ドドン子爵殺人事件
「団長、被害者の名前はドドン子爵、年は48歳、状況から刺殺された模様、第一発見者はドドン子爵第二夫人の【コレン】夫人です。」
「そうかい、殺しか?」
「はっ、状況的に間違いないかと」
「で、容疑者は?」
「一応、5人程上がっております」
「動機は?」
「あります」
「アリバイは?」
「確認中ですが恐らく全員あります」
「ほう」
華やかなパーティーでいきなり起こった悲劇、とある貴族が殺されてしまった。
果たして犯人は?
「でや、まずはそのアリバイを確認しようや」
「あっクレイ様何でここに、いくらクレイ様でもダメですよ、ここは子供が来るところではありません」
「気にするなシュバル、この事件俺に任せとけ」
「いや、だから」
「おい、アリバイ聞きに行くで!」
「はっ、クレイ様」
「おい、お前達!」
王都の護衛騎士団はすっかりクレイの支配下に置かれていた。
「こちらです、容疑者の5人は」
1人目はドドン子爵の第二夫人のコレン夫人、動機としてはドドン子爵がコレン夫人の実家に圧力をかけて無理やり嫁にさせられた事を恨んでいるとの事、アリバイとしては死亡推定時刻は他の貴族夫人と談笑をしており、他の夫人もそれを証明しているとの事
「私が? 確かに婚姻する時ゴタゴタがありましが、あの人は私の実家を救ってくださり、私にも優しくしてくれたんです。う、」
そこで涙を流すコレン夫人、その涙を見て騎士達はコレン夫人は犯人ではないと確信していく、しかし
「あー、ええよええよ、とりあえずこちらの質問に答えてもろたら、悲しいなら協力してや、犯人捕まえてやるから」
そう、クレイは女の涙に左右される事はありません、何故なら敵の女幹部によく騙された事があるからである。
2人目はドドン子爵の護衛に来ていた、騎士である【デデン】動機としてはドドン子爵がその才能を買っており、自らの護衛にしたいが為に第一騎士団への推薦をもみ消した、との事、アリバイとしては護衛騎士自体は控室で待機してなければならず、その場にいた騎士達も証言している。
「我が主を手にかけるなどありえません、推薦をもみ消した訳でなく、ドドン様から是非にとお願いされ、私をこんなにも買ってくださるドドン様の護衛を喜んで受けました。それに第一騎士団の三倍の給金まで頂いております。こんな待遇を良くして頂いておりますのに恨むなんてありえません、正直今は悔しくてなりません、我が主を守れなかった事が、くっ」
その悔しそうな顔を見て、騎士達も理解できるのか彼は犯人ではないと確信する、しかし
「そうかそうか、なら犯人捕まえなあかんな、任せとき必ず捕まえてやるから、なんで協力はして貰うで」
クレイはそんな顔に騙されない、その昔忠義厚い某国の護衛が紅蓮党のスパイだった事があるからだ、前世のクレイは正直軽い人間不信になったこともある。
3人目はメイドの【ケイコ】である。動機は特になく、今日たまたまドドン子爵の担当になった王宮のメイドである。しかし給仕作業をしていたのがアリバイだが、証言も確かにメイドが給仕をしていたが彼女だったかは分からないとアリバイが弱かった
「わ、私は違います、ドドン子爵様も今日初めてお会いしましたし」
騎士達は思う、それなら違うかとだがクレイは
「自分の経歴調べたで、なんや親が離婚する前はドドン子爵領に住んどったようやの」
「えっ、いや、その」
なんと新事実である。
「そうですけど住んでたのは5歳までです。正直覚えてもいない事なので」
「まあ君が犯人って疑ってる訳ちゃうから、安心して喋りや」
「は、はい」
クレイはモブキャラをモブだと思わなかった、何故ならこいつは今回関係ないなと思った奴に何度も殺されそうになったからだ、そいつが犯人かよって経験を何度も経験をしている。
4人目はドドン子爵の長男である【リヒト】である。彼の動機は簡単、後継者問題である。普通なら長男だが、次男のまあ5人目の容疑者たが、彼がドドン子爵から可愛がられており焦っての犯行かと、しかしアリバイは強い、何故ならここに来ておらずドドン子爵領に留守番だったからである。
「おい、流石に容疑者ちゃうやろそれ?」
「いや、しかし、代理を立てれば」
「それやと、実行犯特定すんのめんどいな」
5人目は次男の【アルゼン】である。満1歳である。動機としては
「それは、ないわ」
「やっぱり無理ですか?」
「無理やろ、アホか、真面目にせい」
こうして容疑者は揃った、果たしてクレイは犯人を特定出来るのか? 犯人が使ったトリックとはそれでは次回