表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

意味が分かるとゾクッとする話:呼んでますよ、トンネルさん。

作者: 謝流々辺郎

「怖…」


友人に誘われて、霊が出るという噂のトンネルに男二人でやって来た。


辺りは鬱蒼と高い木に挟まれ、トンネル内は明かりも無く、どこまで続いているのかもわからなかった。


「行くぞ」


車の運転席から降り、友人はトンネルに向かってスタスタ歩き出した。


怖がりな俺も一人残されるのは嫌だ。


友人の後を追って車から降りた。


おっかなびっくり、ライトも付けず、トンネルを進んだ。


…どれくらい進んだろう。


「うわっ⁈おい、やめろ!」


突然友人が叫んだ。


「えっ⁈何⁈俺、何にもしてないよ!」


「うわっ…離せ!離せえー!」


真っ暗闇で何が起きたのかわからない。


俺は恐怖のあまり友人を置いて走り出した。


目の前に明かりが見えた。


ようやくトンネルを抜けたが、その先は行き止まりだった。


俺はあまりの怖さと疲労感でしばらく動けなかった。


どれくらい時間がたったろう。


待てど暮らせど、友人はトンネルから出てこなかった。


意を決してトンネルに近づき、


「おーい…」


絞り出すような声で友人を呼んだ。


だが、トンネルには俺の声が響いただけで友人の返事は無かった…。















〈解説〉

読んだ多くの人がこの友人はどうなったのか、と思った事でしょう。


でも本当に怖いのは、彼がこのトンネルを再び通って戻らなければならない、という事です。


トンネル内に何が待ち受けているのか、出られたとして、友人が彼を置いて帰ってしまっていたとしたら…。


彼に残されている時間はあとわずか…トンネル内と全く同じ、夜の闇が近づいているのですから。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] あ~、確かに、これから戻らないといけないですからね~。 怖かったです!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