レンジャーロボ
「打て」
ドカンドカン
イーグルからの攻撃を受けるカニ男だが、カニ男の甲羅に全く通用しない
「くっ、だめか」
「巨大化してより硬くなってない?」
魔導核でより強くなったカニ男、イーグルの攻撃ではビクともしない、戦艦イーグルは魔導力エンジン採用の兵器で魔導砲が主戦力だが、その威力は艦長の実力に比例する、だからクレイが乗っていれば、カニ男に攻撃は通っていただろう、しかし現在艦長の席にはロズがいる、残念だが彼では実力不足であった。
「一点砲火だ、集中しろ」
ロズは一撃ではなく、連続攻撃で火力不足を補おうとする、だが
「無駄だね」
グランツがニヤっとする
ぎゃるる
カニ男が泡を出す、すると
「なんだと!」
泡によって、魔導砲のすべての攻撃が跳ね返る
ドカドカドカドカ
「うおー」
反射された攻撃を受けるイーグル、艦内は衝撃によってグラグラゆれる
「フッフッフッ、さあカニ男、あんなハエ落としてしまえ」
ぐあーー
カニ男のハサミが飛んでくる、そうロケットハサミである。
「回避しろ!」
ロズが叫ぶが、がががと側面に当たり、大ダメージを受けるイーグル、そのせいでまともに浮かんでいられなくフラフラと下降していく
ブインブインブイン
イーグル艦内に警報が鳴り響く、ここまでかと思った時
「ブライレンジャーよ、叫びなさい【ゴーレンジャーロボ】と」
「なんなのじゃ、お主は」
いきなり、現れた金髪の怪しい人物にイエローが尋ねるが
「いいから早くしたまえ、このままでは負けてしまうぞ」
なんだかよく分からないが、このままではどうにもならないので5人で叫ぶ
「「「「「ゴーレンジャーロボ」」」」」
すると5人のブレスレットが光る、そこに
ゴーーー、と大きな音と共に大きな人型の魔道具が現れる。
「なんですか、あれは」
「フッフッフッ、あれこそ戦隊ヒーローに付き物の巨大ロボだよ」
「巨大ロボ?」
「そうなんだよ、クレイ君にロボを渡したのは良いけど、クレイ君は戦隊になる気が無いみたいだし、君達にブレスレット渡しちゃうから、君達用のロボが必要だと思ってね、頑張って作ったのさ、核になる物なくて焦ったけどちょうどクレイ君が土竜の卵持ってたから使わせてもらったよ」
「えーー、クレイ君が三億がなくなったって騒いでたの貴方が犯人なんですか?」
「ノンノン、違うよ、有効活用してあげただけだよ、それじゃあねあのロボ使って頑張りなよ」
言いたいことを言ってその場から消える金髪の男、しかしブライレンジャーにとって、今はあのカニ男に、対抗出来るロボは渡りに船だった。
「皆様、いきますわよ」
「「「「はい」」」」
「「「「「レンジャーオン」」」」」
何故かロボへの搭乗の仕方が分かるブライレンジャー、そしてロボに乗り込む
「へー、こんな感じなんだ」
「ええ皆様席に着いて、あの化け物を倒しますわ」
「「「「おう」」」」
皆が席に着き、そして起動するレンジャーロボ
グオーーン
「なんだまたロボか、しかしあんなものカニ男の前ではただの木偶の坊だ、ゆけカニ男よ、あんな物壊してしまえ」
ぎゃーす
まさに怪獣大決戦の様相だ、レンジャーロボのパンチを受ける、しかしすぐさま攻撃を返すカニ男、ゴンゴンと大音量の戦いだ、カニ男のローキックがレンジャーロボを襲う、その攻撃に転んでしまう
「きゃー」
「わあー」
大騒ぎの操縦室
「もおーなんなのよ、うまく動かないわ」
「くそ、ここがこうで」
「あう、これなんなんですかー?」
初めてのロボ操作で大混乱のブライレンジャー達
「落ち着いて、基本動作はイーグルと同じよ、冷静にすれば大丈夫」
レッドが冷静になるよう皆に言う、既にリーダーとしての風格が出てきている。
「レッド、ここはこれを使えば」
そこへグリーンの提案、レッドが
「そうねそれでいきましょう、レンジャーソードよ、みんな」
「「「「ラジャー」」」」
レンジャーロボはごろりと後ろ回りをして立ち上がり、足に収納してある剣を取り出す
「「「「「レンジャーソード」」」」」
どん、と天にレンジャーソードをかざす、すると天まで光が昇る、そして
「「「「「いけ、天道上段切り」」」」」
光の剣がカニ男に向かう、しかしカニ男がその光を受け止める
ぎゃぎゃぎゃ
カニ男は受け止めてはいるが受け止めるのが精一杯といった感じでお互いが拮抗した状態になる
「くそ、出力がこれ以上は」
「これで決めねば手はなくなるのじゃ」
「どうしますか?」
操縦室は決めきれない状態に焦っている、しかしそこへ
「このクソカニが、サッサと死んどけ」
空から現れたクレイがレンジャーソードにさらなる力を加え、その力でカニ男は真っ二つになる
「はん、粘るなカニ」
ドカーンとカニ男は爆発してしまった、美味しいところを見事に奪っていったクレイだったとさ