなら絶対帰ってこないとな!」
どこか昭和な感じのレトロな喫茶店で、隼人ことブライザーはおやっさんに行ってきますと言うと、ブライゼットと呼ばれるバイク型の兵器にまたがりハンドルを握り最後の戦いに向かって行ったのだった。
ババーン!ババーン!ババーン!
そこで流れるブライザーのテーマ曲
【行け!ブライザー】
あーくの組織♪とたたかうー♪せいぎのーみーかたー♪その名はー♪その名はー♪鋼鉄甲冑♪ブライザーーーー♪
『って、なんでやねん!』
バチッと目覚める赤ん坊
『あれ? 夢だよな何故テーマ曲が流れる? てかブライザーにテーマ曲あっのか?』
クレイ君は混乱していた、何故ならブライザーは国際犯罪組織や大規模災害などの救助などをおこなう国際機関WSSの変身スーツをまとい戦うヒーローではあったが世間にはあまり知られていない活動であったからだ。だからテーマ曲なんて特撮ヒーローみたいなものがあるのは変かな? と思ってしまった。
『まあ、夢だしね』
クレイ君は納得したようだが、クレイ君自身は日曜の朝は起きないので知らないが、【鋼鉄甲冑ブライザー】は、日曜の朝方にかけて世界中に放送されている超人気特撮ヒーローものとして流れていたのだ。
WSSの長官であるおやっさんが、予算を勝ち取るためブライザーの活動報告ついでにテレビ局と一緒にブライザーの戦いを撮影していたのだ!
なのでテーマ曲は存在するのだ。
ちなみにブライザーの最後の戦い【さらば!ブライザー】は、ブライザーが実際活動していること、悪の組織紅蓮党を壊滅に追いやったこと、地球破壊ミサイルを防いだことなどが、ニュースで流れてそしてブライザーが亡くなったことと合わせて、全世界視聴率90パーセント越えの番組として最終回を終えたのであった。
おやっさんは隼人の墓に毎日のように通い「バカやろが」と、麻婆豆腐をそなえブライザーの死の責任をとりWSS長官を辞任し後任のヒーローにヒーローの心構えをレトロな喫茶店で教えている。
ちなみに隼人は麻婆豆腐よりカツ丼のほうが好きなんだが、おやっさんの丼ものは本気でまずいため麻婆豆腐が好きだと言っていた、優しい隼人だった。
クレイ君は地球で自分が知らぬ者がいないほどの有名人になってるとはつゆ知れず今世をどう謳歌しようか考えるのだった。
《ふぅー、ブライザー魔法の修行は沢山しときなよ。君の敵は強大だ!ちなみに私は行け!ブライザーよりも、燃えろ怒りのブライザーキックのほうが好きだぞ、とりあえず戦えブライザー》
【私は立ち上がれブライザーですね】