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一人称? 三人称? 視点?

 設定はちゃんとしたし、感想を受け止める準備もバッチし。よ-し、書くぞ!

 いよいよ、文章を書いていきましょう。


★ あなたの文章は誰視点ですか? 一人称です? 三人称ですか? ★

 視点・一人称・三人称とはなんぞ。知っている方もいるでしょうが復習程度に。

 分かってるやいって方は●までとんじゃってください。


 ↓以下goo辞書より↓


【視点】(してん)

1 視線の注がれるところ。

2 物事を見たり考えたりする立場。観点。「―を変えて考える」「相手の―に立つ」

3 透視図法で、画像と直角に交わる仮定の一点。対象を眺める位置。


【人称】(にんしょう)

 文法範疇(はんちゅう)の一。動作の主体が話し手・聞き手・第三者のいずれであるかの区別。それぞれ、第一人称|(自称)・第二人称|(対称)・第三人称|(他称)とよび、いずれかはっきりしない場合、これを不定称ということがある。人称の区別は、人称代名詞の使い分けや動詞の語尾変化などに現れる(日本語の場合は前者のみ)。


【一人称】(いちにんしょう)

 文法で、人称の一。話し手、書き手が自分自身また自分自身を含む仲間をさす語。日本語では「わたくし」「わたくしたち」「ぼく」「ぼくら」「われ」「われわれ」など。第一人称。自称。


【三人称】(さんにんしょう)

 文法で、人称の一。話し手|(書き手)・聞き手|(読み手)以外の人または事柄に関することを示すもの。「彼」「彼女」「これ」「それ」「あれ」「どれ」など。日本語では代名詞についてだけいい、また西欧語では動詞の語形などにも関係する。第三人称。他称。


 ↑goo辞書ここまで↑


 ちょっと分かりづらいでかもしれませんね。

 まず視点ですが、文章を書く上の話なら2が該当します。つまり、文章は誰目線なのか。今書いているこの文章で言うと「私」の目線です。

 人称は文体です。何人称かによって向き不向きな事があります。

 そしてこの二つを使って「○○人称△△視点」として物語を書くわけです。


● 視点だとか、人称だとかが一体どうした? ●

 文章を書く際は、誰視点で書くのかを決めてください。と、いうのもしょっちゅうしょっちゅう視点が入れ替わるのは御法度とされているからです。

 最初はAの視点だったのに途中でBになって、またAになったかと思えば最後はCになっていた。

 どういうことか例を出しましょうか(一人称)。


===== 例文ここから =====



 朝起きてリビングに行くと母親が朝ごはんを作っていた。私は目をこすりながら、

「おはよう」

「おはよう。あと少しでご飯できるから」

 挨拶をしてきた娘はまだ眠そうで「うん」という返事も消え入りそうなほど小さかった。苦笑する。

「顔洗ってさっぱりしてきなさい」

「そうする」

 言われてのそのそと洗面台へ行くと、父親が鏡を占領してひげをそっていた。

「お父さんおはー」

「ああ、おはよう。……ほら、顔洗え」

「ありがと」

 あまりに眠そうな様子に呆れて、仕方が無いなと場所を譲った。




===== 例文ここまで =====


 相変わらず文章力ありませんが、まあまあさておき。

 分かりますでしょか。最初は「私」の視点だったのが、「母親」になり、また「私」に戻って「父親」に。

 今回はまだ分かりやすいですが、こんな感じにたびたび視点が変わったり、ずっと「私」の視点だったのが突然「彼」になったりすると読者は混乱します。

 読者は物語の中、物語の語り手に感情移入します。しかし、語り手|(視点)がコロコロ変わると『んんんん? 一体自分|(語り手)は誰なんだ?』となり、感情移入できず、冷めてしまいます。


 Q:でもでもプロの作家さんで視点変更している人いたよ?

