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この世界を救えブライザー!変身ヒーローの異世界転生  作者: にんにん
第一章 この村を救え!ブライザー
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参上!ブライザー

 ここは、ルシュタール王国の首都【ルシュール】

 今日、選定の儀を行うため首都にやって来たクレイ


 「なかなかデカイ街やな」


 ここルシュールは王国最大の都市である。人口およそ800万、王国人口の十分の1にあたる。広さは約2,190㎢(平方キロメートル)ほどで、人口密度が高く、商業、産業、行政などルシュタール王国の全てが集まる世界最大規模の都市である。

 北側に行政機関と貴族街が集中し、その中央に政治の中枢【アーダ】がありルシュール王国の政治を担っている。

 中央には主に商業施設が集中している、規模の大きな建物に店が沢山ある【デパート】や個人商店が街の様に集中してある【商店街】など多種多様な形式で商売が行われている。

 東側は海に面しており、巨大な港が存在し主にビジネスを生業にする【カンパニー】や海産物や農産物の市場【マーケット】があり王国の経済を支えている。

 南と西側は、住宅地になっており、最近の技術開発により鉄とコンクリートと呼ばれる固まる土を合わせた【鉄筋コンクリート】が発明され、高い建物が作りやすくなり10層以上の【マンション】など、人口増加にともない土地不足になっていたルシュールの住居問題を軽減させていた。

 しかし、マンションの登場により更に人口増加を加速させてしまい、人が増える、マンション作る、また人が増える、マンション作るを繰り返している。

 さて、この首都ルシュールにやって来たクレイは、選定の儀を行うために行政区のある北側に向かっていた。

 そこで


 「そこの坊ちゃん、商品を見ていかないか?」


 突然、露店の兄ちゃんに話しかけられる。


 「クレイ様、カイエン様がお待ちです。急ぎませんと!」


  そう言う護衛の騎士

 しかしクレイは


 「いいじゃないか少しくらい」


 クレイは、露店を見て行く気である。

 しかし護衛の騎士は、クレイが勝手にうろつくせいでカイエン公爵とはぐれてしまって少し焦っていた。


 「クレイ様!」


 「まあまあ、そんなに怒らないでよ。少しだけだって!」


  騎士は、ここで無理矢理連れて行っても暴れそうなので、諦めた様に


 「ここを覗いたら、スグにカイエン様のもとに行きますからね!」


 「分かったよ」


 嬉しそうに露店を覗くクレイ

 クレイは、興味があるとふらふらと勝手に移動するので護衛の騎士達は困ることが多かった。

 が、なぜか危ない事は絶対しないので、比較的にクレイの我儘は叶えられていた。護衛の騎士達にとってもカイエン公爵にとってもクレイのふらふらグセは治せないものだと思っていた。

 そんなことを知ってか知らずかふらふらと露店を眺めるクレイ

 そこに!


 「お兄さん!これは!」


 大声で尋ねるクレイ

 少し驚いた、露店の主人だが慌てずに答える。


 「これかい? これはね八大迷宮の一つである

 【キャスタル】

 で、S級冒険者が見つけた物だよ。」


 「これ、いくらだ?」


 「これかい? 実を言うと使い方がサッパリ分からなくて、研究所などもお手上げでね。捨てられるとこだったんだけど、安く譲って貰ったものなんだ。だから1万ルクスかな?」


 この、露店の主人はあまり商売人に向いてない性格で、言わなくていい情報をお客にちゃんと説明する正直者だった。ちなみにこの国の貨幣の単位はルクスであり魔法技術により偽造をさせないことで、紙幣を使っている。だいたい円=ルクスであり、1万ルクスは1万円である。

