ある日の1日、魔法少女編、その2
「うひょー、まさかこっちに来て魔法少女同士の戦いが見れるなんてラッキーだな」
写真を撮りまくってる水の神を白けた目で見つめる二人
「サンマリンは知ってるけど、こっちの子は分からないなぁ、火の奴の気配がするからそっちかな、あいつも分かってるじゃないか」
二人は戦うのも止め、水の神をどうしよか考えている。
「ん? なんだよ、えっ時間?」
水の神が誰かと話しているらしいが、そこには誰もいなかった。
「何? クレイ君もう火の迷宮試練の間まで来たの、嘘でしょ1時間も経ってないよ、せっかく今から魔法少女同士の戦いが始まるのに、だからショートカットなんて作るなって言ったろ」
水の神は誰かと言い合っているようだ。
「分かったよ行くよ、行くってば」
水の神は悔しそうに呟いたあと
「じゃあ二人とも頑張ってね、あ、そうそうパンツァーの王都に精獣出たみたいだから、先にそっち倒してね」
そう言って水の神はその場から消える最後に「クソ、良いとこだったのにな、仕事だから仕方ないけどやってられないよ」とぶつくさ言いながら消えてしまった。それを見ていた二人は水の神が言っていた、パンツァーの王都に精獣が迫っている事に慌てて
「「大変です、精獣なんて」」
「「申し訳ないですが決闘は後日に、私使命がございますの」」
「「あら貴女もですか」」
「「て、あれ?」」
二人はお互いの話が一緒だった事に違和感を感じ
「ミレーヌ様貴女も精獣と戦っていますの?」
直球の質問をするエリザベート
「も、って事はエリザベート様も戦っているのね」
「そうですわ、私の使命ですから」
「でしたらここは一時停戦です、精獣を討伐しなければ」
「しかし、いつのまに精獣が王都に入り込んでいるのですか」
「まあ定期的に出るものですからね」
エリザベートは不思議に思う、精獣が定期的に出るなんておかしいと思ったけど、早く王都に行かなければと思い
「まぁ良いですわ、それではミレーヌ様ごきげんよう」
エリザベートは優雅にお辞儀をし、その場から飛んで王都に向かう
「あっ、ちょっと待ちなさいよ」
慌ててエリザベートの後を追うミレーヌだった。
パンツァーの王都に現れた精獣は、蜂だったしかもパンツァーに来るのはこれで30回目、毎月のこの日に現れるのであった。
「また蜂なのね」
ミレーヌは定期的に倒している蜂に、たいした脅威と思わずにいつも通り倒す、だけどこの日は様子がおかしかった。
「なんで10体もいるの?」
精獣は元の体の特性を色濃く反映する、そう蜂の精獣は組織で精獣なのである、偵察の蜂の精獣を倒し続けた結果、今回大規模な攻勢に蜂は出るのであった。
「くっ、多いわね」
戦闘経験の少ないミレーヌでは、複数の蜂を相手にするには分が悪かった、そして後ろから蜂の攻撃、完全に無防備だったもうだめだと思った瞬間に
「危ないですわよ、ミレーヌ様」
その蜂をエリザベートが倒す
「あらエリザベート様なかなかの腕前ですわね、ですが」
ミレーヌはエリザベートの後ろから攻めてくる蜂を倒す
「あら少しは出来るようですね、安心しましたわ」
「ありがとうございますエリザベート様」
そう言いながら次から次に現れる蜂を魔法で倒していく二人、その二人はお互いに背中を預けている、どうやらそれくらいの信頼はしているようだ。
「あれは何かしら?」
ミレーヌが疑問に思う、それば大きかった
「はち? でしょうね」
エリザベートは答えたが、その答えを当たってはいるがただの精獣ではない、蜂の精獣の本体である女王である。
ここ数年人の領域に精獣は頻繁に現れたルシュタール近辺はムーンマリンとサンマリンが、パンツァー近辺はファイアレインが、それぞれ精獣の脅威から民衆を守り人気者となっている。
