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この世界を救えブライザー!変身ヒーローの異世界転生  作者: にんにん
第三章 この国を救え!ブライザー
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麻婆豆腐

 「で、ザイザル子爵領にむかっているんだよね、隼人」


 「せや」


 「あのね隼人、ここはね」


 シラスが今いるのは


 「ドバール男爵領だよ」


 「そうか、でいつぐらいにザイザル子爵領に着くんや?」


 「着くわけ無いだろ、ドバール男爵領はザイザル子爵領の全く逆方向、ゼクセン都市同盟との国境だよ」


 「なんやて!」


 そう、クレイはブライゼットに行ってくれとしか言わなかった。なのでブライゼットは走った、よく分からないが走ったのだ、そして着いたのがここドバール男爵領だった。


 「まったく、場所を知ってるかと思えば君に任せるとこうなる事を忘れていたよ、本当に悪人が関わらない時はへっぽこだね」


 「なんやと!」


 ぎゃーぎゃー言いながら、ドバール男爵領の最大の街【ザイール】に到着する。


 「さて、飯にするか」


 ザイールはドバール男爵領の最大の街ではあるが、ドバール男爵領自体が小さい領地でザイールも街というより村と言うのが近いくらいの大きさである。

 ドバール男爵は歴代、第二騎士団で副団長を務める家系で、元領主も副団長であり、領民からも慕われている。

 ルシュタールの貴族は過去のオークキング襲来の時に貴族、平民一丸となって、この危機を乗り越えたので貴族も平民を丁寧に扱うし、平民も貴族に尊敬の念を込めており、ルシュタール史上最も平和な時代を過ごしている。それと魔導科学の発展も平民に過剰な労働を強制しないのがプラスに働いているだろう。

 まあ、偉そうにしていた貴族はオークキング襲来の時に平民からの反乱によって、いなくなっているのもある。

 そしてクレイはザイールの街の小さな食堂に入る


 「礼二、ここで飯にすんで」


 「分かったよ」


 この食堂は掃除が行き届いおり、いい匂いがしている


 「姉ちゃん、オススメはなんなん?」


 クレイはウェイトレスのお姉さんに、尋ねる


 「そうね、うちのオススメは」


 そう、この店でクレイは運命の出会いを果たす


 「カラカラ豆腐よ」


 「カラカラ豆腐?」


 「そう、唐菓子などで辛さを付けた豆腐料理よ」


 「なんやて、豆腐と言ったか」


 「ええ、言ったわ」


 「それは大豆で作るもんか?」


 「ええそうよ」


 「まさかひき肉使ってるか?」


 「ええ、使ってるわよ」


 「そうか、取り敢えずそれ頼むわ」


 「あいよ、カラカラ豆腐一丁」


 「僕もそれで」


 「あいよ、カラカラ豆腐一丁」


 しばし待つと、ウェイトレスのお姉さんがカラカラ豆腐を持ってくる


 「はいお待たせ、カラカラ豆腐だよ」


 「これは!」


 そこにはまごうことなき麻婆豆腐があったのだ。


 「ああ、麻婆豆腐か」


 シラスは懐かしいが特に感動も覚えず食べる


 「うおー、かれー、ピリッとくる」


 いや結構はしゃいでいた、しかしクレイは


 「ぐすん、おやっさん」


 泣いていた。


 「うおー、隼人が泣いてる」


 そうクレイにも心残りはあった、紅蓮党との最後の戦いに向かう前、約束した、帰ると、しかしその約束を果たせなかった、ずっとその事が胸を締め付けていた。


 「おやっさん」


 クレイの呟きにシラスは


 「大道寺のおっさんか、そういやよく麻婆豆腐作ってたもんな」


 しんみりと過去を思い出すシラス、信じられないくらいにマズイカツ丼が懐かしい


 「隼人、確かに俺たちはあの時死んだよ」


 シラスは最後の戦いを思い出す、そうあの時、シラスもブライザーサポートの為にその場におり、そして・・・


 「俺はな帰ると約束したんや」


 ウェイトレスのお姉さんは思う、「何、あの子供は戦争からの帰還兵並みに雰囲気だして」と


 「隼人大丈夫さ、大道寺のおっさんもバーギルを倒したお前に鼻高々なはずさ」


 「そやな、確かに麻婆豆腐が冷めるわな、食べようか」


 「ああ、そうだな隼人」


 こうしてルシュタールに新たな流行が生まれる、麻婆豆腐とそこから派生する激辛ブームが


 「久々にしんみりしてもうた、俺みたいな繊細な心を持つとこうなるからな」


 シラスは決してツッコまない、そうクレイにツッコむと調子に乗ることを知っていたから


 「よし、隼人これからどうする」


 「うーんギルドに行くか、一応冒険者やし」


 「えっ、もう登録出来るのかい?」


 「ああ、ベルーザの学生はいけるらしいねん」


 「まじかよ、俺だって異世界、冒険者ギルド、チートでハーレムしたかったのに、年齢の壁のせいで諦めてたのに隼人はずりいよ」


 「なんか、何言ってるかようわからんが行くで」


 いきなりシラスが愚痴り始めたが、昔から変な奴なので気にしないクレイだった。

 ここはザイールの冒険者ギルド、そこに綺麗な服をきた子供がやって来る


 「なんだぁ、ここは子供の来るところじゃねえよ、さっさと帰りな、なあクソガキ」


 そんな風に絡んでくる冒険者、名前はサム、ルシュタールでよくある名前である。彼は冒険者として頑張っており今やCランク、ザイール一の冒険者であるしかしすぐに人に絡むのが困り物、だけど彼は優しい性格で口が悪いだけなので新人以外には慕われている。もちろんクレイに話しかけたのも、子供がこんなとこに来た事が心配なだけである。ちなみに今、彼は壁と一体化している。


 「隼人やりすぎじゃない」


 「知らんがな、絡んでくるのが悪い」


 こうしてギルドの中で


 「しかし、来たのはいいが目的が無いねんな」


 「ないのかよ」


 そうクレイは、なんとなく来ただけでギルドに用事はなかったが


 「とりあえず、クエスト受けるか」


 クレイは提示板を眺める、良さげなものはないかと、見てると


 【ザザフの森の調査】


 ザザフの森で最近怪しい人物が怪しい事をしているみたいです。ただ被害等は出ていないので騎士団も動いてくれません、お願いします


 報酬 三万ルクス


 「怪しい人物か?」


 クレイは何故だか引っかかるクエストを受ける事にする


 「おっちゃん、これ受けるは」


 「お、おう」


 何故か引き気味の受付の男、いやギルド全体がクレイ達から距離を置いていた。まあギルド一番の冒険者を一撃なんだから普通である。


 「森の怪しい人物ね、とりあえず行くのかい隼人」


 「ああ、なんか引っかかるねん」


 「まあ、君の感は当たるからね」


 こうしてギルドを去っていくクレイ達


 「なんなんだ、あのガキは」


 これがこのギルドにいた者の総意であったのは、間違いないだろう。

 こうしてクレイは森の謎を調べに行くのであった


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