 その価格に納得したクレイは


 「貰おうか」


 「えっ、買われるですか!ありがとうございます」


 こんなガラクタでも売れるもんなんだな、と思う主人であった。


 「よろしいですか? クレイ様、行きますよ」


 「分かった」


 そう言うと、クレイは選定の儀を行うために行政区に向かう。この世界であるはずのないものを手に入れた興奮と共に



 ここは、ルシュール北側の神殿【パピル】

  主に貴族の子供達の選定の儀を執り行う場所である。

 そこで


 「まったく、またクレイはどこかにいったのか?」


 少しイラつきながら、クレイを待つカイエン公爵


 「あの子はアクティブだから仕方ないわ」


 のほほんと答えるリリア


 「あう」


 リリアに抱かれている赤ん坊。

 実は、クレイが4歳の頃に生まれた弟の【スレイ=ラート=カイエン】である。


 「あの子はまったくダメね!公爵家の跡取りとして自覚が無さすぎるわ」


 そうぷりぷり怒るエミリー、8歳になり初等教育機関【ショウガッコウ】の二年生になった。エミリーはとても優秀で学年首席を維持してる。


 「お待たせしました!」


 そこに、クレイがやってくる。


 「遅いぞ!クレイ、今日くらい、ふらふらするのはやめなさい。」


  クレイを叱るカイエン公爵


 「申し訳ありません」


 謝るクレイ


 「反省しなさいよ」


 ポカッと頭を叩かれる


 「痛いですよ。姉上」


 頭を押さえるクレイ


 「もう、いいから行きましょう」


 「そうだな」


 パピルに向かうカイエン公爵夫妻


 「あっ、待って下さい」


 慌てて追いかけるクレイ

  そして


 ここはパピル神殿の中、とても神聖な場所

 【選定の間】

 そこにはカイエン公爵家とそれに近しい貴族達、神殿長に王様と王妃様とお姫様

 この国の王は、

 【ルシュタール=ハイル=ルシュタール】

 と言う名で、巷ではルシュタール18世と呼ばれる。

 カイエン公爵と同級生で、魔法の才は普通だったが人を見る目に優れ、新しい物好きだったので、新たな技術開発などの支援を惜しみなくし、ルシュータール国民の生活を向上させ、資源確保、人材育成、経済発展を100年は速めたと言われる名君である。

 今の魔科学による発展は彼なしではありえなかったのである。

 そんな彼も、無二の親友と言えるカイエンの息子の選定の儀は興味があるらしく、今日ここに参加したのである。


 「久しいな、カイエン」


 「はっ!」


 「そなたがカイエンの息子か?」


 「はい陛下、クレイ=バード=カイエンでございます。」


 「ふむ、今日はそなたの選定の儀である。余も見学するのでよろしく頼む」


 「はっ、ありがとうございます。」


 「それでは、神殿長よ、早速始めようではないか」


 「かしこまりました。それではクレイ様こちらへ」


 選定の間の中央にある石板に近づく、クレイ


 「それでは、選定の儀を行う」


 皆が静まる


 「この世界を見守る神々よ!

 我らの新しき時代を担うもの

 その名は、クレイ=バード=カイエン

 この世界を創りし神々よ!

  我らの新しき家族になりしもの

  その名は、クレイ=バード=カイエン

 かの者に、真なる知恵を

 かの者に、新なる知恵を

 叡智知らせる石板に、かの者の真実を教え

 神々の答え記す石板に、かの者の真実を教え

 今こそ、選定の儀を知らせよ」


 そう神殿長が唱えると、石板が光り輝く


 「なんだ、なぜ石板が光る?」


 「こんなこと初めてだ!」


 「何が起こっていると?」


  騒がしくなる選定の間

 クレイは動じず石板を見る

 すると文字が浮かび上がってくるそこに書かれてた言葉は


 ドカン!ドカン!ドカン!

 突如鳴り響く爆発音

 キャー!わー!

