前準備の前――文章作法について
基本内容は文章作法についてですが、ところどころに表現についての考え方が交じってます。
文章作法についてもやってほしいというメッセージをいただいたため、今更ながらに文章の作法をやります。
★前準備も前準備! 小説を書くなら知っておこう!★
小説以外でも文章作成時に覚えていて損はないと思います。
俺は自由だ! 作法なんか知るか!
と、思われるかもしれませんので、何故作法を知っていた方がいいかをまず少し。作法だけ知りたい方は↓の●まで飛んでください。
賞に応募しようとしている方は必ず守りましょう。じゃないと中身をろくろく読まれもせずに落とされます。
応募なんかしない。気軽にやる、という方もなるべく守った方が良いです。と、いうのも
「あ。この人文章の書き方知らないんだ」
読者の人にそう思われてしまうからです。気にしない方もいるでしょうが、下手すると中身を読んでももらえません。私なんかはほぼ読みません。統計などは知りませんが、こういう方は結構おられるんじゃないでしょうか(疑問系)。読書家の方とか……あれ、いない? 段々不安になってきたので深く考えない事にします。
中身が面白いか面白くないかではなくて、作法が守られていないから読んでもらえないなんて悲しすぎます。なので、守るのが無難。
第一『文章作法が守られた文章だから読まない』人は、まあ、ほとんどいないでしょうし。逆はあれど。
それに論文や仕事での文章作成時にも、作法を知っていると恥をかかずにすみます。
では、作法を見てましょう。
以下の文章は、
「本気で小説家になろう」クロワッサン(企画開催中)様( http://ncode.syosetu.com/n7270l/ )
と。
ライトノベル作法研究所様( http://www.raitonoveru.jp/ )
を参考にさせていただきました。
どちらも勉強になるので文章作法以外もお勧めです。
●文章作法+例+説明+一言●
・改行について。
行頭は字下げをする(一マス開ける。空白にする)。
===== 例文ここから =====
○腹時計が時を告げた。
「うっ。もうこんな時間か」
○俺は腕時計で正確な時間を確認し、うめいた。飯を作るのは面倒だが、外に食べに行く余裕はない。給料日前は懐が寂しい。
○仕方が無いかと立ち上がって台所に向かった。
===== 例文ここまで =====
※分かりやすくするため、空白の箇所に○をいれてあります。書く際に○入れちゃ駄目ですよ(笑)。
段落前に開けます。「 」で行を変えた時もまた空白を開けます。
ただし、「 」の前には空白はいれません。下げるのも間違いではないみたいですが、私は下げません。
段落は結構大事で、適度に改行しないと大変見にくい文章になります。読者の目を圧迫し、文章の内容すら頭に入らなくなるので、改行はしましょう。
だからといって一文ごとに改行するのもあまり良いとはいえません。ぶつりぶつりと文章ごとに途切れ、幼い文章になり、これもまた読みにくいです(私的には)。ただまぁ、箇条書きに似ているため分かりやすくはありますが、理由も無く使うのはおすすめしません。
効果が良く分からない方は、↑の文章作法を知っておいた方がいい理由、の箇所をコピーして試してみてください(自分で文章作っても良いですよ)。
・三点リーダー(…)、ダッシュ(―)の使い方。
二の倍数個並べる。また中黒三つ(・・・)は違います。
===== 例文ここから =====
「お前……無事だったのか」
「――なん、だと?」
===== 例文ここまで =====
通常は二個で使います。…は間違い。……を一セットと考えましょう。
しかし、やたらと長くつかいすぎるのはお勧めしません。長い沈黙を表したいのなら記号に頼らず文章であらわしましょう。
・感嘆符(!)と疑問符(?)の使い方。
一、使った後は一マス開ける。
※これについては色々な見解があるようです。個人的には見やすいので、全角か半角でのスペースがあると良いかなと思ってます。
===== 例文ここから =====
「え?○今何ていった?」
「だから!○あそこに芸能人がいるんだって!」
===== 例文ここまで =====
※分かりやすくするため、空白の箇所に○をいれてあります。書く際に○入れちゃ駄目ですよ(笑)。
ただし、閉じカッコ前には空白を開けない。
二、多用しない。
===== 例文ここから =====
「ぶはっ!!! それマジおもしれー!!!!!!」
「えっ? 何? 何で笑っているの?????」
===== 例文ここまで =====
気持ちは分からなくも無いです。たくさん使った方が気持ちが伝わりそうですからね。
しかし、読む側としてはうっとおしい。
無理に記号に頼らず文章で表しましょう。三点リーダーの話でもそうですが、記号に頼らず文章で表すように心がける事は文章上達の上でも重要です。
===== 例文ここから =====
「ぶはっ」
思わず飲もうとしていた水を噴出し、けほけほとむせながらも腹を抱えて笑った。突然大声で笑い出した俺に、彼女は目を丸くした。
「え? 何? 何で笑っているの?」
まるで意味が分かっていない様子がさらに笑いを助長した。
