幸せな未来を目指して!
『よう!』
『伊東君。』
『あ、先輩、お久し振りです!』
『しばらく、お顔を見ませんでしたが、お休みしておられたのですか?』
自動車部品工場で真面目に働く好青年。
彼の名は傑
同じ工場で働いていた先輩の矢野氏が声を掛けてきた。
『どうだい?、仕事の調子は…』
矢野は傑の顔が、やや雲っているのに気が付いた。
『ははぁ……また課長にどやされたかな?』
『俺も入った当初は、よくへまをやらかして叱られてたよ。』
『まぁ、勉強だと思ってがんばんな!』
傑の肩を軽くポンポン叩いて笑顔で励ます矢野。
『実は俺、今日でこの会社、辞めることにしたよ。』
『大きな家とキレイな嫁さん
そして可愛い子供たち
いっぺんに手に入りそうなんだ♪』
『勿論、家族に十分な幸せを与えてやれる仕事も見つけたんだ♪』
『俺の人生、これからが花盛りてとこかな!』
傑は矢野の話を、にわかには信じられなかった。
『先輩……そんな調子のいい話が、世の中にあるんですか?』
『おいしい話には必ずて言っていいほど裏がありますよ。』
『気を付けたほうがいいですよ……先輩こそ大丈夫ですか?』
矢野は傑の質問に明るく答えた。
『お前が、そう思うのも頷けるよ。』
『俺だって初めはそうだづたから。』
『お前、品質管理の柏崎部長知っているか?』
『先輩、柏崎部長なら毎日の様に朝見回りに来て挨拶してますよ。』
矢野は傑を工場の脇に連れて行き小声で話した。
『実はな、あの柏崎部長から俺は、ある人物を紹介してもらって幸運を手に入れたんや。』
『先輩…そのある人物て誰ですか?』
『伊東君、ここだけの話やで…それはな
未来設計士(future..planner)や。』