ep.1:目覚め
この物語に登場する人物、事象等はすべてフィクションです。
一部暴力的な表現があるので、苦手な方は見ないようにしてください。
カーン、カーン・・・
午前2時。丑三つ時に鳴り響く鐘。
そのとき、高台の上に一つの影が合った。
「ようやく、始まったようだ・・・。」
その瞬間、木々が激しく揺れる。
時折、獣のような声が聞こえる・・・。
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一方、物語の主人公である、トウマは深い眠りに就いていた。
トウマは、私立碧桜学園に通う高校生だ。
翌朝、トウマは普段通り身支度を済ませ、学園に向かった。
校門の前には人だかりができていた。
その中には泣き崩れているものもいた。
視線が集まっている方向を見た。
「っ!!」
無残な姿で、一人の女子生徒が殺されていた・・・。
(あれは、確か隣のクラスの・・・。)
泣いている生徒は、その彼氏。
その後すぐに、休校ということになった。
それから特にすることもないので、町をぶらぶらしていると
横目にフードを被った男がビルの上に建っているのを見た。
そして振りかえり見てみると、誰もいない。
「なんだ、気のせいか。」
しばらくゲーセンで時間を潰してから帰宅することにした。
ゲーセンには、自分と同じように暇を潰している生徒が何人かいた。
「よぉ。お前もか。」
声がしたほうを見ると、クラスメイトの芦屋がいた。
「やることもないからな。」
とぶっきらぼうに答えた。
「まあ、とりあえず格ゲーでもしようぜ。」
それにうなずくと、各々座った。
しばらくして、家に帰る途中再び、あのフードの男を見た。
男は、教会のほうを見ていた。
そして口を動かしていた。
気にしてもしょうがないので、さっさと帰ることにした。
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その夜、なかなか寝付けず、コンビニに行くことにした。
家を出ると、路地から悲鳴のようなものが聞こえてきた。
恐る恐る近づいていく。
そうして路地の入口。
「っ!!」
下を見ると夥しい血の跡があった。
その血の跡を目で追う。
そして・・・
「キシャァァァァっ!!」
慌てて視線を正面に戻すと。
遅かった・・・。
「ぐっ!!」
相手を視認する間もなく、何かが身体を突き抜けた。
バタッ・・・
力なく倒れた。
「め・・・よ。わ・・・よ。」
薄れ良く意識の中で声が響いてきた。
「ち・・・を、・・・めよ。」
意識を声に向ける。
「目覚めよ。我が眷族よ。力を、求めよ。」
「力・・?」
目の前が黒く染まったと思うと、光の玉が現れる。
トウマは、それに手を伸ばす。
光の玉は、飛び散り、トウマの中に入ってきた。
「っ!!!」
手に重みを感じて、見てみると、大振りの刀を持っていた。
「なんだ、これは。」
「キシャァァァァっ!」
再び、黒い影が飛びかかってきた。
トウマは、刀を振り下ろした。
すると、黒い影は光となって刀に吸い込まれていく。
そこで、トウマの意識は途絶えた。
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