旅立て!ブライザー
三章は、頑張って異世界を冒険するだというのを、優先して見たいと思います。
それでは、三章この国を救え!ブライザーの始まりです
《前略
私、クレイは夏休みを利用して、世界を見てまいります。
追伸、お土産は買ってきます。》
合宿も終わり、長い夏休みも残り一ヶ月、カイエン公爵邸のクレイの私室にこの様な書き置きが残されていました。
「クーちゃんが!」
勿論黙って出て行ったクレイのせいで、カイエン公爵邸は大騒ぎ、しかしそこに冷めた目をした者が
「クレイ様が旅に出たってよ」
「まあ、クレイ様大丈夫だろ」
「そうだな、クレイ様だし」
「「「だよね」」」
失礼、者達でした。
どうやら心配してるのは、リリアとメイド達だけらしい、何故なら騎士団はクレイにボコられ、クレイの強さを肌で感じていたので心配する事が何もなかった、と言うより旅に出てくれたおかげであの地獄の訓練が無くなったので、皆心の中では喜んでいた。
「お前達クレイ様から、訓練メニューは預かっている。さあ特訓だ」
だがロズの一言により、世の中甘くないと知るのだった。
「あなた、クーちゃんが!」
カイエン公爵に詰め寄るリリア、しかしカイエン公爵もあまり心配していない、何故ならサメ男を引くぐらいボコボコにするだけの力を持っているからである。我が息子ながら何故あんな強いのか? 不思議ではあったのだが、自分の息子が天才なのは当たり前だと思ったので納得していた。なんだかんだで親バカである。
「安心しなさい、あの子なら大丈夫だろ」
「ですが!」
「信じなさい、我が子を」
おおカイエン公爵かっこよく決める、しかし
「いいから、さっさと探して来なさーい!」
「ふんぎゃー」
通用はしなかった。
「うん、しかしどこに行ったものかな?」
旅に出たクレイは迷っていた、迷いすぎて未だにカイエン公爵邸のトイレにいた。
「困ったな」
トイレの外では大騒ぎであったとさ
そんなこんなでクレイは旅の計画を考える、とりあえず人材探しの旅なので、先ずはルシュタールを周ろうかと、そこで相談すべきは
「なあ、シルジン誰かおらんか?」
クレイは王都の第一騎士団の詰所に来ていた。シルジンは平民からの叩き上げで第一騎士団の性質状、ルシュタール各地に行くので人材集めに適していると思ったのだ、だが
「申し訳ございません、私には心当たりがありません」
シルジンの様子が少しおかしかった、何故か絶望に叩き落とされ、這い上がる事さえ放棄した様な感じだった。
「なあシルジン何があったか知らんが、諦めるなよ、どんな事でも、どんな時でもな、希望言うもんは、常に自分自身の心から生まれるもんや」
ビクっと、肩を震わせるシルジン、どうやら少しは心に響いた様だ
「邪魔したな、じゃあな」
去っていくクレイ、その後ろ姿を見つめながら、シルジンは思う、自分自身の中にある、希望とはなんなのかと
「という訳でなフィズよ、どこが良いかな?」
「クレイ様、いきなり来てという訳と言われても分かりませんよ」
ブライ財閥の本社、クレイの部屋でもある会長室でフィズに相談するクレイ、どうやら説明をあまりしないのがクレイ流であるようだ。
「ほー、つまり優秀な人材が欲しいと」
「そや、とりあえず戦略考える奴欲しいねんけどな」
「うーん、そう言えば」
そこで、フィズが何かを思い出す
「なんや?」
「いえね、10年ほど前なのですがダイガクにケタ違いの天才がいたのですが、何やら問題行動が多くて退学になり、今はルシュタールの辺境に隠居みたいな生活を送っているそうです」
「天才って、どんなもんや?」
「うーん、私もよく分からないのですが最近の発明の大部分が彼の作品だとか」
「なるほど分かったわ、ありがとうそいつに会いに行くわ」
「しかし、かなり気難しい性格らしいですよ」
「大丈夫や、俺は交渉得意やねん」
笑いながら、クレイは出て行った、ちなみにクレイには辺境としか言っていない、それでどうやって行くのだろうか? 不思議に思うフィズだったが、まあ大丈夫だろうと仕事に戻ることにする
「辺境♩ 辺境♩」
ご機嫌でブライゼットを走らせるクレイ、しかし
『ねえ隼人、辺境ってどこの辺境だい?』
ビクっとするクレイ
「わからん」
『もう、隼人ちゃんと確認しようよ』
「しゃあないやんけ」
こうしてクレイの新たな戦いが始まるのだった。