 神殿の外から響く悲鳴と叫び声

 そして、


 「なんだ、ゴブリンか?」


 「強いぞこのゴブリン!」


 「神殿に向かっているぞ!」


 「食い止めろ、あそこには国王陛下や大貴族がいらしゃるんだ」


 そう神殿警備をしていた騎士達が叫ぶ、なんとかゴブリン達を抑えている騎士達、しかし、


 「 ぶっわはっは、これが人間か? 弱い弱すぎるわ!」


 豚の様な顔、巨大な4本の牙、岩のように巨大な体、そして3メートルはある巨大な斧

 それは人々が、オークと呼ぶ魔物に似ていたが、オークよりも大きく、オークを遥かに凌駕するスピード、オークでは考えられないパワー、全てがオークを超える化け物であった。


 「なんだ? このオークは」


 「くそッ、魔法が通じない!」


 「グワッ!」


 次々にオーク似の化け物に、倒されてゆく騎士達。


 「俺様を、オークなんかと一緒にするなー!

 俺様は、偉大なる魔王グランツ様の真なる使徒」


 【怪人・豚男】


 「だ、お前達、人族を滅ぼしに来た!」


 「なんだと!」


  驚く騎士達、そこに


 「やれやれ、魔族はまだ諦めてなかったんですか? 先の大戦でコテンパンにしたのに?」


 「誰だ?」


  豚男が辺りを見回す。

 そこに、


 「私はカイエン!君のような無礼者に礼儀を教えるものだよ」


 「ぶっわはっは、お前がカイエンか?ちょうど良かったわ、今日は貴様を殺しに来たんだからな!」


 「ほう」


 ピクッと片眉を上げて、カイエン公爵は豚男に対峙する


 「私を倒すかい? 仕方ない少し教育が必要なようだ。獄炎のカイエンと呼ばれた私の魔法でね」


 そう言うとカイエン公爵の右手が炎に包まれる。


 「教えてもらおうじゃねーか? なんだ? ロウソクのカイエンだったか? ぶっわはっは」


 巨大な魔力に当てられ他の騎士達がめまいを起こす。そんな状態なのにまったく怯まず挑発をする豚男

 少し疑問に感じたカイエン公爵だったが、ムカついていたのでそのまま魔法を唱える


 【ファイヤショット】


 火の属性でもっとも殺傷能力に優れた魔法である。カイエン公爵が放つファイヤショットで死ななかったものは存在しないほどの威力であったが!


 「ふん!」


 パスっと情けない音を出し搔き消える炎


 「なんだ?ロウソクでも投げたのか?」


 「バカな!」


 まったく効いていない豚男、驚愕するカイエン公爵


 「くっ!これならどうだ!」


 カイエン公爵は、炎耐性に優れた者と見て他属性の魔法を次々打つ、が、


 「ぶっわはっは、効かんな、効いかんぞ!」


 「バカな!」


 この国、いやこの世界最強と呼ばれるカイエン公爵の魔法が一切通用しない。それを見ていた騎士達も、動揺が隠せない


 「バカなカイエン公爵の魔法がまったく通用していない!」


 「化け物だ!」


 「うわぁー!助けて」


  遂に、逃げ出す騎士達

 それを見て豚男は


 「所詮人族なぞこんなもんか、まあいいそれでは死んでもらうぞカイエン!」


 「くっ!」


 カイエン公爵に向かう非情なる鉄の塊

 豚男が巨大な斧をカイエン公爵に振り下ろす

 ゴー!

 唸る風の切り裂き音

 絶対絶命のカイエン公爵



  ーーーーそこにーーー


 ガキン!

 巨大な斧が砕かれる

 驚く豚男、

  驚くカイエン公爵

 周りを見回す豚男、そして謎の影を見つけ問う


 「誰だ!」


 「ふっ、誰か?か、少し懐かしいな!」


 「お前は?」


 「俺かい?俺は」


 《漆黒の甲冑身に纏い、助けを求める声を聞く、世界の危機に現れる、無敵のヒーロー》


 【鋼鉄甲冑ブライザー】


 「只今、参上」


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