神の犬?
「ご主人入ろう」
「なんでや?」
「ここに行きたい」
「まあええか、調べとかなあかんし」
ウッルドから瞬間移動して来ていきなり洞窟の目の前にいた、不思議に思ったがポン子の産まれた場所ならそうかと入る事にする、こうしてクレイは八大迷宮ドゥルフに挑戦するのである。
「思ったより明るいな」
「ご主人こっち」
ポン子がグイグイ引っ張る
「こっちになんかあんのか?」
「ん? 分かんないでもこっち」
どうやらポン子はよく分かってない、だがクレイは
「まあええか」
特に目的があるわけでは無いのでポン子について行く
「ご主人あそこ」
「あっこか?」
ポン子が示したのは洞窟の中の広間だった。そこには
「なんやこれ!」
タヌキの群れがいた。
「みんなただいま」
「わん、わんわん」
「あ? 犬か?」
「わんわん」
一匹のタヌキ? が近づいてくる
「わふ」
いきなり光り出すどうやらポン子と同じように変身するようだ。
「姉ちゃんどこ行ってたの?」
「ご主人と一緒にいた」
「なんだよそれ、姉ちゃん薬草取りに行ったんじゃ無いの?」
「あっ!」
「忘れてるのかよ、ちゃんとしてよ」
「ご主人薬草欲しい」
「持っとらんよ」
「姉ちゃんこの人誰?」
「この人ご主人私たちの飼い主」
「そうなの?」
クレイは思った「達」ってどういう事やと、その答えはすぐ分かる
「ご主人よろしく、早速ご飯下さい」
「「「「「わんわん」」」」」」
タヌキの大合唱にポン子の妹らしき者にご主人と呼ばれ飯をたかられるクレイは
「なんやねんこれ」
そう言いながらも、緊急時様の食料を与えるのだ。しかしそれが行けない彼らの種族は神の犬と呼ばれるが神様が飼ってるわけでなく心が清らかな者になつきご飯を貰うと契約が成立しペットになってしまうのだ。そうポン子も朝ごはんを与えたが為にクレイのペットになったのだった。
「ありがとうご主人これからもよろしく」
「「「「わん」」」」
「ご主人姉妹もよろしく」
「はぁー!」
こうしてクレイは神の犬を三十匹飼う事になるのだった。
「どないしよ?」
「ご主人お願いこの子を助けて」
「なんや?」
ポン子は一匹の神の犬を連れてくる、その犬はどうやら病気の様だ
「この子大変助けて」
「なんや、どれどれ」
なんだかんだ言ってもクレイに困ってるモノを見捨てるわけにはいかなかった。症状を見るとどうやら感染症かなんかみたいだ、しかしクレイには簡単に治せる何故なら
「まあこれで治るやろオールキュア」
水の試練のおかげで回復魔法の達人になっていたから、そうしてオールキュアをかけられた犬がみるみる元気になる、そして駆け回る様になりクレイの周りをグルグルする。
「わんわん」
「おーおー、元気になったようやの」
「おー、ご主人すごいすごい」
神の犬達が騒ぐ、どうやら嬉しいようだ。クレイの周りをグルグル回る神の犬達
「まあこれでええやろ、ポン子ここがお前の家なんやな、それなら俺はもう行くで」
そういうクレイに驚愕の顔をする神の犬達
「ご主人ここ私の犬違う、私達のご主人はご主人だけ私達の家はご主人の家」
わんわんと同意する神の犬達を見ながらクレイはようやく事態が深刻な事に気づく
「お前らまさか全員ついてくる気か?」
神の犬達全員頷く
「おう」
天を仰ぐクレイだった。
仕方ないので大世帯で洞窟の中に行く、一旦帰らないのかと思うものもいるだろうが、クレイは帰らない何故なら思いつかないからだ。
「はぁお前らきゃんきゃんうるさいぞ、これやるからおとなしくしとれ」
クレイは骨つき肉を与える、すると黙り込む犬達、効果は絶大だ。
「こっちはなんや?」
この迷宮の特徴はTHEダンジョンである。薄暗いが光源はあり、階層を進むごとにモンスターの強さが上がり、罠も同様であり一定の階層ごとにボスがいる、その管理をしているのが神の犬である、そう神の犬は土の神の眷属であるのだ。そんな管理者と一緒なら迷宮踏破なぞ簡単と思うだろう、しかし彼らは
「わふ〜」
「うおー何罠にかかってるねん」
「きゃん」
「あかん下がっとれモンスターは任せろ」
「くうーん」
「もう腹減ったんかい」
ポンコツだった。
「あかん疲れた」
「ご主人この子が足痛いって」
「なんやヒール、これで平気やろ」
「ご主人どこ行くんだ?」
「分からんとりあえず奥や」
「分かった」
しかしクレイも悪い神の犬も目的地が分かれば案内板くらいは出来るだが目的地が無いのである。そのせいでポンコツはよりポンコツになるのだった。
「なんとかデカイ扉の前に来たで」
「ご主人ここには怖いのいる」
この先は階層主がいる、そして神の犬はそれに怯えているようだ。ちなみに戦えば神の犬が圧勝するがビビリなのである。
「安心せい、俺がいれば何とかなるわ」
クレイの根拠なき自信である。もしかしたらこの組み合わせはちょうどいいのかもしれなかった。
「行くぞポン子とその他」
「おー」
「「「「「わんわん」」」」」
そして扉が開かれるクレイの戦いが始まる