特訓、特訓また特訓
「それでは、今日の訓練を始めます」
既に太陽は、真上に来ていた
「騎士団は、基礎訓練を昨日と同じ様に」
「クレイ君、騎士団の人達は、昨日寝てないよ、お休みにしてあげたほうが・・・」
リムの言葉に、騎士団は、期待の目をみせる、しかし
「あかん、話聞いたら、護衛の騎士が、俺たちを、見失った事が原因やろ、俺に責任が無いとは言えないが、騎士の注意不足のほうが重い、ならば2度とミスしない様にしなあかん、分かるかリム」
「そうなの?」
リムが説得されかかる、騎士達の心は、リムの応援一色だったが、
「リム、俺だって鬼じゃない、本当なら昨日の倍のやていを、昨日と同じにしたんや、必死に俺たちを心配した、彼らに感謝はしてるんやで」
はっきり言って、眼がそう言っていないのは騎士達は分かっていた、彼らだって、厳しい訓練を幾度も経験してきた、そして、その教官をしてきた者達も、そう今のクレイは、その教官と同じ眼をしていたのだ、いわゆる鬼教官と
「そうなんだ、クレイ君も考えてたんだね」
「分かってくれたか、リム」
分かってくれなかったか、と騎士団は、肩を落とす、リムの素直さが裏目に出た
「第六騎士団は、あっちで潜水艦の訓練や、使える様にななっとけよ」
第六騎士団は、目を輝かせる、何故なら地獄の訓練をしなくていいからである。ただ、彼らはこの後知ることになる、海兵とは、人間を止めるところなのだと
「他の騎士は、同じことしても仕方ないから魔法の訓練やな、俺が考えた、最強魔法使いになる為の特訓をしてもらう、なので、得意な属性ごとに分かれてくれ、属性ごとに訓練するからな」
クレイが、そう言うと、騎士達は、各属性ごとに固まる、そして
「魔法言うもんは、現象の理解力によって、威力が変わる、つまり火の属性なら、まず火がなんなのか知るところから始めたほうがええねん」
騎士達は、頷く、確かにそうだと
「でな、今までの訓練ではな、その理解力があまり得れないねん」
騎士達は、首を傾げる、騎士団の魔法訓練は過酷だ、火の属性なら、限界まで大きな焚き火に近づき観察をする、終わった後はみんな火傷だらけになるのだ
「回復魔法あんねんから・・・」
騎士達は、思う、何故ここで回復魔法の話が出るのかと
「実際に、燃えたほうが分かると思わんか?」
その言葉を聞いた瞬間、騎士達は散り散りに逃げる、彼らは理解した、カイエン公爵の息子は悪魔だと、しかし
「止まれ!」
その言葉に、騎士達は止まる
「全く、情けないぞ、お前達はそれでもルシュタール騎士団の騎士か?」
第一騎士団、団長のシルジンが、騎士達を叱責する
「訓練から、逃げるな」
騎士達は、俯きながら思った、団長はこの訓練をする訳では無いから気楽なもんだと、しかし
「そや、立派やな、流石第一騎士団の団長や、よしシルジン、栄えある魔法訓練経験者第1号はお前や!」
「へっ!」
「良かったな、これを経験したら父上にだって勝てるかも知れへんで、はっはっは」
こうして、シルジンは、この日地獄を見ることになった。ちなみに騎士達は全員がザマアミロと思ったとか思わなかったとか
「燃えとるのじゃ」
「燃えてるね」
「あう、大丈夫かな」
「哀れね」
子供達は、大人の苦労という者を見ていた
「流石、クレイ様ですわ、斬新な訓練ですわ」
エリザベートは、盲目にクレイのする事に賛成らしい
ちなみに、この訓練は、後輩達に受け継がれていく、のちの騎士達全員にクレイは恨まれる事になるのであった。
「さて、次はお前らやな、昨日は魔法したけど今日は、魔闘術をするか、お前らどれくらいできるんや?」
「妾は、こう見えて、6分は維持できるのじゃ」
自慢げに言う葉美姫
「すごいな、僕は3分だよ」
ゲイルは3分
「わ、私は1分30秒ぐらいです」
俯きながら、言うリム、学生で、しかもまだ、初等教育段階の生徒なら、かなり優秀である。他が凄すぎなのだ
「ふん、私は2分よ」
エリスは2分、ブライザーの戦い方に憧れていて、格闘術の訓練は一生懸命にしていた成果である
「私は、8分です」
「「「「えっ!」」」」
エリザベートの発言に、みんな驚く、葉美姫の時間も凄いが、龍人族は、魔闘術が人族より得意なので、葉美姫なら出来てもおかしく無いと思っていた、しかし、エリザベートの8分は異常である。
この数字は、騎士団でもかなり上位であり、魔闘術の訓練を何年もして、やっとたどり着ける境地である、それが未だ7歳の少女が出来るとは、エリザベートはかなりの才能を持っていたが
「なんや、情けないぞ、10分も出来ないのか」
どうやら、クレイの基準では、ダメらしい
「ちょっと、いくらクレイ様でも無理を言いすぎですわ、10分なんて、魔闘家でも、5人もいないのよ」
エリスの言っている、魔闘家とは、魔法をメインにしないで、魔闘術をメイン使う者達である、魔法の訓練をあまりせず、己が肉体の限界まで修練を積んだ戦士達で、達人クラスがようやくたどり着けるのが10分と言う、世界であった。
「そうだよ、クレイ、あまり無茶言わないでくれよ」
ゲイルも、流石にクレイの基準は厳しい者がある
「で、クレイはどのくらいできるのじゃ?」
葉美姫は、そう尋ねる
「何言ってんね、さっきからずっと、纏っているやろ」
「「「「えっ」」」」
「俺は、日常、常に纏っているぞ、よう見てみ」
彼らは、そう言われてクレイをじっくり見る、すると確かに魔力で全身が覆われていた
「えっ、どういう事?」
「クレイは、無制限に纏っていられるのか?」
「嘘なのじゃ」
「すごーい、クレイ君」
みんな驚いていた、エリザベートはオーガ事件の時に、クレイが常に纏っている事を、知っていたので驚かない、と言うよりクレイに近づきたくて、これまで特訓をしていたりする。
「何言ってんねん、魔闘術使わな、子供があんなに戦えるかい、お前らは使って無いんか?」
「いや、確かに使っているけど、常には、無理だよ」
「そうなんか、まあええわ、今回の合宿で最低でも1時間は出来るようにするで」
「いやいや、流石に無理だろ」
「安心せい、コツを教えたるから」
「本当に、すごーい私も達人クラスになれるのね」
エリスは、喜んでいるが他のメンバーは
「何をやらされるのじゃ」
「確かに」
「あう、大丈夫かな」
クレイが、何をさせるのか不安で仕方なかった。