血の匂い
ここはとある戦地そこに牛の獣人がいた、名をバルフと言い傭兵国家バッファルールの首領を務める少年である。そして
「ふん、なんだこの軟弱な兵は!」
「ひぃー」
「弱者は死ね」
ブシャーと血飛沫をあげ目の前の兵士の首が飛ぶ、傭兵国家バッファルールは小さな国である、小さな国であるが弱い国ではない何故なら
「首領制圧完了しました」
「ふん、遅いたるんどるぞ」
「はっ、申し訳ございません」
「もっと血を捧げよ、バーギル様は狂乱をお望みだ」
「はっ、次は何処を落としますか」
「くく、貴様らもほとほと血が好きだな、そうだなここはどうだ?」
「ここは!」
「不安か?」
「いえ、血が滾ります」
そうこのやりとりを部下の兵士達は笑みを浮かべながら行っていたのだ、そう彼らは皆血を欲しているのだった。そして次の戦地は
「龍人とは強いのだろうな」
「はい強いと聞いております」
「そうか、くっくっく」
彼らの次のターゲットは龍国である。血を欲する地獄の傭兵国家バッファルール、兵士達は死を恐れるより戦えぬことを恐れる戦闘狂の国なのだ。その首領バルフは
「バーギル様も手ぬるいな一気に攻めれば良いものを、まあじわじわ殺すのも良いものか」
紅蓮党4幹部の1人である、そして
「二宮のアホが作った割には良い感じだな魔導核と言うのは、しかもバーギル様の魔法で強化もされておる力が湧いてくる、そして血を飲みたくなる、くっくっく」
戦争で殺された兵士の血を飲みながら笑い続けるのであった。
場面変わってここはベルーザのカフェである、現在クレイはエリザベートとミレーヌに挟まれ困っていた。
『なんでこうなっとんねや』
「あらエリザベート様、クレイ君が困ってるわおはなしになって」
「ミレーヌ様こそ、クレイ様が困ってるわおはなしになって」
『なんやねんこれ?』
最近ずっとこうである、周りは触らぬ神に祟りなしと近づかず遠くから修羅場だと騒ぎ立てる、そんな三角関係なぞ知らぬとばかりに
「ご主人お腹すいた」
ポン子がクレイの腹を頭でグリグリしながら割って入ってくる、普通なら怒るがクレイは
「そうかしゃあないな、なんや何食べたいねん」
とポン子にご飯を食べさせるために
「すまんな2人とも、ポン子はまだまだ子供やさかいな」
そう言って脱出するのだった。が今日は違った
「ポン子ちゃん唐揚げよ」
ミレーヌがそう言って唐揚げを取り出しポン子の前に持っていく、ポン子の眼差しは唐揚げに釘付けであり
「ほーらほら」
唐揚げを右に左にされて
「取ってこーい」
と放り投げるとポン子は唐揚げを追いかけて行ってしまう。ミレーヌ程の才女に同じ手は何度も通じなかった。
「ポン子カームーバークー」
クレイの言葉はポン子に届かなかった。
「これで2人っきりねクレイ君」
「私がいますわ」
「あらいたの?」
「あなたこそ」
エリザベートとミレーヌの目から火花が飛び交うのであった、そんな2人に
『なんでこうなるんや』
クレイは訳も分からず困惑するばかりだった。
そんな日常を過ごしてる時に不意に葉美姫が
「クレイお願いがあるのじゃ」
「なんや?」
「実はの今度と言うか毎年しとるんじゃが武道大会が、あるのじゃがそれに出てくれなのじゃ」
「あん、なんでそんなんでなあかんねん」
「いやの、父上がクレイにリベンジなのじゃと修行しておるのに、クレイと戦う機会が無くてワガママ言い始めたのじゃ」
「大変やな」
「お願いなのじゃ、この通りなのじゃ」
「なあ、葉美姫よ剣を突きつけてお願いはするもんじゃないよ」
「仕方ないのじゃ、お願いなのじゃ」
剣を近づける葉美姫
「分かったから、これどかせ」
「良かったのじゃ」
こうして龍国に向かうことになるのだった。
「痛て、刺さったやないか」
血を流しながら