合宿、三日目
クレイは正座をしていた。
「なんでや?」
クレイは正座をしていた。
「なんでやねん」
何故正座をしているのかと言うと
「聞いてるの! クーちゃん」
朝帰りだったりする
「どこ行ってたの!」
「さ・ん・ぽ?」
「散歩じゃありません、海から変な乗り物でやって来て」
時は少しさかのぼる、
「ロズ団長、海から未確認の何かが来ます」
「未確認ってなんだ!」
「分かりません、海中から巨大な何かがこちらに向かってくるとしか」
「なんだ、巨大な何かってクジラでは無いのか?」
「いえ、クジラにしては速すぎます」
「魔物か?」
「いえ、恐らく生物では無いかと」
「何? 船か? しかし海中からだろ」
「はっ!」
「くそ何なんだ、今エリザベート様とクレイ様の捜索の為に人員を割いてる時に」
「!、団長、謎の物体予想より速く、既に我が艦の真横に、うわ、来ます」
「なんだと! うわ」
グラングラン揺れるイーグル
「おい、ロズいるか?」
揺れるイーグルの艦橋にある、司令室の一面にクレイが現れる、それは通信機能であったがイーグルにいる乗組員達はその存在を知らなかったため、驚く
「ロズ、ロズいるか、いるなら返事しろ」
「へっ、はっ、はいクレイ様、ロズはここにいます」
「おっ、ロズか、ちょっと頼みがあんねんけど」
「は、はぁ」
「んん、なんやお前ら惚けた顔して、ああ、お前ら通信機能あるの知らんかったんか、これはな遠くにいてもお話しできる魔道具やと思っとけ、便利屋から使えるようにな」
「は、はいクレイ様」
司令室にいる兵士達が返事する
「でなロズ、この潜水艦手に入ったから、イーグルに回収しといてくれ、イーグルの三番ドックがええやろ、あと船の整備できる奴も用意しといてくれ」
「え、あ、はいかしこまりましたクレイ様」
ロズは何を言ってるのかよく分からないが、イーグルの横にある不思議な船の事を言ってることだけは分かった
「確か木龍騎士団の奴が何人かいたな、すぐに三番ドックに行かせろ」
「はっ!」
「あの船はどうやらクレイ様の物らしい、丁寧に扱えよ」
「はっ、かしこまりました」
敬礼をして直ぐに行動に移す騎士達、ちなみに木龍騎士団はカイエン公爵領、第六騎士団で主に兵器や要塞補修などを主に任されており、最近と言うより合宿の為に、イーグルの整備の訓練を徹夜でやらされていた、普通なら怒るのだが彼らは機械いじりが大好きで、イーグルを見せたら言われなくても徹夜でやる奴らであった。彼らは今、とてもいい笑顔で仕事に励んでいた、そこにまた未知の船が現れた、なので彼らは今日も寝なかったりする。
「ふぁーあ、眠い、ロズ、俺もう寝るから昼頃起こしてくれ」
「それは無理ですな」
「なんでや?」
「それは・・・」
「それわね、クーちゃんはママとお話しをしなきゃいけないからよ」
「ふふふ、ロズ、俺は旅に出るわ」
そう言って、潜水艦を発進させようとした時
「だめよ!」
「ぎゃー、なんで姉ちゃんおるねん、いつの間に乗り込んだ!」
「ふん、この船見た時にすぐに分かったわ、あなたが乗ってるってね、さあ覚悟なさい」
「たーすーけーてー」
こうしてクレイは連行されていくのであった
そして現在クレイは正座をしていた。
「エリザベート様、何をなさっていたのですか?」
「クレイ様が試練を受けていたのです」
「試練ですか?」
「そうなんですよ、私もこの子を頂きました、亀子ちゃんですよ」
エリザベートの肩に亀がいた
「亀をですか」
「うふふ、亀子ちゃんですよ、可愛いですよ」
頭を抱えながらもエリザベートが無事に帰ってきて胸をなでおろす第一騎士団の面々だった
「また、やってるのじゃ」
「また、やってるね」
「もう、クレイ君は」
「えっ、クレイ様は、いつもこんななの?」
葉美姫とゲイルとリムとエリスがクレイの正座を眺めながら話していた
「これは今日の訓練は無いかもね」
「そうかもなのじゃ」
「うーん、そうかも」
「えっ私、早くこのブレスレット使いこなしたいのだけど」
エリスはやる気満々だったが
「仕方ないよ」
「仕方ないか」
「仕方ないのじゃ」
「なんでよー!」
合宿はまだまだ続く