クレイ、交渉へ
「どや、分かるか?」
「なるほどね」
「そやろ、あのブレスレットは魔闘術と似た作用で動いてるんや、魔闘術のコツを掴むのにイメージがより強くなったやろ」
「あわわ、もう五分出来るようになりました」
リムは早速効果が出てきたようだ
「あのブレスレットは異常ね、クレイ様、どうやって手に入れたのですか?」
「エリス、クレイでええよ、そのブレスレットは変態の金髪詐欺師から貰ったんや」
「そうですかじゃあクレイ、詐欺師ってなんなんですか?」
「ドラゴンの卵を飛竜の卵と偽って売っていた露店のおっさんや」
「ああ、あの時の、ってあんな怪しい人からなの」
「そや、変態やったわ」
「クレイ、流石に不用心過ぎなのじゃ」
「まあええやないか、使える者は使えばええねん、それに詐欺師の癖になかなか便利なもんくれたし、ドラくれたのもそいつやし」
「なんじゃとー、ならそやつはいい人なのじゃ」
葉美姫はドラの効果により、金の神をいい人認定する事にした
「まあそういう事や、ほらサボってないで続きやで」
「ねぇ、クレイ君」
「なんや、リム」
「この子なーに?」
リムは何故かスラールに懐かれていた
「スライムや、どうやらリムのこと気に入ったんやな」
「え、どうしたらいいのかな?」
「まあ、悪いやつちゃうから可愛がったれ」
スラールはプルプルしながらリムを見つめている、その眼差しに(目はない)リムは心うたれたようだ
「か、可愛い」
「リムも気に入ったんやな、そいつはスラール言うねん、スラール、リムを頼むで」
プルプルするスラール、クレイはこの中で護衛がいないリムの事を心配していたのでちょうどいいと思った。
「え、私が飼うの?」
「まあ近くに置いとけ、なかなか強いから守って貰っとけ」
こうしてスラールとリムはいつも一緒にいることになった。彼女がスライム騎士と後に呼ばれたとか呼ばれなかったとか
「とりあえず今日中に全員10分超えるで」
「「「「「おー!」」」」」
こうして、魔闘術を極めていく光景を見ていた騎士達は本気で凹んでいた
「とりあえず、こんなもんかな?」
そこにはクレイ以外立ってるものがいなかった。
「死ぬ」
「体が動かないのじゃ」
「あうー、もうだめ」
「厳しすぎだよ、クレイ」
訓練が終わる頃にはみんなバテバテだった。
「なんや情けないぞ、WSSのメンバーやねんからしっかりせな」
クレイは地球にいた頃、地獄が天国だと思えるほどの訓練をしてきたので、彼らにさせてる訓練などまだまだ子供の遊戯程度にしか思ってなかった。そう彼に常識は存在していないのである。
「とりあえず明日は組手も入れるからな、しっかり休んどけよ」
騎士達とエリザベート達にそう言って、イーグルに帰るクレイ、それを見つめながら明日に恐怖するのであった。しかし彼らは気付いていないが合宿前に比べて既に魔力が1.5倍になっていたのである。合宿の成果はクレイの横暴に拍車をかけ続けるのである。
そして今はディナーも終わり、皆が安息のひと時を過ごしている頃
「なんやと、まだ話まとまらんのか」
「申し訳ございませんクレイ様」
「ミルクは?」
「それが・・・」
「ボス、ミルク頑張ったにゃ、褒めてにゃ」
「何故か肉の早食い競争になりまして、ミルクが全勝したのですが」
「が、なんやねん」
「求婚されましてな、断るのに大変でした」
「まあミルクの美しさにメロメロになるのは仕方ないのにゃ、にゃにゃにゃ」
「つまり、進展が何もなかったと」
「申し訳ございません」
「ふむ、仕方ない俺が行こう」
「しかしクレイ様は、今騎士団との合宿では」
フィズはクレイが騎士団から訓練を受けてると思っている、実情は逆だが
「しゃあないやんけ、俺の本気見せたるわ」
こうしてクレイはリゾート地計画の為に自らが動くのであった。
ちなみに合宿四日目が急遽休みになり、騎士団から歓声が上がったのは仕方なかったのだろう
そんなこんなで次の日
「ここかフィズ?」
「はい、クレイ様」
「じゃあ行くか」
コウサカの街、領主の館に入るクレイ、何故か毎日会ってくれるソサール子爵、彼はフィズの持ってくるハンバーガーにハマっているだけであるが、実を言うとハンバーガー食べたさに交渉を延ばしているのは彼だけの秘密である
「また来たぷー、今日もハンバーガーぷー」
ハンバーガーが食べたいだけの彼に果たしてクレイは交渉をまとめる事が出来るのか
次回、参ったぷー、すき焼きには勝てなかったぷーをお楽しみに