序章
ものすごく久しぶりに書いた気がします。ぶっちゃけ見てる人なんていないでしょうけど...。まぁ、個人的な厨二病をスポーツにのせてここでぶちまけようと思います。
さて、今回から本格的に競泳という競技をやっていきます。組み分けの基準とか、どういうタイムだと速いの?とかは興味があれば勝手に調べてください。ちなみに作中では、現実と超次元水泳(笑)の境界を進もうと思っています。話が進むにつれて、登場人物たちが半分ほど人間をやめるかもしれませんがあしからず。
会場に放送が響く。
≪レース中ではございますが、800mフリーリレー、最終組のコース順をお知らせします。第1コース、...≫
「今まではここ立志高校が1番エントリーだったのに、うちより速いエントリータイムなんて無謀ですよね。」
「桜紋高校だったか?まぁ、何かしら秘策でもあるんだろう。ただし、そうでないなら奴らはただの馬鹿ということになるがな。」
メインプールのすぐ後ろにあるアッププールでひとつ前の組の県大会3連覇を成し遂げた立志高校、特に部長にしてリレーメンバーのアンカー、葛木 久人〈カツラギ ヒサヒト〉は全国でもかなり強い部類に入っていた。
最終組の各チームがスタート台の前に歩いてくる久人は端のほうにはまるで興味を示さなかったが、4コース、すなわち1番エントリーの桜紋高校を見たとき、彼の態度が急激に変わった。
「なんで...、なんであいつがここにいる...!あいつは3年前に...」
かれの視線の先には夢人がいた。
「どうしたんですか、部長?」
部長の明らかな同様にほかのリレーメンバーも驚きを隠せないようだった。
「お前ら、三帝はしってるだろ?」
「武頼高校の日向 猛〈ヒュウガ タケル〉、星光学園のギルバート・リンクス、そして天仙寺学院の征流院 統志郎〈セイリュウイン トウシロウ〉ですよね。」
「それな、実は3年程前までは四帝だったんだ。あのアンカー夜鷹 夢人、奴は四帝の失われた、そして最初の一人だ。」
「「!?」」
「あの時期から全国行ってる奴なんてそうはいないから知らない奴が多いのも無理ないが...」
「四帝ということは、あいつもあの三人と同レベルの実力が?」
「そうだろう、3年消えてたとはいえここに来るということは実力は落ちてないだろう。」
「そんな奴が、この県に..」
「今年の県高は荒れるぞ...!!」
「さて、レース本番の前に一つ、言っておくことがある。俺たちはこんなところで終わる気はない!まずはここで、確実に勝つ!!」
「応!!」
と努が気合を入れる。
桜紋のリレーオーダーは
第一泳者 桜咲 誠
第二泳者 古石 和人
第三泳者 片桐 努
第四泳者 夜鷹 夢人
である。
「じゃあ、まずは俺からですね。」
と誠が威勢よくスタート台に立つ。ほかのチームの1泳も立ち、構えた。
≪よーい...≫
とスターターの声で会場が静まり返る。その静寂の中、
ーパァン!!
とスタートの合図が響いた。8人が一斉に飛び込むのと同時に、各校の応援が始まる。
誠は最初の100mを通過した時点で当然といえば当然だが1位だった。そして最後までトップをキープしたまま、和人につなぐ。そして会場に途中経過お放送が鳴る。
≪200mにおきます途中時間、第1コース、桜紋高校、1:57,87...≫
会場にどよめきが起こる。しかし、本人は、
「ちぇっ、ちょっと遅かった...。」
と納得していないようだった。
「十分だ。それだけぶっちぎれば、残りの3人には十分すぎる。」
と夢人がフォローに入る。そこで、表情が若干和らぐ誠だったが、
「帰ったら反省会だ。」
という、努の容赦ない一言で、またふてくされた誠だった。
2泳の和人も問題なくトップでかえってき、場内に放送が響く。
≪400mにおきます途中時間、第4コース桜紋高校、時間、3:56,62≫
「いやぁ、やっぱり誠や、おそらく夢人にもかなわんわ。」
「そんなことないですよ。十分です。」
「帰ったら反省会ですね。」
と誠と夢人がフォローしたり冗談を言ってからかったりしている。
≪600mにおきます途中時間、第4コース桜紋高校…≫
「…チッ。」
「まあまあ、あとは夢人に任せようや。」
当の本人はというと...
すでに750mのターンを終えていた。
「圧倒的だな。」
他チームから様々なざわめきや、どよめきが聞こえる。
「...あれはどこのチームだ?」
「なんでも、昔かなり強かったとこらしいぜ。」
「今強ええじゃねえか!」
褒められているようで、割とボロクソである。
「えらい人気者やなぁ、うち。」
「...あはは。」
「それだけこの会場、すなわち県内ほぼすべてのチームに目をつけられたということだ。」
ちょうど、夢人が帰ってきたようだった。
「荒れるな、今年は。」
「元凶がそれを言うか...。」