ゲームオーバーが出来ない
たんたんとした小話ですので暇つぶし程度にどうぞ。
誤字脱字があったらすみません。
キーワードは何をつけたら良いのか分からなかったのでこれかなというのをチョイス。
なにが間違っていたら外しますのでお知らせください。
アナタは死んでしまいました!
コンティニューしますか?
→はい はい
ゲームオーバーになると大抵これ系の問いかけと共に選択肢が出るのはお決まりだと思う。
ついでに何回もゲームオーバーを繰り返してたりすると選択肢自体をスキップしてコンティニューにしてくれればいいのにとか思ったり、コンティニューするつもりでAボタンだの○ボタンだの押したら、コンテニューをしない方に選択がされていたことに気づかないで、コンティニューを逃してゲームオーバーとか、一回はやったことがあるはずだと思う。
リアルで目の当たりにするととてもシュールな上に、“いいえ”とか“NO”を選びたいのにまさかの選択肢が有るかに見せかけた一択。なんて鬼畜。
どうしてもクリア出来ないから一度ゲームオーバーしてしまって一旦休みたいっていう時だってあるじゃないか。
さっき知らない女子高生がぶつかってきた所為で歩行者道路から車道に突き飛ばされ、トラックに轢かれた身としてはコンティニューは良いかな…と遠慮したい。
本当ならば生きていたいとか思うところなんだろうが、「助かっても後遺症は残るよな」なんて思わず言っちゃったんだろうけど救急隊員の人か付き添いで救急車に乗ってくれた兄(一緒に歩いてたんだよ)の言葉なのか定かではないけれど、後遺症残るなら別に良いやとか思っちゃったわけよ。
大学は出たけど定職にありつけずにフリーターやってたしな、俺。資格取るために専門学校通っても職があるわけじゃなしに資格だけ溜まって…金食い虫とか散々言われてたし、面と向かってでなくてもあからさまに話されてるの聞こえてきたし、そうでなくても遠回しにグチグチと言われてたし、ここに来て後遺症残ったら更に…って感じだよな、うん。ホント俺って金食い虫。お荷物もここまで来たら良いだろって笑うしかない。
そう思った途端、ふわって、いままでずっと掴んでいた何かを手放す感覚がして、意識が途切れた。
ら、目の前に冒頭の選択肢が出てきた。
長々と俺ってば命捨てますー的な事述べてたのにも関わらず、コンティニューしますか?ってしかも選択肢が“はい”だけって、キャンセルもできなければ電源落とそうにも俺自身が今コンセントから抜かれてるような状態だと思うからどうにもできない。
なんか感覚的に矢印を左右に移動させることだけは出来るが、選ぶしかない。
反骨精神抱く前に強制的な選択肢に嫌気が差してひたすら矢印を交互に移動させたまま適当に決定してみた。
選択肢が矯正してきたコンティニューをしてみたんだが、残念ながら、コンティニュー=転生だったらしい。生まれ変わるなら生まれ変わるで今までいた国と世界が良かったなーとか、コンティニュー前の記憶なんて消してくれれば良かったのになー。なんて思ったりしながら、RPG仕様な剣と魔法と王国がある世界で大学まで出て、やっぱりフリーターな俺はコンティニューした意味あったんだろうかと思ってしまう。
でもって穀潰しだの役立たずだの落ちこぼれだの散々言われて過ごす日々。
そんなある日、俺と違って優秀な兄がことさら自慢に思っている甥っ子くんが遊びで暴発させた魔法が屋根の一部を破壊し、たまたま下を通りかかっていた俺が押しつぶされた。
一応助けに来てくれた救護の声か、兄の声かはわからないけれど、助かっても後遺症は残るよな」なんて思わず言っちゃったんだろうけど聞いちゃったわけだ。果てしなくデジャヴを感じながらも、やっぱりまあ良いやなんて思っちまった。んでもってコンティニュー選ばされた割には同じような年齢で、早々にゲームオーバーを受け入れて…暗転。
アナタは死んでしまいました!
コンティニューしますか?
→はい はい
“はい”を“YES”と英語表記にすれば良いってモンじゃないと思うんだが…どうなんだろうな。
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選択肢の意味がないけれど、一応選択はさせてもらえるコンティニュー画面。