だが精獣は徐々に強くなっていく傾向があり、文明を滅ぼすために手をゆるめる事はない、蜂の精獣の恐ろしさは組織で来ることであり、女王がいるときの蜂は正に軍隊である。
「なに、蜂の動きが変わったわ」
「くっ、戦術かしら? まるで軍隊みたい」
蜂は隊列を組み、二人に休ませる事なく次々攻撃を仕掛けてくる、しかも必ず三方向から死を恐れず
「ファイアレイン少し時間を稼いで下さい、大技を使います」
「分かったわ、少しだけよ」
二人は以外と息が合うのか初めてとは思えない程、息ぴったりで戦っていた。
「レインショット!」
レインショットは五属性の魔弾を全方位に撃つ魔法である
「もう、なんて数なの」
蜂の数が多すぎてどんどん追い込まれていくファイアレインそこに
「出来ましたわ、ファイアレイン下がってください」
「分かったわ」
ファイアレインが後方に下がった事を確認すると
「闇夜を無くせ、日を照らせ、我が調べを聞け」
【フレア】
サンマリンがフレアを唱えると女王以外の蜂が蒸発するように消え去る
「うわぁー」
ファイアレインはそれを見てゾッとしている、そんな中蜂の女王が二人に攻撃を仕掛けてくる
「あっ、ちょっとまずいかも」
サンマリンは魔力を使い過ぎて、反応出来ていなかった
「ふん世話がやけるわね」
ファイアレインが女王の攻撃を受け止める
「水よ」
水の攻撃を放つファイアレイン、火属性を持つファイアレインの水は熱湯である
グギャアー
呻く蜂の女王
「どうやらさっきのフレアとか言う魔法のダメージはあるようね」
蜂の女王の動きは鈍い
「サンマリン最後は貰うわよ」
「ええどうぞ」
サンマリンは魔力切れに近いので止めをファイアレインに譲る
「ふふ、いくわよ、エターナルウェポン」
ファイアレインはエターナルウェポンの先を蜂の女王に向ける
「五宝の理を知る者それはファイアレイン、撃つべきは星の理それはアルカラ、見よ星々よ」
【アルカラショット】
ファイアレインの必殺技である、アルカラショットはこの星を構成する五属性全ての力を込めた魔弾である。その威力は単独魔弾の軽く100倍はあるだろう
ぎゃーーー!
その魔弾が女王に放たれ、女王は消え去るのであった。
「はぁはぁはぁ、やったわ!」
「やりましたわ!」
二人はハイタッチを決めて喜ぶ
そして
「はっ、ふん」
「ふん」
二人は喧嘩してる事を思い出しそっぽを向く
「なかなかやるようねエリザベート様」
「貴女こそミレーヌ様」
「ミーレで良いわ、皆そう呼ぶから」
「私もエリザで良いわ、皆様そうお呼びしますもの」
しばらくにらみ合う二人
「「ふっ、ふふふあははは」」
「良いわねエリザ、仕方がないわ貴女をライバルとして見てあげるわ」
「分かりましたわミーレ、クレイ様は渡しません」
「ふふこっちこそ」
そう言いながら握手をする二人、こうして二人はお互いをライバルとして認める事になったのだ。
「ああ、良いな良いな、共闘した後のライバル宣言、そこにほのかに香る友情、魔法少女はこれがあるからたまらないなー」
二人は変な事を言っている奴がいる方に目を向けると、そこにいたのは水の神だった。彼は必死にカメラを撮っていた、その道具が何か分からない二人はただただ気持ち悪い事は理解した。
「えっ、何だってクレイ君もう神獣倒したの、何だよもう早過ぎるよ、だから神獣を甘やかして育てるの辞めろって言ったろくそー」
そう言いながら二人に近づく水の神
「うん、君達は素晴らしいね、今回は良いものを見せてもらったからこれをあげよう」
そう言って二人にリボンを渡す
「その説明はマスコットに聞いてくれ、僕はすぐに帰らないと行けなくてね、それではさらば」
いなくなる水の神、それをただ呆然と見ている二人そして
「あーあ、もうやる気出ませんわね」
「そうですね」
「ご飯にしましょう、お腹すいたわ」
「ええ」
そう言って二人は晩御飯を食べに帰るのであった。