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Story From The Lethe  作者: 鳴セ カイ響
第2章
35/79

34.コニー&エセル

 ニコラが働く工房がある通りを、アクアリウム外縁に向かってしばらく歩く。通りはほとんどが小さな工房で埋め尽くされている。通りは男も女も動きやすい作業着の人ばかりだ。



「……鍛冶屋? 宝石職人じゃなくて?」



 ローリスは聞き返した。



「うん、でも、エリアお姉ちゃんに紹介してもらった時、確か鉱石全般を扱ったことがあるって言ってたと思う……」


「エリア……? あいつに紹介してもらったのか?」



「うん! 同じ工業区に腕のいい人が居るって言うから……あの、えっと、前に金属のことでどうしても知りたいことがあって、紹介してもらったの」


「あいつも顔が広いよなぁ」



 ローリスは感心したように言ったが、半分くらいは呆れも混じっている。

 エリアは普段、暇さえあれば街をあちこち歩き回っているので顔も広い。本人曰く、それが自分の人生を見つけるためなのだそうだ。



 やがて立ち並ぶ工房の一つに鍛冶屋が見えて来た。看板には「コニー&エセル」とある。



「こんにちは〜!」



 中に入るとニコラが元気に挨拶した。作業用のハンマーや金属製のつかみ道具などが所狭しと壁面や台の上に並べられている。



 ローリスは鍛冶屋、と言うからどんな大男が出てくるかと思っていたが、中に居たのは少女二人だった。それもニコラとさして年齢も変わらない。



「あ、いらっしゃい!」



 近くに居た方の少女が手を振った。皮のエプロンに、上は暗い色のシャツを袖捲りしている。下はサイズが合ってなさそうなダボダボのズボン。裾はブーツに突っ込んでいる。薄暗い工房内に、作業用の地味な色の服装。それだけにサイドテールの金色に光る髪が眩しく見えた。



「いらっしゃい!」


 奥の少女も振り返る。同じような服装に金色のサイドテール。


「ん!?」


 ローリスは手前と奥の少女を交互に見る。二人とも同じ顔をしている。

 ニコラはその様子をくすくすと笑いながら見ている。




「二人は双子なんだよ」

 手のひらで近くの少女を指し示し、

「こっちがコニー」



 次に奥を指し示す。

「向こうがエセル」



 ニコラの紹介が終わると、二人の少女が愛想よく笑顔で手を振った。手を振るタイミングまで同じだった。アマルティアも二人の真似をして笑顔で手を振り返した。



「すごい、見分けがつかない……」

 ローリスは目を瞬かせる。



「どうやって見分けてるの?」

 とアマルティアはニコラの方を向いた。



「髪をまとめてる方向が違うでしょ? 右にまとめてるのがコニーで左にまとめてるのがエセル」


 ニコラが言う。


「あ、それならわかるね」

 アマルティアは、ぽんと手を叩いた。


(どっちがどっちか忘れそう……)

 その隣でローリスは頭を掻く。



「あ、ごめん。私、休憩時間が終わっちゃうから戻るね」

 ニコラはローリスとアマルティアを双子に紹介すると早々に戻ってしまった。





「鉱石のことについて聞きたいんだよね? どの鉱石のことが聞きたいの?」



 髪を右に纏めた少女、コニーが聞いた。


「あ、でも、今は急な依頼で急いでるから、作業しながらでも良い?」


 今度はエセルが言う。



「うん、大丈夫」

 とアマルティアが答える間にも、コニーとエセルはせっせとエプロンを脱いでいる。



「ありがとう」

 コニー笑顔で言うと、店の外へ出た。



 後に続いて外に出ようとしたエセルが振り返る。

「あ、移動するから着いて来て欲しいの」


 ローリスとアマルティアは言われるがままに二人に着いて店を出た。



「どこに行くの?」

 通りを歩きながら、アマルティアは聞いた。



「今から鉱石の採集に行くの!」

 コニーは言った。



「鉱石……?」

 アマルティアは聞き返す。

 うん、とエセルは頷いた。



「海底火山にある鉱石だよ。オリハルコンがたくさん必要なの」


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