エピローグ
その日、エリザベートとクレイの婚約が国民の前に発表された。しかしクレイはまだ7歳、そんな先の話は気にせず新学期が始まってもやりたい放題していた。
新学期が始まっても、グランツの怪人達はやって来たが、その度にクレイが倒していた。
ブライレンジャーもクレイ程では無いが、怪人を倒していった。ブライレンジャーも戦うたびに強くなり、安定して怪人を撃破出来るようになってきた。
そんな事をしている時も時間は過ぎていく者で、エミリーはショウガッコウを卒業して行き、クレイ達も進級していく。
怪人が定期的に攻めてくるが、ルシュタールは平和だった。
そう何故かグランツの怪人しか攻めてこなかったのである。
バーギルが動く事は無く、時が過ぎていくその他の幹部ですら何もしてこなかった。
しかしその動きに、クレイは警戒しており、WSSの強化は進んでいた。
時を重ねる度に、戦力、諜報力、など格段に良くなって行きルシュタール王に認められ、正式な国の機関になってしまったのである。
そんなこんなであっという間に7年が過ぎクレイは14歳となりこの春からコウコウセイとなった。
「なんや、時が過ぎるのも早いの」
「そうだねクレイ、まあ君のおかげで、一時も心休まる時は無かったけどね」
ゲイルが、激動の7年を思い出す、8割は特訓の思い出だ。
「兄上、兄上、おめでとうございます」
彼の名はスレイ、クレイの五つ下の弟である
「ありがとな、スレイでブレスレットは使えるようになったか?」
「はい兄上、僕のファイヤーパンチは最強です」
実を言うとブライレンジャーに大きな変化があった。それはレッドの交代である、エリザベートは魔法少女にも慣れるので、赤のブレスレットを、スレイに譲ったのである。
しかしスレイと言うのが、炎の魔術の天才で流石カイエン公爵の息子と、呼ばれるほどであった。
まだまだ幼いながらも、ブライレンジャーでエースの働きをしているであった。
「見てクレイ様よ、素敵ね」
「あっ、ゲイル様もいるわ、やっぱり2人が並ぶと良いわね」
「本当にね」
最近クレイとゲイルが2人でいると、女性が熱い視線で見てくるのである、なんでだろう?
「ところでクレイ、WSSの長官ってのは誰にするんだい?」
今、ルシュタールで最大の関心事になっているのはWSSの長官に誰を任命するのかという事であった。
皆、クレイがそうだと思っていたが、クレイが「はよ長官決めなあかんな、禿げたおっさんが良いねんけどな」と、貴族のパーティーで言った事で貴族の特に禿げた人達が騒めく、今やWSSはルシュタールで強大な力を持っていた、ルシュタール最強の騎士団なのは間違い無いからである。
ただ、恐らくだがWSSの長官は禿げてなくても禿げる職場になる事だろう、何故ならクレイの行動の後始末をするからである。ちなみにカイエン公爵は、最近気にしている。
「うーん、なかなかいい人材はおらんな、また探す旅に出なあかんな」
「またかい?」
クレイはこの数年、度々世界をスカウトの旅に出かけていた、その度に悪逆非道な為政者を懲らしめて国を救ってきたが、その度に王様と、宰相と、カイエン公爵が、後始末に翻弄され辞めてくれと懇願されたが「ちゃうねん、しゃあないねん、仕方ないねん、だからしゃあないねん」と、旅に出てしまうのだった。
「うーん、まだ北の方に行ってないから、そっち行くわ」
「へ、へぇー」
ゲイルは北の情勢でひどい独裁者がいることを知っていた、また国際情勢が変わるんだろうなと思ってしまう。
「遅いのじゃ、2人とも」
「そうね、レディーを待たせるのは良く無いわ」
「くす、クレイ様お待ちしておりましたわ」
クレイ達を待っていた、女性陣、皆美しく成長していた、ゲイルも学園のスターとして女子からきゃーきゃー言われる貴公子だった。
クレイはボサボサ頭で寝起き顔である。それをいつもエリザベートが整えるのが日課となっている。
「ふふ、クレイ様今日も頭が大変ですわ」
「そうか、まあええねん」
「ダメですよ、整えますからこちらへ」
「なんだか、お似合いのカップルね」
「そうなのじゃ、ラブラブ過ぎるのじゃ」
「まあ、婚約者だしね」
どうやら、2人はずっと仲良しらしい、いい事なんだろう
キーンコーンカーンコーン
「あっ、もうこんな時間、ほらそこのカップル急ぐわよ」
「そうなのじゃ、遅刻なのじゃ」
「そうだね、入学式に遅刻はダメだね」
「そやの、行くでエリザ」
「はい、クレイ様」
未だバーギルは動かない、そう動かないのだ、力を蓄えているのか、または何か準備をしているのか、クレイも平和な日常を過ごしながらその事を考えるのだった。
三章は、これにて終わりです。一章は、ブライザーの、異世界での使命を、二章では、周りの強化を、三章では、人材を集める事でした、つまり、準備を整えて、バーギルと対峙する事が次の章かと、言うと、違ったりします。次の章は、世界情勢が時代に流れていきます。どうなるかは、作者にも予想ができません。いつも読んで下さる方々に感謝を、そして、これからも、楽しんでいただいたら幸いと思います。それでは、また、次章で