ある日の1日、クレイ編神々の話
八大迷宮スネーカは火山の迷宮である。
そして深い階層に巨大な迷路の為、攻略しようものなら何ヶ月もの日数が必要だろう、しかし
「なあ、火口から飛び降りたら早く下に行けへんかな?」
そうクレイはクレイジーだった。
『確かに近道だけど、本気?』
「よし行けブライゼット」
『はぁ、本気なのね』
仕方ないと火口から飛び降りるクレイ達、水属性の魔法で耐熱の膜を作り迷宮最下層に到着する、その間20分最速記録である。
「ここか?」
『ここね試練の間よ』
そうしてクレイの試練が始まる、しかし五大属性の最後の試練は今までと違うのである。
「ようこそチャレンジャー君」
「ん? 誰や?」
「私は火の神、よろしくね」
「おう、よろしく」
「しかし信じられない方法で来るんだね、私用の近道だったんだけど、利用されちゃった」
「そうなんか」
「うん、君は既に四属性の加護を持っている」
「そやな、ブライゼットに聞いたわ、なんや特別なんやろ」
「そうなんだ、この子の正式名称は【火馬】って言ってね、私の傑作なんだけど異世界の魂が入り込んじゃったんだね」
「ん? 入り込んだ?」
「そうだよ、まるで君のために魂達が僕ら神が創り出した神具に入り込んだ、そして君が来るのを待ち続けていた」
「神具? 超古代文明産ちゃうのか?」
「超古代文明ってのは神々の時代のことさ、私の兄がね、ああ兄って言うのは日の神の事なんだけど、兄が主神として邪神達と戦っていた神話の時代の事だよ」
「なんやデカイ話やな」
「そんな事無いよ、基本的にどの世界でも神話の時代はあったんだよ、でも人の時代に移った、何故だと思う?」
「ん? 分からんな」
「大したことじゃ無いんだよね、人は我々神の子供達で未来を託した、それだけなんだよ」
「子供?」
「そうだよ様々な生物を創り出した、楽園を創ったんだよそれが創世記、そこから進化していく子供達を見守り育んだ、しかしある時神々の対立が起こったんだ」
「対立ね」
クレイは感心していた、やっとまともな神様が現れたと、しかし
「そう神々の対立は激化し人の世界は恐怖に覆われたの、で、で、で」
クレイは何やら不穏なものを感じ出した
「あっれー、ここから何だっけ? ちょっと待ってね」
そう言って火の神は何故かあるプレハブ小屋に入っていく
「ねぇねぇここから何だっけ?」
「もう火ちゃん何で忘れちゃうの、良いところだったのに」
「むぅ、木ちゃんの説明が悪いんだもん」
「ちょっと私のせいにしないでよ」
「ヒック、火は馬鹿だからの仕方ないわガッハッハ」
「何ですって土の酔っ払いが」
「ちょっとクレイ君が変な目でこっち見てるよ、せっかく神の威厳取り戻そうと練っていたのに」
「まったく、火は勉強嫌いだからな」
神々の言い争いが行われていた、クレイはやっぱりまともな神様なんていないと思わざるを得なかった。
「おーい早よしてや、なんなら全員できてええで」
クレイの助け船である、その声にぞろぞろと五大属性の神達がやって来る。
「コホン、では続きは僕が喋ろう」
水の神が続きを喋るようだ。
「えーと、邪神との戦いのところだったね、人の世界は恐怖に覆われた、それは邪神と呼ばれた神々の方が圧倒的に多かったからなんだよ」
「ほう」
「我らの方は8人、向こうは1000人」
「よう勝てたの」
「まあこちらは大神向こうは神と言ってもあまり強くなかったからね」
「それでも劣勢やったんやろ」
「ああ数もそうだが向こうには日の神と同等の神がいたからね」
「ん? 日の神様は別格なんか?」
「そうだね日の神は我ら神の主神、言うなれば王様みたいなものだよ、そして相手は邪神にして扱う属性は悪」
「悪?」
「そう全てにおいての負の感情を力に変える、その感情はあらゆる生命に宿る」
「そいで生命ある限り強くなる言うんか?」
「そう、その通りだよ創り出した楽園の生命を脅かすものなのに生命がいる限り圧倒的な強さを持つアンバランスな神だった」
「なるほどね」
「神々の戦いは1000年続き、ある日突然おわりを告げた」
「突然なんや」
「そう私達に着いた一番若い神が邪神を一対一で倒したのさ、それが正義の神」
「なんや直球な神様やな」
「ああ生まれたばかりで何の属性も司ってなかったが、邪神に怯まず心の強い子だったよ」
「だった?」
「その時邪神と共にね、そして彼が死んだ時迷宮が現れた、それが八大迷宮の始まりなんだ」
「へぇー」
「そして僕達も真似して迷宮を創った、そして彼の様な強い子が現れた時に助けられる様に試練を与えることにしたんだ」
「なるほど」
「そして僕達五大属性を司る神の加護を全て持つ者にある試練を与えなければならない」
「なんでや?」
「悪の心を持つ者には渡してはいけない力だからだよ、五大属性は揃うと1つ上のステージの力を使える」
「なんやそれは?」
「僕たちがここに集まっているのは火の試練を終えた時、君は五大属性の全てを手に入れるその瞬間に試練を与える為だよ」
「つまり連チャンか」
「そうだね、まあまず火の試練を超えて見せてくれ、あとは頼んだよ火よ」
「分かったよ、良いかい挑戦者君、火の試練を与えるよ、おいで神獣【フェニックス】」
クレイの目の前に巨大な火の鳥が現れる、クレイは今日様々なことを聞いた半分以上流していたが、そして今までに無い試練を受けなければならなかった。
「おもろいやんけ、ええやろ神の試練全て受け切ったる」