88:いざ実食!?
わし達は料理が完成した事を見張りの兵士に伝えるとすぐさま王様のところに案内された。
ヴァルゴを連れて行くと王様がまた大変な事になりそうなので牢屋に置いてきた。
「待っておった。早く料理を出しなさい。」
「王様。こちらが料理になりますぞ。お召し上がりください。」
わしは王様の目の前のテーブルに料理を並べた。
「ふざけているのか!こんな料理がカレーな訳があるか!!」
「それがわし達が作ったカレーになります。」
「無礼千万!!私をどれだけ怒らせる気だ!!」
「王様。その手前の料理の匂いを嗅いでください。紛れもなくカレーです。」
「だから、私は・・・確かにカレーの匂いだな。」
「はい。それはカレーになります。一口食べてみてください。あまりの美味しさに驚かれるはずですぞ。」
「そこまで言うなら一口だけ食べるとしよう。」
王様は大好物のカレーの匂いに負け、わし達の提案を受け入れる事にした。
「なんだこれは!!!口の中に広がるスパイスの辛味!そして熱々なスープ。こんな美味しいカレーは食べた事がない!!」
そう言うと王様は一口だけでは無く、さらに食べ進めた。
「これは麺か!麺とカレーも合う!そしてこの肉!これも美味しい!!なんだこれは!!」
「それはカレーうーめんですぞ。」
それはラビが作ったオーク肉を入れたアーチ特製うーめんにカレーのスパイスを入れ、さらにオークの油で熱と旨味を閉じ込めた絶品カレーうーめんじゃった。
「カレーうーめんか。これは美味しい。」
気がつくと王様はカレーうーめんを完食していた。
「これは何だ?」
「それもカレーですぞ。ぜひお召し上がりください。」
「こっちはカレーの匂いがしないぞ!!」
「食べれば分かりますぞい!!」
「そこまで言うならこれも食べるとしよう。」
カレーうーめんがよっぽど美味しかったのか、すんなり食べる事になった。
「これは・・・!!!」
「美味しいじゃろ!!」
「サクサクのもちもちの中にカレーが!前の料理よりスパイスが効いて刺激的な辛味だ!!肉も入っているな!これも美味しい!!!これもなんだ!!」
「それはカレーパンです。」
わしはマールとアタルにカレーのルーを作らせ、ラビのオーク肉を入れた。そして発酵したパンの中にルーを入れパン粉をつけて油であげた。
ちなみに美味しくなれと全員で言ったのは可愛いアーチを見たかったからである。
「どうじゃ?今までで一番美味しかったじゃろ?」
「あー確かに美味しかった。」
「見た目はカレーと異なっても、正真正銘のカレーという事じゃな。どこかの姫も見た目は違っても正真正銘の姫だと思うんじゃが。」
「お前は何を言いたいんだ?」
「フォーフォッフォッ。一番美味しいカレーを食べたらお願いを聞いてくれるんじゃろ。」
「そうだったな。海の王の言葉に偽りは無い。それではお願いを聞いてやろう。」
「それでは王様よ。 私のお願いはカレーの時間の廃止ですぞ。」
「え、源五郎さん!お願いってその内容なんですか?私達の処罰を無かった事にするとかじゃないんですか?」
「アタルよ!大人しく見ておれ。」
「美味しいカレーを食べたお願いと言えどもその願いは聞く事が出来ない。」
「王様よ。カレーが美味しい時はいつじゃとお考えですかな?」
「カレーはいつでも美味しいに決まっておる!!」
「そう。カレーはいつでも美味しいんじゃが、食べたいと思った時のカレーがより美味しいんじゃ!王様はカレーの時間を特別に楽しみにしておるからカレーの時間になる前はカレーが食べたくてしょうがない状態じゃろ?今も最高に美味しいカレーが食べれると分かってカレーの時間の後じゃったがカレーが食べたくてしょうがない状態じゃったろ?」
「どういう事だ!」
「じゃから、カレーの時間を廃止して食べたい時にカレーを食べてこそ本当に美味しいカレーが食べれるという事じゃ!!」
「わかった。それではお前の願いを聞いてやろう。カレーの時間はこの瞬間から廃止だ!!」
「これでカレーの犠牲者になる者がいなくなるなぁ。」
「良かったね!源五郎!!」
「そうじゃな!」
「そうじゃなじゃないですよー。どうするんですか?」
「じゃから、アタルは大人しく見ておれ。」




