ザザフの森
ここはザザフの森、ただいま開発中でお散歩コースがあるなど、魔物も出ない平和な森である。
「うーん、森林浴や」
「まあ山にずっといたから、森に来てテンションは上がらないな」
そんなお散歩コースに子供が2人、仲良く歩いている
「待てよ、隼人それは俺の水だろ」
「なんやけち臭い、ヤイヤイ言うなや」
「だいたい君はいつもそうやって」
「なんやと」
仲良く、とても仲良く歩いているのだ。
ガサ
そんな時に草の揺れる音、何かいるようだ
「なんや?」
クレイが音のする方を見ると
ぴょんと殺人クマがいた
「なんやクマか、可愛いもんやな」
「そうだね、隼人」
ほのぼのした光景である。平和な日常は何物にも変えがたいのである。
「しかし平和な森やの、怪しい人物っておるんかな?」
「まあ、何らかの実験するにはそこそこ安全でそこそこ人目も無いからね、何か企むならうってつけだね」
殺人クマは木と合体していた。
「まあ、森言うてもあんまし広く無いみたいやし、一晩も見張ればなんか見つかるやろ」
「確かに一晩泊まるのは良いけどね、隼人、テントとか持ってきたの?」
「ああ、あんで」
「何処に?」
「ブライフォンの中にな」
「はぁ、ブライフォンの中ってどういう事?」
「なんや知らんのか、ブライフォンは超古代文明の力で次元収納システムが使えるねん」
「なるほどね、超古代文明か」
「そや、超古代文明や」
「ねえ隼人、その超古代文明ってなんなんだい?」
「知らん」
その言葉に天を仰ぐシラス、彼は思った、ダメだ、こいつはダメな奴だったと、隼人が真面目に考察するわけ無いじゃないかと、なので
「へぇーそうだ、ちょっとブライフォンを見せてよ」
「なんや見たいんか、別にええけど」
そう言ってブライフォンを受け取るシラス、ブライフォンは懐かしくて一瞬嬉しいと思ったが、シラスの顔を見て思い出す、彼は機械いじりする時、人に見せられない顔でおかしな人になることを
『ひゃぁーお父さん、お手柔らかに』
「うん? なんだ、声がするぞ」
「ああ、今のブライフォンは喋るで超古代文明の力を持っとるからな」
「なんだって!」
シラスは思う、なんで隼人は超古代文明で説明できると思うのか、そして自らが作り出したアイテムに意識があるだと? と
「ブライフォン、お前意思があるのか?」
『うんお父さん、聞こえるの?』
「うおー、まじやんけー」
シラスはなんかよく分からない力で、自分の作った者がパワーアップしてる事に知的好奇心を刺激される、地球にいた頃は全ての学問を修めたと言われる程には頭が良く、最近は魔法と言う分野に興味を持っていたが新たなる謎に出会い興味が惹かれる。
と言うわけで、怪しい人物が現れるまでキャンプをする事にする。そこでブライフォンの体は隅々まで晒される事になるのだった。
『僕、もうお婿にいけない』
こうして和気あいあいとしていると、辺りはもう真っ暗である。
ホー、ホー
夜行性の鳥も鳴いている
バチバチと焚き火の音が・・・
「やっぱ礼二は天才やな、この魔導IH言うので焚き火いらんやんけ」
「まあな、今時キャンプに焚き火なんて非効率だよ」
しなかった。なんだか雰囲気の出ない奴らである。
2人は見張りを立てることをしなければいけないのだが
「ジャッジャン、魔導人形V型」
「なんやそれ?」
「これは、まあ単純に言えば警備ロボットだよ、これで見張りはこいつに任せれば良いよ」
「おー流石やな、俺も眠いからどうしようかと思ってたのに解決やな」
「そうだね、まあ僕にかかれば大丈夫さ」
シラスは科学者として世界一とも呼ばれた男である、彼の存在がアルカラに変革を促す事になるだろう。それは、さておき
「で隼人、怪しい人物は見つけたのかい?」
「うーんおらんな、ブライーグルにも探して貰ってるんやけどな」
「そうなら深夜に期待するか、とりあえず寝とく事にしないか?」
「せやな、そうするか、それじゃ警備ロボットよろしくな」
「ピロパロ、ポペレロ」
こうして2人は眠りに就く、怪しい人物はここで何をしようとしてるのか、謎はまだまだ解決する気配はない、これからどうなるのかは朝だったりする
「おい、隼人起きろ」
クレイは体を強く揺さぶられ起きる
「おはよう、礼二」
「隼人、あいつ怪しくないか」
寝ぼけ眼に不思議な光景が映る、そうそこには
「今日こそは成功させるぞー、おー」
怪しい人物だった。