その頃、子龍達は
このお話は龍語でお送りします
「暇だよ」
赤きロードドラゴンのルビは退屈だった
「仕方ないよ、ご主人はどっか行っちゃうし」
青きロードドラゴンのファイがそう言う
「なんで、ご主人は僕たちを置いていくんだよ」
ルビはカンカンに怒っていた
「うーん、と言うか、ご主人僕たちの事忘れてないかな?」
ファイが、真実を突き止める
「そんな馬鹿な、僕たちロードドラゴンだよ、1匹で国と渡り合えると言われる、伝説のドラゴンだよ、ありえないよ」
「うーん、そうかな?」
「ルビ達は何してるの?」
2匹が喋ってると、緑のロードドラゴン、ラルドがやってくる。
「ファイがな、ご主人が俺達を忘れてるって言うんだよ、でも俺達を忘れるなんてあり得ないだろう、そうだろラルド」
「どうかな? ご主人ってかなり適当な人だよね」
「「確かに!」」
クレイの人物像を的確に表現するラルド
「そう考えると、ファイの言うことのが正しいのかな?」
「まあまあ僕たちまだまだ子龍だからね、育つのを待ってるんだよ、きっと」
ラルドは場を治めようと適当な事を言う
「それは、ないよ」
そこに銀色のロードドラゴン、ムースが現れる、後ろに茶色のロードドラゴン、ディアンと黄色のロードドラゴン、トリンがやって来た。
「どういうことだよムース?」
ルビが尋ねる
「ご主人は君達に期待してないのさ、だって君達、弱いじゃないか、僕のような偉大なドラゴンクラスだけだよ、ご主人が連れて行きたいのは」
ムースは自信満々に言う
「なんでだよムースだって、置いてかれてるじゃないか!」
「ふん違うね、僕はご主人がどっかに行く前に留守番をよろしくと言われて撫でて貰ったからね」
「「「なんだって!」」」
ルビ達は驚きの声を上げる。子龍達にとって、クレイに撫でられるというのは至上の喜びなのだ。勿論ムースを撫でたのはたまたまいたからである。
「どうだこれで分かったろう、ふふん」
自信満々な顔で踏ん反り返るムース、そこに
「それなら私も撫でられたよムース」
「なに?」
そこに金色のロードドラゴン、サンが現れる
「まあムースもご主人に撫でられて嬉しいのは分かるけど、ご主人は皆を平等に可愛がってくれてるよ」
「むう、みんなを可愛がっているのはそうかも知れないが僕を1番可愛がっているよ」
「頑固だね、でもご主人の愛を独り占めしようなんて考えているのは良くないよ」
「なんだと!」
2匹の間に火花が起こる
「やめな!」
そこにドラが現れる
「「「「「「「親分」」」」」」」
「ご主人の愛を欲しがるのは分かるが喧嘩は良くねえよ」
「でも、親分」
「でも、じゃねえーよ、ご主人は今、強大な敵と戦うために地獄の特訓をしてるんだ、お前らが浮ついた心でいてなんでご主人が喜ぶってんだ」
「親分」
「うっうっ、親分、僕、間違ってたよ、そうだよご主人は今頑張っているんだ、僕たちも強くならなきゃいけないんだ」
「そうだムース、ご主人が帰ってきたらビックリさせてやろうぜ、強くなってな!」
「親分」
「おめえらもグダグダ言ってないで、今から特訓だ分かったか!」
「「「「「「へい、親分」」」」」」
「へっ、いくぜ」
こうして、ドラゴン達は強くなる為のトレーニングを開始する
「はぁ、子分の前では態度デカイのね、あのアホドラゴンは」
ミケは一連の出来事を見ていて、ドラの態度に呆れていたのだった
ちなみに人から見ると
「キュイ、キュイ、キューン」
「キュンキュン、キュー」
「キュウ、キュウ」
と、小さなドラゴン達が可愛く戯れているようにしか見えず、元エスタの民の心の清涼剤になっていた。
子龍達が、活躍するのはまだまだ先になります。彼らはまだまだ、子供なので、ご主人恋しい時期です。
龍騎士団の騎龍に、なる予定ですが、彼らに乗る騎士が出てくるのがまだまだ先ですが、ちょくちょく、彼らのお話をしていきたいと思います。