 A:それはプロだからできることです。自身がない場合は手を出さない方がいいかと。


 次に三人称の話をしましょうか。

 先ほどの例を三人称で書きます。尚、私の名前を『ハナコ』とします。センスは気にしないでください。視点は神様視点というやつです。



===== 例文ここから =====



 朝起きてハナコがリビングに行くと、母親が朝ごはんを作っていた。ハナコは目をこすりながら口を開く。

「おはよう」

「おはよう。あと少しでご飯できるから」

 相当眠いのか。ハナコの声は判然とせず、小さい。そんなハナコの様子に母親は苦笑した。

「顔洗ってさっぱりしてきなさい」

「そうする」

 母親に言われてハナコがのそのそと洗面台へ行くと、父親が鏡を占領してひげをそっていた。

「お父さんおはー」

「ああ、おはよう。……ほら、顔洗え」

「ありがと」

 あまりに眠そうなハナコに呆れた様子で父親は場所を譲った。




===== 例文ここまで =====


※分かりやすくするため毎回主語にハナコ、母親、父親といれてあります。

 さっきと比べてみてどうでしょうか。なるべく一人称のものと近い簡潔な文章にしましたが、本来三人称だともっと細かい描写ができます。


 一人称の利点は視点キャラの心理描写が事細かに出来る点ですが、視点キャラの知りえない情報は描くことができません。しかしテンポは非常によいです。が、描写できる事が限られていたり(視点のキャラが知りえることしか書けない)、幼稚っぽくなりやすい欠点があります。


 三人称の利点は視点キャラ以外の描写ができる点ですが、上記の視点変更でも書きました通り、混乱や感情移入の阻害を招く危険性があります。

 また、少々心理描写が苦手です。テンポも一人称に比べると落ちますし、どこか堅苦しさがあります。逆に重厚感を持たせやすいともいえますね。

 視点キャラの知りえないことも描けます。


 書いている私が混乱してきました(笑)。とりあえず以下のことに注意しましょう。


・一人称「私」視点なのに「私」が知りえないことを描写しない。

 どういうことか。それはAが心の中だけで考えたことは教えてもらわないと「私」には分からない、ということです。当たり前の事ですが、意外と守れていない方は多い様に思います。

 また「私」が実際にどんな表情をしているのか、も普通は分かりません。笑ったという自覚はあっても本当に笑ったのか。どうな笑顔だったのか。自分で自分の顔は、通常見れませんから。




===== 例文ここから =====



 私は笑ったが、泣いているようだった。



===== 例文ここまで =====


 ↑みたいなことは通常ありえません。鏡がある、だとか。超能力で心が読めるなどの理由があれば別です。


【何人称なのか、誰視点で文章を書いているのかは“常”に意識しましょう】



 同じ文章でも人称を変えただけで印象は変わります。どちらがいいのか、は一概に言えません。作品の雰囲気で決めてください。


▲どっちにしていいか分からない方へ(参考程度にどうぞ)▼※個人的な意見です

 一人称は現代モノで軽めな内容(|コメディーなど)。三人称は異世界モノに向いてると、私は勝手に思ってます。


 一人称は、描写が苦手なので、世界の描写を少なく出来る現代モノがいいでしょう。また、テンポが良いのでとんとんと話が進みます。ただし、テンポ良く進みすぎて読者を置いてけぼりにしないよう注意しましょう。

 最低限の描写は必要です。


 三人称は、描写が得意なので、世界について説明が必要な異世界ものに向いているでしょう。重厚感があるため、作品に重みを持たせやすい利点があります。ただし、あれもこれもと描写しすぎてテンポが悪くなりがち。

 無駄なことは書かない! のが一番ですが、結構難しいです。


 なろうでは一人称が多く、好まれているようです。また文章初心者には一人称の方が書きやすいようです。

 故に『おいてけぼり症候群(笑)』になりやすいのかもしれません。


 どちらにせよ、後は書き手の技量次第でいくらでも変わります。慣れです、慣れ。

 日々精進あるのみ!

 自分的には三人称の方が好きです。一人称もいいんですが、どうも描写が少なすぎて作品に飲み込めないのが多い|(プロのものを除く)。

 一人称でもある程度の描写は必要です。


 人称について書き換え(11・04・08)。

 修正(12・05・25)

 例文範囲追加(16・09・17)

 誤字修正(13・11・25)ご指摘ありがとうございました!

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