市内戦
「あかん! 血を流しすぎた、くそ」
バタと倒れるブライザー
『ご主人!』
スラールが慌ててクレイを運ぶ、クレイはバルフとの戦いで既に限界を超えていたのだ。全身に無数の傷と大量の失血、生きてるのが不思議なくらいだった。
場面はブライレンジャーに戻る
「なんだこいつら兵士一人一人が怪人並に強いぞ」
「落ち着けレッド、一対一になるな、的にならない様動きを止めるな、奴ら戦い慣れてる気を抜くなよ」
グリーンがレッドに注意しながらもサポートする
「グリーンもっと粘りなさい、回復が間に合わないわよ」
「分かってるよ、しかし数が多すぎる」
「くっ、一人一人が怪人並だときついのじゃ」
「弱音を吐くなイエロー、俺の必殺技で蹴散らしてやる」
「待てレッド!」
「フェニックスナッークル」
フェニックスナックルは炎を身に纏い、直進してパンチを繰り出す技である、隙だらけの
「ふん、素人が」
「しっま!」
あっさり躱され腕を掴まれ
「くらえ、傭兵殺法地獄落とし」
そのままレッドの後ろに回り込み回転しながら上空へ飛び上がる、グルグルと高速で回転し頂点に達した時
「落ちろ」
バッファルールの兵士がレッドをバックドロップの様な形で地面に落とす、その威力は凄まじく地面にヒビが入る
「レッードー!」
「ぐはー」
レッドが死なないまでも戦闘不能におちいる
「くそ、レッドを離せ」
グリーンの剣術で斬りかかる、その剣は鋭くバッファルールの兵士も避けずにはいられなかった。
「むぅ、やるな」
「くそレッド大丈夫か?」
グリーンはレッドの側に来たがレッドの意識はない。
「くっ、なんとか生きてるか、馬鹿野郎があれほど単騎で出るなと言ったのに」
「グリーン、部が悪い撤退を視野に入れた戦いをするのじゃ」
「くそ仕方ない、ホワイト防壁を強力な奴を作ってくれ」
「うん分かってる」
ホワイトがありったけの魔力を込めて防壁を作り出す、そしてグリーンがレッドを抱えて後退する
「ブルーすまないがレッドを頼む」
「まったく、この子も結構バカ兄貴に似てるのね」
「違いない」
ブライレンジャーはエリザベートからスレイにレッドが変更してから2年が経つ、それからはブライレンジャーとの連携を深める為、様々な特訓をしてきたがスレイはクレイのいる前では大人しくいう事を聞くのだが、クレイがいないとこでは何故か突進するのである。
しかも本人はいたって真面目に特訓をしてるつもりなのでタチが悪い、スレイに注意しても改善しないのでクレイに相談すると「ああいう子供は力を見せたらええねん、二、三回ぶっ飛ばせば言うこと聞くで、俺もたまにぶっ飛ばしてるし」と言っていたのでそうしようとしたところ、誰も勝てなかったりするスレイは天才児だった。
「くっこんなところで不安な部分が露呈するとはね」
「いつもは1人ずつだもんね怪人て」
「まあよく考えればそっちの方が異常なのじゃ」
「確かに少しトレーニング方法間違えたかな?」
「みんな気をつけて防壁突破されそうだよ」
「ちっ、グリーンこうなったらロボを呼ぶぞ」
「ダメだ、ここからでは時間がかかりすぎる」
「ちょっと待って、あれ見て」
ブルーが指差す方向に戦艦イーグルが現れる、そう援軍の登場である。
「どうやらクレイが呼んでいたみたいだな」
「おそらくロズ子爵だろう、それとクレイの特選部隊とそれならあとは任せて体制を立て直そう」
「そうじゃの!」
「分かったわ」
戦艦イーグルから戦闘兵器が次々飛び出しバッファルールの兵達と戦い始める、上空にはロードドラゴンの竜騎士達、地上にはドゥドゥルが降り立ち戦況は一気に逆転しバッファルールの兵達を押し返す
「なんなのじゃあの人形みたいな兵器は?」
「シラスの発明品じゃないのか、分からないけど」
「そうね、あの人変人だけど頭は良さそうよね」
「シラス君は凄いんだよ」
リムはシラスが変人と呼ばれることにぷりぷり怒る、何故だろうか?
「とりあえずロズ子爵のところに行こう」
「そうじゃの」
「分かったわ」
「うんゲイル君」
「リム、今はグリーンだろ」
「あっ! そうか」
ブライレンジャーは何とか撤退をする。そしてしばらく様子を見ているとバッファルールの兵達が撤退を始める
「ん? なんだ何故撤退を始める?」
「よく分からないけど勝ったのか?」
「ふうなのじゃ」
「皆さんご無事でしたか?」
その時ロズ子爵がブライレンジャーの前に現れる
「ああ、レッド以外は無事ですよ」
「スレイ様が?」
「初陣は大失敗ってやつですかね」
気絶してる、レッドを見てロズが
「な、情けないカイエン公爵家のものが」
ロズはスレイに失望してしまう、クレイを見ているせいでスレイに対する要求は高めである
「まあまあロズ子爵、仕方ないよまだまだ子供だし初陣だしね」
「いえ、状況判断が甘いからこうなるのです、帰ったら猛特訓が必要ですな」
バッファルールが謎の撤退をした、いやWSSのメンバーが押し返した様に見えるので彼らはこの戦いを勝利で収めたと思っていた。
「きゃー! クレイ君!」
リムの叫び声、リムのところに連れてこられたクレイは瀕死の重体だったのである。