日常
前話とは、違う人物の話になります。
真夜中の鐘が鳴り響く。
同市某所。
事件が起きていた。
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その日は朝から、妙な胸騒ぎがしていた。
しかし、心当たりもなく気にしないことにしていた。
「はぁ・・・。」
サナ・・・前話と同市内にある女子高に通っている。
「サナ、どうしたの?」
一緒に登校している友達が訊ねてきた。
「なんか今日は調子が悪くてね。」
「拾い食いとかしちゃだめよ?」
「そのせいかぁ・・・。」
「え、ほんとに?んなわけないか。」
「なんてねっ。冗談よ。」
「ふ~ん。ならいいんだけど、ほんとに辛くなったら保健室とか行きなよ?」
「うん、ありがと。でもほんと何でもないから気にしないで。」
努めて明るい口調で言った。
「わかった。」
渋々納得したようだ。
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昼休みになり、仲のいい友達数人と屋上に向かう。
「う、う~ん!いい天気!」
サナは手を上に上げながらいった。
「そうだねぇ~。」
と、その言葉に他の面々も反応した。
「それじゃ、ご飯食べようか!」
と、リーダー的な存在の子がいうと、各々弁当を広げていく。
「あ、それおいしそう。これと交換してくれない?」
「うん、いいよぉ。」
「ありがとっ。うん、やっぱり美味しいわねぇ。お嫁さんにしたいぐらい!」
「お友達から。」
みんなが、そのやりとりを見て笑った。
サナも、なるべく明るく笑っていた。
昼休み中、他愛もないそんな話ばかりをしてると
キーンコンカンコーンと予鈴が鳴った。
「あ、もう終わりかぁ。」
「あと2時間ぐらい欲しいよね。」
「ほんと。」
とみんながそれに笑いながら答えた。
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午後の授業を受け、放課後になった。
サナは、部活には所属しておらず、特にすることもないので帰ることにした。
その帰り道、ビルの上に立つ影があった。
なぜか妙に気になった。
立ち止まって、見上げた。
何か呟いているようだった。
「なんだろ。ん~、考えても仕方ないか。早く帰ろう。」
そう呟いて、家に向かう。
家に帰ってから、特にすることもなかったので予習をすることにした。
それから2時間後、母親が帰宅し、夕ご飯を食べた。
父親は単身赴任で、一月に一度帰ってくる程度だ。
食事を終え、部屋に戻った。
それからお気に入りのポップスを聞いていた。
23時過ぎ。
「そろそろお風呂入って寝ようかな。」
誰にともなくそう言った。
風呂から上がり、髪を乾かし、櫛で整えベッドに入った。
そして目を閉じ徐々に意識が薄れていく・・・。
・・・カーン。
「鐘?」
音で、再び意識が浮上してくる。
カーテンを開け窓の外を見た。
「ん~、この辺で鐘があるのってあそこだけだけど・・・。気のせいかな?」
教会は、サナの家からは離れていた。
鐘の音が聞こえるはずのないくらい・・・。
「気にしてもしょうがないし寝よう。」
そして、意識が薄れていく・・・。
次回もサナのお話です!