93:真実の愛
「源五郎危なかったねー!もうちょっとで王様が消滅するところだったねー!」
「そうじゃな。ヴァルゴが姫の息子という事が分かって王様そっちのけで盛り上がってしまったなぁ。反撃する力も残っていないはずじゃから縄を解いでも問題ないはずじゃ。」
「父上!大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫だ。完全に私の負けだ。お前の言う事は全て聞く事にしよう。そして詫びよう。申し訳なかった。」
「父上!」
「王様!!」
「分かればいいんじゃ!分かれば!じゃあ先程言った事は絶対に守ってもらうぞ!そしてわし達を解放してもらうぞ!!」
「あーあ。分かった。必ず約束を守ろう。」
「でも良かったね!王様の娘の息子と会う事が出来て!!」
(アーチよ!それは触れちゃダメな気がするんじゃが。)
「あーあ。そうだな。話は聞いていた。こんな見た目だが私の孫なんだな。」
(認めた。認めたぞ。消滅しそうになって改心したのかな。)
「俺のおじいちゃんなのかよぉ!すげぇなぁ!!!!」
「そういえば姫様が海の月を出て行ってからどのくらい経っておるんじゃ?」
「どれくらいでしょうか。三十年前くらいですかね。姫様が出て行った時に王様が暴れて大災害が起こり大変でした。」
「ラビが言っていた大災害はそれの事じゃったのか!」
「はい。」
「大将も言ってただろぉぉぉ!!」
「僕のお姉さまじゃなくて本当に良かったですが、甥っ子としても嫌な気がしてきました。」
「なんだよぉぉ!!俺が甥っ子で最高だろぉぉうがよぉぉ!!」
「そういえば本物の姫様はどこにおるんじゃろ?」
「お母ちゃんはよぉぉ!お母ちゃんはよぉぉ!!家にいるに決まってるだろぉ!」
「い、家はどこか言え。今から機動部隊に迎えに行ってもらう。」
王様が必死になりながら言った。
「そんなに俺のお母ちゃんに会いてぇのかよぉぉぉぉ!!家はここから北東に行った山の中だぜぇぇ!!お母ちゃんとお父ちゃんはよぉぉ大自然が好きでよぉぉ!森の中に住んでんだぜぇぇ!だけどよぉぉ!2人はラブラブだからよぉ!迎えに行ったら驚いちまうからよぉ!会いたがってるってよぉぉ!俺が必ず伝えてやるよぉぉぉ!!」
「そうかぁ。分かった。頼む。」
「2人がラブラブって事はヴァルゴのママは真実の愛を見つけたんだね!!」
アーチがニコニコで言った。
(アーチはいつも可愛いなぁ。)
「あっ、アタル様に占ってもらった内容は一つ目は姫様の息子との事、2つ目は姫様の事だったんですね。」
「2つ目はどんな占いじゃったっけ?」
「世界広し。しかし、ここに広し美し水が集まる森の海。月が満ちる夜に待ち人あらわる。という内容でした。」
「森の海というのは山という事で間違いないなぁ。世界は確かに広いけども・・・。」
「それはよぉぉ!俺のお父ちゃんの事だぜぇぇぇ!!俺のお父ちゃんはヒロシって言うんだぜぇ!!!美し水は家のすぐ近くにある湖の事だと思うぜぇぇ!!昔よぉぉ!その湖で溺れてよぉぉ!それから俺はよぉ水が苦手なんだよぉぉ!!」
「さすがアタルじゃな!アタルの占いは絶対じゃからなぁ!」
「怒涛の的中率ー!怒涛の的中率ー!!」
「照れますね。」
「そうだ!皆さん今夜はお城に泊まっていってください。いいですよね。父上!」
「あーあ。構わない。」
「まさか牢屋の中じゃないですよね。」
「アタルよ!そんな訳無いじゃろ!!」
「もちろんだ。詫びも兼ねていい部屋を用意してやる。牢屋の中がいいなら牢屋の中でもいいぞ。」
(冗談を言えるくらい王様が元気になっておるなぁ。もう一度縛っておくかなぁ。)
「そこのお前。何やら企んでいる顔をしているなぁ。」
「王様の体力が回復して良かったと思っておったんじゃ!」
「よく言うな!お前が私を縛って体力を奪ったのに。」
王様は笑いながらそう答えた。