===== 例文ここまで =====
こんな風に、なるべく文で表現するように心がけ続けたら、きっと文章は上手くなる! と、私は信じてる。
・句読点( 。や 、)の使い方。
一、文章の終わりには必ず句点( 。)をつける。適度に読点( 、)をつける。
基本中の基本ですね。後長い文章の場合は、読点もつけましょう。どこにつけたらいいか分からない場合は声を出して実際に読んでみるといいです。息継ぎをしても不自然ではない場所にいれるといいです。
あまりにも文章が長くなる場合は一端文章を終えたほうが吉。
ニ、とじカッコ( 」)の前に句点( 。)読点( 、)を置かない。
「よお。田中じゃねーか。久しぶり」
普通文章の終わりには句点( 。)をつけますが、閉じカッコの前にはいりません。
でも昔は閉じカッコの前には句点を置いてたそうです。厳密に言うと間違いってわけでもないらしいのですが、今は置かないのが主流なので置かない方が無難でしょう。
・禁則処理について。
『禁則処理とは、約物などが行頭・行末などにあってはならないという禁止事項のこと。また、それを回避するために字詰めや文の長さを調整したりすること』(ウィキペディア⇒ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%81%E5%89%87%E5%87%A6%E7%90%86 より)
『約物(やくもの、英: punctuation mark)とは、文字組版など言語の記述に使用する記述記号類の総称で、句読点・疑問符・括弧・アクセントなどのこと』(ウィキペディア⇒ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%84%E7%89%A9 より)
例をあげると、行の頭に句読点( 。や 、)、音引き(コーヒーの“ー”の部分)、疑問符感嘆符(?や!)、閉じカッコ( 」)は持ってきてはいけません。逆に行の終わりに始めカッコ(「 )は持ってきてはいけません。また、分離禁止文字(……や――)が二つ(…と…)に分かれたりしないようにする必要があります。
とはいってもワープロだと勝手に禁則処理を行ってくれますし、なろうでも勝手に処理してくれるっぽいので気にする必要はありません。こういうことがあるのだけは頭の片隅においておきましょう。
大体上記が守られていれば問題ないと思います。間違いがあった場合は教えてください。すぐ修正します。
とりあえず最低限のルールは守りましょう。
他の守った方がいい表現については上記にあげた「本気で小説家になろう」クロワッサン(企画開催中)様( http://ncode.syosetu.com/n7270l/ )とライトノベル作法研究所様( http://www.raitonoveru.jp/ )方のを参照してください。……後々また書くかもしれませんが。
ルールに慣れていない方は、どんな文章を書く時にもルールを意識すると良いでしょう。感想を書く時、日記を書く時、メモを取る時……等々。意識して慣れることが必要です。
最後に、改行・記号・(笑)や(汗)・顔文字についてを補足します。
ネット小説では間に良く空白の行を入れる事があります。それも一つの技法です。見やすくするためにもある程度は構わないと思います。
ただし、間を表現するためだけに十何行もあけたりするのは自分的にはちょっとな、と思います。
そういった表現の方が好きだといわれたらそれまでです。でも、何度もここで述べている通り、空白の行で沈黙やら間を表現するよりも、文章で表そうとした方が上達するはずです。記号、顔文字についても以下同文。
当文(これから~以下略)は小説ではないため、(笑)なんか使ったりしますが、小説内では使ってません。
それは何故か。
頼ると文章が上達しないというのもあります。……まぁ、例を見てください。
===== 例文ここから =====
「ははっ全くそうだよな(笑)」
「ははっ全くそうだよな」
彼は頭をかきながら、恥ずかしそうに笑った。
「ははっ全くそうだよな」
彼は豪快に笑って俺の背中をばしばし叩いた。
===== 例文ここまで =====
面白みのない文章なのはさておき、この三つをどう思いますか?
印象が随分違うはずです。
笑うという一つの行動だけでもいろいろあります。明るい笑いなのか。泣き笑いなのか。声だけが笑っているのか。陰気な笑いなのか。照れ笑いなのか。……明るい笑いにしても表現の仕方はたくさんあります。しかし、(笑)ですましてしまうと、どんな笑いなのか分かりません。
描写は大事です。
何度だって言います。描写は大事です。一人称の文章でだって描写は必要です。
最初は描写しすぎるぐらいで行くのがいいと思います。推敲した時に余分な箇所を消せばいいんです。そのうち慣れて余計な描写はしなくなるでしょう……たぶん。私もちょうどいい描写量が分かっていないので何ともいえませんが。
ま! そういうわけでがんばりましょう!
長々、うだうだの文章にお付き合いいただいてありがとうございます。ご意見・ご感想はいつでも受け付けております。
疑問符・感嘆符後のスペースについて若干変更を加えました。
また例文範囲を追加しました。(16・09・17)