92:ジャッジメント・ロッド
「それじゃあ王子様の髪の毛をジャッジメント・ロッドに読み込むとしよう。」
わしはそう言って王子様から髪の毛をもらいジャッジメント・ロッドの使い方を聞いた。
「王子様は王子様じゃから・・・。」
《ピンポーン。一致。一致。》
「一致するじゃろ!そして王様にもするじゃろ!」
《ピンポーン。一致。一致。》
「やはり一致したじゃろ!次にヴァルゴにもするじゃろ!」
《ピンポーン。一致。一致。》
「やはりそうかぁ。一応アーチにも。」
《ブブー。違います。》
「そういう事じゃな!!」
「源五郎どうしてか分かったの?」
「バッチリぞ!ジャッジメント・ロッドはDNAが一致しておるのか不一致なのか判断しておるのじゃ!!」
「DNAって何?」
「分かりやすく言うと体を作る設計図じゃ!!人それぞれ設計図は違うんじゃが、親族は同じ設計図の部分があるんじゃ。それが一致しておるかジャッジしておるという事じゃな。なので過去に違う2人が一致したのは親族という事じゃ。今回3人が一致したのも親族だからじゃな!!」
「それなら今までだって複数人一致する事があるんじゃないですか?」
「王子様よ!いい指摘じゃな。しかしたぶんそれは無いな。そもそも本人かどうかを調べる事は今回みたいに姿が違うから本人か確認するケースのみで今回が異例じゃろうし、犯罪者を見つけるとしても一致してしまえば犯罪者としてその場で確定させてしまうじゃろ。なので今までに一度だけしか例が無かったんじゃ。むしろその一度が奇跡だったのかもしれない。」
「という事はこの人は本当にお姉様という事ですか!?」
「そういう事になるなぁ。」
(これで振り出しじゃな。やはり真実の愛を見つけるしか・・・。)
「ねぇねぇ源五郎!なんか王様ぐったりしてるよ。」
(あっ、完全に忘れておったわい。)
「父上!!!縛られているだけなのにどうしたんですか?」
「あっ、お主には言ってなかったがわしの縄で縛ると体力を奪うんじゃ!そして体力が無くなると消滅するんじゃ。」
「そ、そんなぁー!早く縄を解いてください!!!」
「私の体力はもう限界だ・・・。最期に会いたかったルナに・・・。」
「ルナぁぁ!?それってよぉぉ!母ちゃんじゃねぇかよぉぉ!!!」
「ヴァルゴの母上はルナという事なのか。という事は・・・。」
「「「姫の息子!?」」」
「だから一致したんじゃな。王子様が言っていた2人いるというのはだいたい合っていたという事じゃな。ある意味、華麗な推理だったんじゃな!!」
「良かったこの人がお姉さまじゃなくて。」
かぐやがボソッと呟いた。
「源五郎さん!真実の愛とかキスとかは関係なかったという事ですか?」
「アタルよ!それはラビが真実の愛って言っておったんじゃ!わし達が助かるためにはヴァルゴを姫の姿に戻さないとダメじゃと思っていたんじゃ!」
「という事は誰かがキスをしていたら・・・。」
「そうじゃな。ヴァルゴにキスをしていただけという事になりますなぁ!」
横にいたラビが青ざめていた。
「だからよぉぉ!俺は姫じゃないって言ってただろぉぉぉ!!!」
「それは分かったんじゃが、ヴァルゴが姫の息子なのに王子様の方が若くてイケメンというのはおかしいなぁ。ヴァルゴの方がおじさんじゃろ!」
「確かにヴァルゴさんの方が王子様より老けて見えますね。」
「だからよぉぉ!おじさんじゃねぇって言ってるだろぉぉぉ!!!」
「それには理由があります。人魚は長寿なのです。一定の年齢に達すると見た目が老けていきますが、それまでは若く見えます。なのでかぐや様の見た目は人間でいうと20歳くらいですが、実はかなりの年齢です。姫様の年齢はさらに上です。なので姫様がいつヴァルゴさんを産んだのか不明ですが見た目年齢が30歳を超えているヴァルゴさんよりかぐや様の方が若く見えます。」
ラビが説明をした。その説明を聞いたわし達は驚いたが納得をした。ただ一人を除いて。
「見た目年齢が30歳を超えてるってなんだよぉぉぉ!!ぴちぴちのお兄さんに向かって失礼だろぉぉぉ!!!」
そんなやり取りをしている横で虫の息に弱った王様が消滅しかかっていた。




