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この世界を救えブライザー!変身ヒーローの異世界転生  作者: にんにん
第一章 この村を救え!ブライザー
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機馬だ!ブライザー

  『やっぱりエンディングもながれるんやな』


  そう想うクレイだった。

  場面変わって魔国の首都【魔都・ベルブルク】にある王宮の一室、


  「豚男が失敗しただと!」


  大声で怒鳴るグランツ


  「申し訳ございません」


  畏まりながら頭を下げるヴァイスハイト


  「何があった?」


  グランツは、豚男が人族では倒せないだろうと想っていた。グランツは魔法技術と科学技術を組みわせた魔科学の天才で、魔族と魔物を合成させた【魔怪人】を創り出しこの魔国を統一したのである。豚男はオークと屈強な魔族の戦士を合成させ、並のどころか最上級の魔法ですら効かない耐久性と圧倒的な怪力で重戦車の異名を魔国に轟かせていた。

  そんな魔怪人である、豚男が失敗したとは信じられなかった。いったい何があったのか? 豚男はどうしたのか? 疑問は尽きなかったそんなグランツに衝撃的な事が告げられる


  「はっ、豚男はカイエン公爵を追い詰め、あと一歩といったところで昆虫のような魔物が邪魔に入り奮戦虚しく敗北、死亡したそうです。」


  「バカな!豚男がたかが昆虫の魔物にだと!奴はドラゴンすら倒せるんだぞ!」


  そう言いながら、ふっとある部分が引っかかるグランツ


  「先ほど昆虫の魔物と言ったな? まさか名を名乗ったか?」


  グランツはそう言いながらも魔物が言葉を話せる程の知性は無く、名を名乗るなどあり得ないと思ったが言い知れぬ不安に駆られ、尋ねずにはいられなかった。そんな、グランツの不安など気付かずにヴァイスハイトは答える


  「確か? ぶらんざん? ぶらいさん? とか名乗ったそうです。」


  ゴブリン兵達の報告を思い出しながら答える


  「ブライザー!ではなかったか?」


  「そうです。ブライザーです。確か鋼鉄甲冑ブライザーとか名乗ったそうです。」


  「なんだと!」


  部屋中に響き渡るほどの大声で叫ぶグランツ、


  「間違いなくブライザーだと名乗ったのか?」


  怒りの形相で、ヴァイスハイトに尋ねるグランツ

  あまりの形相に震え上がるヴァイスハイトは


  「はい!確かにそう名乗ったと報告されています。」


  「フッフッフッ、はっはっは、そうかブライザーもこちらへ来ていたか!そしてまた私の邪魔になるか、ならば今度こそ、今度こそ殺してやるぞブライザー!」


  狂ったように笑い、ブライザーへの憎悪を隠さず高らかに宣言するグランツであった。


  ここはカイエン公爵領、カイエン公爵邸のクレイの私室


  「しかしあの豚男って名乗ってた奴何もんや、オークみたいやったが? 見たことあるオークはもう少し小さかったし、力や耐久性が桁違いに強かった、父上がオークなんかに負ける訳ないし変異種って奴やろか?」


  クレイ自身は余り魔物を見たこと無く、見るとしても親についていった視察の時に、父親がカッコつけたい時に狩りに行くぐらいしか無かった。なので経験上、父親があんなに苦戦したとこ見たことないし、父親の魔法も地球のミサイルなどの兵器の数々に負けないほどには威力はあった。なので


  「この世界では地球の軍隊でも勝てない程の化け物がおるんかな? 変異種のオークであんだけ強けりゃドラゴンなんてどんだけ強いんやろ?」


  クレイは、相手が改造されドラゴンを遥かに凌駕する化け物であるなど思わず、


  「待っとれドラゴン」


  ドラゴンを倒し、ドラゴンスレイヤーになることを考えていた。

  コン!コン!

  そんなことを考えていたクレイの部屋にノックの音が鳴る


  「ん!どうぞ」


  クレイは、入室を許可する。


  「クレイ入るぞ」


  入って来たのは父親であるカイエン公爵


  「これは父上、いかがなさいました」


  珍しくクレイの部屋にやって来た、カイエン公爵


  「ふむ、少し話がある。」


  そう言うと部屋にあるソファーに腰掛ける。クレイも向かい側のソファーに座る。


  「話って」


  「うむ、お前にそろそろ専用の馬でもっと思ってな」


  「馬?」


  「うむ、貴族の男は馬に乗れないと話にならないからな、選定の儀を終えたら本格的な勉強を始めるぞ、本格的に魔法、魔闘術、剣術、馬術、学問、それを始めるにあたって、お前専用の馬が必要だろ?」


