閑話 ミレーヌ、その3
「お願いですか?」
「そうお願い」
「何でしょうか?」
「うーんとね、君さ不思議な杖を手に入れたろ」
「はい、これですか」
私は古代文明の杖を神様に見せます。
「それはね相性のいい子が現れると自動的に宝箱に出てくるようになってるんだ」
「そうなんですか」
「そう、それでねこれは魔法少女になる為のキーアイテム何だ」
「魔法少女?」
「あれ? 君は転生者じゃないの?」
「転生者って何ですか?」
「あれ? 違うのかな? あれれ?」
神様は何やら困っています。
「まあいいか、でね魔法少女にねなって欲しいの、分かる」
分かりません、どう答えたら良いのでしょうか
「あれれ? なりたくないの、凄いんだよ魔法少女、強いんだぞ」
その時、私は強いと言う言葉に反応します。
「強いんですか?」
「おっ、乗ってきたね、そうだよ強いよ誰にも負けないくらいにね」
「本当ですか?」
「本当、本当やる?」
「うーん、何か使命とかあるんですか?」
「大したことないけど、水の魔法少女に負けないでくれればね」
「水の魔法少女?」
「私は火の神だよね、でね水の神も少女を魔法少女にしてるの、でね私は負けたくないのよ」
「そうなんですか」
「そうなの、クールぶっちゃってさ、でもね魔法少女可愛いとか言って変態なんだよ、あんな小娘より私の方が可愛いのに」
どうやら火の神様は、水の神様の事が好きな様です、今も顔を真っ赤にしながら水の神様の事を喋ってます。
「あのー」
「あっ、コホン、でね貴女には最強の魔法少女になって貰いたいのよ、貴女の才能は人にしては素晴らしいわ」
「そうなんですか?」
「まあ、私の迷宮を制覇できる程では無いけどね」
「えっ!」
「ああ、気にしないで八大迷宮てね、私達神々が人間に制覇させようなんて考えずに作っちゃったから難しいのよ、特に私の迷宮は難しいわよ」
「そんな!」
「まあガッカリしないで、魔法少女になった貴女なら半分くらいならこれる様になるわ」
「半分くらいって三階層ですか?」
「はぁ、何言ってるの、私の迷宮は56階層よ、3階層なんて序盤も序盤じゃない」
「えっ! そうなんですか」
「なんで3階層程度で半分くらいなんて思うのかしら」
「皆が言うものですから」
「確かに、私の迷宮で一番奥に入った子達も8階層だったわね」
「そうなんですか」
「ええ、それでキーアイテムを手に入れたのよね、なんで強運なんでしょ」
「キーアイテム?」
「あっ言っちゃった」
なんだか活発な女の子の様な神様です
「もう本当は秘密なんだけどね、迷宮の最奥で神の試練を受けて合格したら迷宮制覇なんだけどね、その試練を受ける為には、そのキーアイテムを持って来ないと受けられないのよ」
「そ、そうなんですか?」
「そうなんです」
衝撃の事実でした。そして既に誰かがキーアイテムを持って行ったのなら、もうこの迷宮制覇は不可能なんじゃと
「あ、その顔不安なんだね、でも大丈夫だよキーアイテムは勝手に戻って来るのよ、意思があるからね」
「そうなんですか」
少しだけ安心しました。迷宮制覇はこの国の悲願なのですから
「まあとりあえずね、魔法少女お願いね」
「あ、はい、ところでどう使うんですか?」
「あっそうか、使い方分からなければ使えないよね、ごめんごめん、おいで【蛇四郎】」
『はいやっと出番ですか』
目の前に蛇が現れます、そして喋ってます
「神様この蛇は」
「うーん魔法少女にはマスコットが必要なんだって」
「マスコット?」
「うん、まあサポートする相棒みたいなものだよ」
「で、この子が貴女のマスコットの蛇四郎よ、よろしくね」
『よろしく少女よ』
「よろしくお願いします」
「じゃこれで大丈夫だね、そろそろ行くね流石に迷宮制覇者以外と長いこと会ったらダメなんだ、それじゃあね」
「あっ」
神様は消えてしまいました、ところで私はここから帰れるのでしょうか? 謎です