14.エリアの興味
エリアの興味
「あ、やっと戻ってきた」
いつの間にか二人から離れて、外で待っていたエリアは言った。
「あれ、アマルティア? 大丈夫?」
エリアはアマルティアの顔を覗き込む。顔が少し強張っているように見えた。
「え? あ、うん。平気」
アマルティアは顔を上げると笑顔を作った。
「なんだか分からないけど、怖くなっちゃって」
「あー、それ分かるかも。私も教会の雰囲気って苦手なんだよね。なんかこっちまで暗い気分になるって言うか……」
エリアは言った。だから、外で待っていたのだろう。
「偏見だろ……」
ローリスは呆れ顔でぼやいた。
主要な場所を見回った三人は、自分たちのマンダを駐機した場所まで戻った。
「疲れた! ちょっと休憩しない?」
街中へと戻って来た時、エリアが言った
三人は近くにあった小さな飲食店へと入る。屋外テーブルが並んでいて、食事をとっている人がいる。
そのテーブルの一つに三人は座った。ちょうどビークルが通る大通りの脇にあり、高速でマンダやプランクトスなどさまざまな形状の乗り物が行き交っては過ぎていく。
窓から見える店内は談笑する人々で満たされ、会話が賑やかに聞こえてくる。店内が忙しいせいか、注文を取りに来ない。
「人を呼んで来るよ」
ローリスは席を立って店内へ行った。
初めてアマルティアと二人きりになって、エリアは何か気まずそうに沈黙している。
一方のアマルティアは、目の前の大通りや街の賑わいに顔を向けて楽しそうにしていた。
エリアが沈黙を破ってアマルティアに呼びかける。
「……ねぇ」
「なに?」
アマルティアの顔がこちらを向く。エリアでも、その澄んだ青い瞳が美しいと思った。
「あ、ええっと……ローリスとは本当に何も無いの?」
畏まった様子のエリアは言った。やけに行儀良く膝の上に置かれた両手がきゅっと握られる。
「……? 何が無いの?」
エリアの含んだ意味を理解できなかったようで、アマルティアは難しい顔をする。
エリアはそれを見て安心した。
「ん、別になんでもない」
アマルティアは目を丸くして、目を伏せたエリアの顔を見つめる。
そこにローリスが店員を連れて戻って来た。
「ん? 二人ともどうした?」
二人の間に流れる妙な空気を感じて、ローリスは聞いた。
「エリアが……」
とアマルティア開きかけた口を、真っ赤な顔のエリアが塞いだ。
「べ、別に! 何でもない!」
三人はそのまま、そこで昼食にした。
店の前で、エリアは大きく伸びをした。
ちょうど街の中に、どこかの時間を知らせる鐘が響き渡った。
「……そろそろか。さ、今度は私に付き合ってよね」
エリアの屈託のない笑みが向けられる。
ローリスは嫌な予感に苦笑いを浮かべる。
「で、どこに行くんだ?」
「とりえあえず、乗って来たマンダまで戻りましょ」
とエリアが言うので、言われるがままに戻り、マンダに乗り込んだ。
始動すると、行き先をエリアが入力し、機体が浮遊した。
そのまま街の端を目指し、耐水性魔力シールドを突っ切って海中へと出た。




