ブライザー誕生
『ここはどこだ?』
『俺は確かミサイルに?』
『なんだ眩しい!』
「おぎゃー、おぎゃー」
赤ちゃんの泣き声が響く
『なんだ、何故か体が動かない!』
「おめでとうございます。元気な男の子ですよ。」
「おー、生まれたか!」
目の前に整った顔立ちで、金髪の男が俺を抱えていた。
「よくやったリリア! こんなに立派な男の子だぞ!」
「ありがとうございます。ふふふ」
リリアと呼ばれた女が嬉しそうに微笑んでいた。
『あれ! どういうこと? 体がうまく動かない、と言うか俺! 赤ん坊になってるー!!!』
そこで俺は急な眠気に逆らえず眠ってしまう。
意識を取り戻した俺は現状を把握するために聞き耳をたてていた。
そして分かったことは、俺はどうやら生まれ変わったと言うか転生とやらをしたんじゃないかと思う。
おやっさんがよく読んでいた物語にそんな話があった気がする、しかし問題は俺のいる世界のことだ。
見たところ現代日本より文明のレベルが低い気がする。多分、中世欧州から産業革命前後くらいだろうか?
所どころに機械みたいなのが可動している。だが 戦闘訓練をしている風景は、剣と槍などが主流のようだ!
そして俺の事も把握してきた。
俺の名はクレイ=バート=カイエン
カイエン公爵家の長男らしい、なんかいいとこに生まれたなラッキーなのかな?
カイエン家は代々このルシュタール王国軍のトップである、大将軍を任されている家なのだそうだ。
前の人生はなかなかハードだったからな今世は金持ちで、勝ち組人生歩めそうだぜ。ヤッホー
「あう」
「あらあら、起きたのねクーちゃんママですよー!」
「本当クーちゃんはお利口ですね。あまり泣かないしエミリーの時とは大違いだわ。」
このおっとりした女性がリリアと言って俺の母親でカイエン公爵の夫人、そしてエミリーと言うのが俺の3つ年上の姉でカイエン公爵家の長女にあたる。そして俺の父親は
「リリア! 今帰ったぞ〜」
「あら、お帰りなさいあなた!」
二人は抱き合いキスをする。
「リリア、元気にしてたかい?」
「ええ、元気にしてましたわあなた」
そう言うとまた抱き合いキスをしていた。
俺の父親はカイエン=バート=カイエン、カイエン公爵家の当主である。大変な愛妻家みたいだ!
最初聞いた時首をひねったが、どうやらこの国の貴族家では当主の名は家名と同じになるらしい。
夫婦仲がよろしいようでリア充死ねって感じだが平和そうで何よりだ。前世では恋人なんて作れる環境じゃなかったからな、はぁー
まあーなんでこの世界に前世の記憶を持ちながら生まれ変わったのか分からないが、前世では戦いの日々だった。今世ではマッタリ生きていくぜ!
そう強く決意するブライザーことクレイ君でした。
《 そんな決意は無駄だぞブライザー、君の使命はこの世界でも変わらないぜ!
世界は君の助けが必要なんだ、
だから戦えブライザーこの世界を救うんだ!》
【どうやらこの世界は、ブライザーに厳しいようですね】
謎の声と共に新たなヒーローの物語が始まるのだった。