衝撃!ブライソード!
すいませんライズは騎士団の団長では無く副長です。団長はレイサル伯爵です。
この世界には八大迷宮以外にも迷宮と言われるダンジョンはある。
八大迷宮以外なら結構迷宮制覇はされています。例えばエスタは木属性の迷宮でした。
エスタはかつて大きな森で、今みたいな農業地帯では無かった。
木属性の迷宮は制覇されると森が無くなり、農業に適した広大な平原に変わります。
そして中央に世界樹と呼ばれる巨大な木が迷宮の名残を残すのみになります。
そして エスタは初代カイエン公爵が、迷宮を制覇した街です。
世界樹の大きさがその迷宮の難易度と直結する、今まででクリア済み世界樹で最大がエスタになります。
もちろん八大迷宮であるウッルドの世界樹はエスタの比ではありません。その大きさは全長1万メートルでレイサル伯爵領ならばどこでも見えます。
そして、広大な森はレイサル伯爵領どころか他領にまたがり、制覇したならばこの国全ての食料をまかなえるほどと予想されています。
しかし、何度も何度も国の騎士団や一流冒険者が挑戦してもクリアは出来ませんでした。
木属性の迷宮は階層などに分かれて居らず、ただただ広大な範囲の何処かにあるキーアイテムを世界樹に持っていき、主と呼ばれる魔物を打ち倒すとシンプルな条件なのだが、ウッルドには迷いの森と呼ばれるエリアや毒の森、火の沼など常識では考えられない樹木があり迷宮制覇を困難にしている。
レイサル伯爵家の次女も、広大な農地を我がレイサル伯爵家にと挑戦しようとしました。
もちろん、八大迷宮はそんな簡単にクリア出来るわけは無い!のです。
ところで、ひょんな事からウッルドに挑戦しているクレイは
「アッチー」
「なんや、この火の池は!」
「うげー、苦しい、空気悪すぎやろなんやこの森」
「ってか迷った!」
クレイは罠に引っかかりまくっていた。
『隼人、この森変だよ』
ブライフォンが言う
「言われんでも分かるわ!」
クレイは、只今ウッルドの真ん中辺りにいた。
『もうだいぶ汚れたわ、何処かに水辺とか無いかしら?』
ブライゼットは、汚れを気にしている
「確かに喉乾いたな」
『そうだね、水辺か? ちょっと探してみるよ』
ブライフォンはそう言うと、アンテナを出してブインブインと音波を出す。ブライフォンは近くに水がないか探査を行う。ブライフォンは音波を出しその反響で、地形を完全に把握出来るのだ。
便利なアイテムである。
「ありそうか?」
『うーん、なんかあっちに不思議な場所があるよ!』
『ちょっとそんなのどうでも良いから水辺は何処よ、水浴びしたいんですけど!』
プンプン怒るブライゼット
そんなブライゼットを無視する様に
「なんか、あんのか? よし行くか」
クレイは水より不思議な場所のほうを選んだ様だ
「なんじゃここ?」
そこは、水晶で出来た樹木があり宝石で出来た果物がなっていた。
『きゃー、素敵!きゃーきゃー』
はしゃぐブライゼット
『なんですかね、ここ? 凄い魔力を感じますよ。』
分析に余念がないブライフォン
「金持ちやな俺、グフフ」
正義の心は忘れないクレイ
『あー私、宝石で飾り立てたかったのよ。念願が叶いそうだわ、ねぇねぇ隼人、私ガーネットって名前なんだから頼むわよ』
ブライゼットは、どうやらガーネットを所望のようだ
「あるかな? あっサファイア見っけこれは?」
『良いわ、とっても良いわよ!』
喜びを隠しきれないブライゼット
そこへブライフォンが
『ちょっと待って、隼人奥に何か強い力を感じる。しかも懐かしい感じだ』
そう言うと瞬間に世界が変わる。
気付くとそこにまるで神事を行う祭壇の様な場所に居た。
そこに刺さっている剣がまるでクレイを歓迎する様に光っていた
『ピカピカピカリン』
剣から声が聞こえる、
『ピカピカピカリン』
しかし意味は分からない
「お前意思が有るのか?」
ビクっとする剣
『あれ、あれれ、ここどこ?』
「はっここは何処って? そんなんこっちが知りたいわ!」
クレイは迷子になっていて此処が何処か本気で分からなかった
『ひぁー、なんでそんなおおきなこえだすの?』
ふるえ声で剣が喋る、どこか幼い子供の様な声だった。
「あーすまん、ちょっと迷っていてな途方に暮れていたのさ」
『だいじょうぶなの?』
「何とかなるさ何たって俺だからな、はっはっは」
自棄っぱちである
『クスクス、なんかはやとににているね、クスクス』
「はぁ、俺は隼人だがお前誰だ?」
『えっ、ちがうよ、はやとはもっとおおきいもん』
「ふっ、小さくても俺は俺だ!その前にお前は誰だ」
『はやとなの? ほんとに、ならぼくのことしってるもん、ぼくは【ブライソード】だもん、はやとならすぐぼくだとわかるもん!』
『確かにブライソードだね、てか面影全くないし、やっぱり喋るんだね』
『ここは、宝石はー!』
ブライフォンは懐かしい仲間に会えて嬉しかったブライゼットはそれどころではなかった。
「なんや、ブライソードかじゃあ行くぞ」
そう言うとブライソードを引っこ抜こうとする
『なにするのやめてよ』
ブライソードはまだクレイを信じられず抜かれない様に抵抗する。
そんなブライソードに
「ふっ、なるほど仕方ない」
そう言うクレイ
「いでよ俺の正義を守るために」
『はっ』
ウズウズするブライソード
「貴様ら悪を断つために」
『ああ』
嬉しそうに光るブライソード
「来いブライソードーーーーー!」
『はい』
そう返事をしてクレイの元に
「ヒッーサーツ!ブラーーーイ!スラッーーー!」
そう言いブライソードを下段構えでもち腰を落とす。
『ちょっと隼人』
『きゃー、辞めてよ』
慌てるブライゼットとブライフォン
そして
「シュ!」
そしてブライソードを振り抜く、
すると先ほどまでいた空間が切り裂かれ今までいた森が現れる。
偶然だがウッルドの迷いの森の罠を破った瞬間だった。
「どや、これでわかったやろ」
『うん、はやとだ、はやとだ、わーいわーいぼくさみしかったよ!はやと』
「そうか、まあこれからは一緒や宜しくなブライソード」
『うん』
ブライソードを手に入れたクレイだった。