棺桶の中の猫耳の話し
仮想棺桶、
現実世界からちょっと離れたところで、誰かが作った仮想世界の名前…
…棺桶といっても、あの、死んだ人を入れて葬るための容器とは違ってだね…仮想世界って言ったじゃん。
ちゃんと家とか、公園とか、ちょっとした喫茶店とかもあって……そう、君がいる此処、現実世界の劣化コピーだと思ってくれて構わない!
で、棺桶だからね、一度入ったらそこから出ることはもう叶わないんだよ。
現実から離れるというのは、えーっと、もう君は、ヒトではいられなくなるってことだから。
生ける屍って、かっこよくない?
つまりは、そういうことなんだよ、棺桶に入るんだからね、
……土葬も火葬もしないよ、生きるんだよ、屍となって、棺桶の中で!
いやだから仮想世界の呼び方なだけだから棺桶は。石造でも木造でもないから。
で、だね。
屍はもう、屍でしかないでしょ?ただの。
過去の名声やら富やら、君の名前から誕生日から、それまでついていた家族設定なんてものも、全て棄てさせてもらうよ。
だってもう死体になるんだから、いらないよね?
それが出来ないなら君は現実世界のヒトのままだ。
棺桶はいいよ〜?自由だし、
何しても大体は許してくれるしね。
そして、現実世界にあった重苦しい責任やらやらから解放される。
ど?よくない?
必要なものは「空っぽの君自身」だけ!
名前と肩書きとを全部棄てたら、夢の世界へご招待!!
さっきからごちゃごちゃで何言ってるのかわからないって?大丈夫、私も。
また明日も迎えに来るよ、私は君という存在をこちら側に連れ戻さなくては。
準備ができたらまた呼んで?すぐそっち行くから。
…ん?名前?
あぁ、そういえば名乗っていなかったねごめんごめん。
くろーばーって呼んでよ、気軽にさ。
そんで、早く戻っておいで?
現実世界であった苦しいこと悲しいこと辛かったこと、全部忘れさせてあげるから、ね!
はじめまして、読んでいただきありがとうございました。
いきなりミスったので上げ直しました。
それくらい不慣れな点も多々ありますが生温い目で見守っていただかなくても大丈夫です。
飽きたらやめます。
よろしくお願いします。