科学部門誕生
「わあー、ここが王都なんだ」
「そうねシェリー」
はしゃぐ女性陣に
「何だって俺がこんなとこに」
「ああ、勝てなかった」
男性陣はブツブツ文句を言っている
「こっちやで」
クレイの案内で大きな建物、ブライ財閥本社に来る
「わあ大きな建物だ、これがお城なの?」
「これは城ちゃうな、これはビル言うねん」
「まあ行こうか」
そしてブライ財閥の会長室
「フィズいるか?」
「これはクレイ様、今日は何様で?」
フィズがクレイの来訪に、今日は何だろうとやって来る
「フィズ、鍛冶屋やんで」
「鍛冶屋ですか?」
「そや、こいつがスカウトして来たジェイ言うねん」
「ふん、俺がジェイだってお前フィズじゃねぇか」
「うおジェイさん、なんで」
2人は鍛冶師と商会として何回か商売をした間柄
「え、クレイ様、鍛冶屋って専属鍛冶師をジェイさんがするのですか?」
フィズは驚いていた、何故ならジェイはルシュタール随一の名工であり、剣一本作って貰うのに命がけで山を登り何度も交渉して初めて作って貰う、そんな気難しい鍛冶師を何故? と
「せやフィズ、店一軒準備をしといてくれ」
「ねえねえ母さん、私、ハンバーガーっての食べたいよ」
「あら、それなんなの?」
「今ルシュタールで大ブームの食べ物なの」
「あら、じゃあ今日はハンバーガーにしましょうか」
女性陣は王都観光の話し合いをしている。
「おいフィズ、あの子供は何なんだ?」
「えっ、クレイ様は我が財閥のトップを務めております」
フィズもあまりの急展開にどうしようかと、あたふたしていた
「なんや観光したいんか、ならフィード案内したれや」
「はっ、かしこまりましたクレイ様」
フィードに案内を頼む
「ちょっといいかクレイ」
「なんや礼二」
「いやシラスだよ」
礼二は前世の名前で気楽に呼ぶクレイに呆れながらも
「話があるんだ」
「なんや」
「ここは君の会社かい?」
「そやで」
「凄いね、それで組織とやらはどれ程の規模なんだい」
「何もできてないよ」
「はあ、でもこんな会社持ってるんだ、資金もあるんだろ」
「いやいや金なんかないよ、会社の利益全部親の管理やし」
「親って、ハッハッハ」
あまりのギャップに笑うシラス、だけど話はそこじゃない
「ああそうじゃない、それでバーギルに対抗出来るのかい」
「うーん、今では無理やな、俺1人で守れる範囲には限界があるしな」
「でも資本力は、この会社があるんだ何とかなるだろ戦力は?」
「そやな騎士団をある程度使えるけど、純粋な戦力ではないな」
「騎士団が使えるって、君は貴族かなんかか?」
「せやで俺、公爵家の息子やねん」
「なに!」
シラスが立ち上がる
「まさかメイドがいるのでは?」
「ああ、おるで」
「ずるいずるいずるい、ずるいぞー」
そう、シラスはメイドさんが大好きだった
「そんなこと言われてもな」
「不公平だ、不公平だ」
「ああそういや、お前オタクやったな」
「違うよ、ただメイドさんが好きなだけだよ」
「まあええわ、取り敢えず騎士団を自由に使えるわけちゃうからな、純粋なWSSの人員を集めなあかんねん、手伝え」
「うおー話をぶった切ってきた、ふふ、流石隼人だね、まあバーギル相手ならノーとは言えないか」
「せや、じゃあ研究室みたいなんいるか?」
「うーんそれも欲しいけど、その前に魔法を学びたいんだよね、自力で魔導レーザーや、魔導エンジンは作ったけど、根本が分ってないからね山の中ではそろそろ限界なんだよね」
「そうなんか、じゃあ学校行けるようにしといたるわ」
「そうしてくれると、ありがたいね」
こうしてWSSに科学部門が誕生したのだ。
「でフィズ、辺境の天才を見つけてきたぞ、あと誰かおらんか」
「え、ジェイさんは違いますよ、辺境の天才の名前はオンバーと言う者で、ザイザル子爵領と龍国の国境付近ですよ、ジェイさんがいたとこと全く逆方向です」
そう、クレイは話を聞かないのでよくあることだった。
「そうか、しゃあない行くで礼二!」
「えっ、僕も行くの?」
「目指すはザイザル子爵領や」
こうして新たな仲間を迎え旅に出る、バーギルに対抗する為、世界はどのような答えをクレイに見せるのかそれは未だ分かっていない