  「そうですね」


  クレイは本格的に魔法や魔闘術、馬術をするのはいいが学問をする事に憂鬱になっていた。


  「ふむ、剣はもう少し大きくなってきたら専用のものを作らせるからな」


  「はい」


  「それでは行くぞ」


  「えっ?今からですか?」


  クレイは、流石にこんな早くだとは思わなかった。


  「ふむ、もう商人を待たせてある。まあ安心しなさい国1番の馬屋だからな、はっはっは」


  「分かりました。」


  ここはカイエン公爵邸に隣接する牧場。そこに


  「これはカイエン公爵様、クレイ様、今日は我が【サンドラ商会】への御用命ありがとうございます。」


  「ふむ、急にすまんな、息子に馬を用立ててくれ」


  「はっ、それではクレイ様こちらに」


  「ああ、わかった」


  クレイは商人のあとをついて行く


  「そう言えば名前聞いてなかったな、教えてもらっても構わないか?」


  「これは失礼いたしました。わたくしサンドラ商会の商会長【フィズ】ともうします。今後ともご贔屓にお願いいたします。」


  「フィズか、僕はクレイだ。知ってるみたいだが挨拶はキチンとしないとな」


  「その通りだと思います。流石クレイ様です。」


  フィズは生意気なガキだとは思ったが、そんな事一切顔に出さずクレイを褒める。

そんなフィズにクレイは、


  『まあまあの商人やな顔には出さないか、しかし雰囲気で生意気なガキだなと思ってるのバレバレやな精進しいや』


  そう評価する。

  さてこの世界では機馬がいるが勿論普通の馬もいる。基本的に貴族の乗馬は機馬を使い、農業や競馬などのギャンブルには普通の馬を使う。今回は機馬の購入になる。

  地球の感覚で言えば、車を買うような物で地球の車の会社の様に、機馬は様々な工房で作られる。

  勿論各工房で機馬のデザイン、能力が違う、とても速く走れるだとか操りやすいとか、ただ見栄えがいいとか色々だ。

  貴族御用の商会は、そんな各工房の機馬を集め、貴族に勧める。

  平民などは、機馬を売る商店に直接買いに行く。平民ではとても買えない値段だったが、最近は平均所得が増え経済成長著しルシュタールでは、高い機馬を買えるようになった。そのお陰で、今、機馬の技術開発競争は熾烈を極めている。

  そんなことを知らないクレイに商人は最新式の機馬を紹介するのであった。


  「クレイ様、こちらトヨサン工房の最新の機馬でございます。トヨサン工房の機馬は、ルシュタールで1番売れている工房でして、スピード、操作性、燃費、その全てが高い次元でまとまっています。」


  「うーん、イマイチ」


  クレイはみんなが持ってる物にあまり魅力を感じない人だった。


  「では、こちらは如何ですか? フェータ工房の傑作の機馬でございます。フェータ工房の機馬は他の工房を凌駕するスピードで走ります。ただし値段が物凄くしますがね」


  「値段は別に良いけど、これもピンとこないな」


  クレイはスピード狂では、ないのでスピード自慢にも興味がなかった。


  「それではこちらは如何ですか? ロルス工房が大貴族向けに金に糸目を付けず開発した、スピード、操作性に優れ見た目も高級感溢れる気品ある、機馬でございます。」


  「正直、趣味悪い」


  ゴテゴテして派手派手な機馬にハッキリ言うクレイ


  「そうですか、しかしどうしますか? 只今、紹介させて頂いた機馬以上のものは流石にございません。」


  「そうかい? でも他の機馬もあるんだろ? それも見せて貰うよ。牧場に放してあるんだ案内は結構、少し1人で見たいから」


  「かしこまりました。」


『けっ、ワガママなガキだな』


  商人から離れ、牧場に放たれている他の機馬達を眺めるクレイ

そこに


  「フィズ!あの馬は」


  「あの馬でございますか、アレは5年ほど前に、八大迷宮の1つ【スネーカ】でS級冒険者が発見した古代文明の機馬なんですが人を乗せず、暴れるので処分に困っているのですよ」


  「そうか、ではこれを貰おう」


  クレイはフィズにそう告げる


  「あれですか? しかしあの機馬は危険でございます。やめといた方が」


  「構わんよ危険を承知で買うのだクレームなど言わんよ」


  そう言うクレイに、厄介な機馬を処分出来るので


  「かしこまりました。それではすぐに準備いたします。」


  そう言うフィズを見ず、新たなる相棒になる機馬を撫でるクレイだった。

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