クレイは入院中
「ガンツ、ブライザーに負けたのか?」
「ふん少し遅れを取ってしまったな」
「ププ、大口叩いて随分と体たらくだね」
「ふ、やめないか二宮、ガンツも考えがあるんだろう」
その場にいた幹部4人が姿勢を正す
「バーギル様」
「いいよ、楽にして」
休めの体制になる四幹部
「ガンツ、ブライザーに負けたことあまり気にしなくていいよ、君のおかげで計画は順調だからね」
「ありがとうございます、バーギル様」
頭をさげるガンツ
「さて正直ガンツが負けると思ってなかったけど、予想よりブライザーが強いんだね、ふふ」
バーギルに取ってブライザーとの戦いは娯楽である、前世で負けたのすら暇な世界で遊んでいた感覚であった。
彼の思考は誰にも分からない、その目的すらも、前世でもブライザーを避けて戦えば楽に世界征服が達成出来た、いやブライザーに律儀に一対一で戦わなければブライザーにも勝てなかっただろう。
今世でも怪人を投入して戦争をすれば人類では勝ち目がない、クレイだけではカバーしきれないのである。四幹部もそれは認識している、だがバーギルの方針には否と声を上げることは出来ない、まあ四幹部自体はバーギルに心酔しバーギルの考えは全て正しいと思っているが
「ねえオリバ、あれの状況は?」
「申し訳ございません、発育が上手くいっておらず」
額に汗を流しながら答えるオリバ、普段は王として悠然としているが、バーギルの前では借りてきた猫のようだった。
「そうか、まあいいや進めといてよオリバ君に任せるから」
「はは!」
「二宮」
「はい」
「新型の魔導核は?」
「9割完成してますが、未だ制御が上手くいかず」
「ふーん、ちょっと見たいな、後で持ってきて」
「はは!」
「ガンツ、侵攻状況は?」
「龍国は失敗しましたが、魔国領近辺の国はほぼ滅ぼしました、後は三国ほどです」
「そうかじゃあ侵攻は一旦中止しようか」
「かしこまりました」
「凛冥、後でおいで」
「はいバーギル様」
「では解散としとこうか、次はブライザーが回復した頃に遊ぼうか?」
「「「「はは」」」」
彼らはバーギルの指示に何も疑問を感じない、そうバーギルは全て正しいからである。
「あかんは折れた腕まだ治らんのか」
「ダメですよクレイ様、大人しく寝て下さい絶対安静です」
クレイは病院のベットで不満タラタラだった、暇なのである。
「ダメよ、あんたはアホな事直ぐするから」
クレイの監視役はエリザベートだけでなくエミリーもいた。リリアとローテーションである、彼女達しかクレイの監視は出来ないのだ。
「ご主人、遊べないの?」
「ポン子、すまんな」
「なんでご主人、遊ぼう」
ポン子は長い期間クレイに構ってもらえず、不満が溜まっていた。
「ダメですよポン子ちゃん、クレイ様は怪我をなさってるのですから」
「ご主人怪我?」
「そうですよ」
「昨日も怪我だった、いつまで怪我?」
「俺も知りたいねんけどな」
「まったくクレイはまた変な子拾ってきて、何考えてるの」
「ポン子変な子?」
「あー、姉ちゃんやめたれやポン子が可哀想やろ」
「ふん大丈夫よ、ポン子これ何かしら」
「ふぁっ、唐揚げだ」
目をキラキラさせて唐揚げを見つめる
「ポン子あげるわ、食べてなさい」
「わーいエミリーありがとう」
「なんやと既に手懐けられとる!」
クレイは衝撃的な場面だった
「ふんあんたの拾ってくる子なんて単純なのよ」
エミリーは神の犬達を集めてモフモフしまくっていたので、今はストレスフリーなのだ。
「エミリー様は子供の扱いがお上手ですのね」
感心してるエリザベート、そこに
「クレイ君大丈夫なの?」
そこにミレーヌが入ってくるのであった。
「何、この緊張感は?」
エミリーは今まで感じた事ない気配に動揺していた