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83:眠れる茶髪姫

「お前たちはここに入ってろ!!」


武装した人魚はわし達を城の地下にある牢屋に閉じ込めた。


「アーチ!ヴァルゴは大丈夫か?」


「うん。僕のヒールでなんとか生きてる。でもこのままじゃダメかも。」


「皆さん、そんな事をしても無駄ですよ。王様は処罰すると言っていました。なので私達を生かしておかないつもりです。この前、専属料理長が王様の機嫌を損ねて目の前で殺されてしまいました。その前は兵士が王様に意見をした事で反逆罪として国民の前で公開処刑されました。」


「専属料理長は何をして機嫌を損ねたんじゃ?」


「スープがぬるかった事が原因でした。」


「そんな事で殺されたのか?」


「そんな事ではないです。王様が全てなのです。」


(ひぇーこれは死亡確定じゃな。)


「源五郎なら牢屋を壊して外に出れるよね。それで王様を倒しちゃえばいんじゃない?」


アーチがわしにそう言ってきた。


「どうじゃろ。だいぶ強そうじゃったからなぁ。」


「源五郎なら勝てると思うけど」


「源五郎さんの実力は分からないですが、無理でしょうね。先程の王様は本気じゃないのです。また、先程の戦いでも危うかったのですが王様が本気を出すと大災害が起こります。」


「あんなに強かったのに本気じゃなかったのか。ちなみに大災害とは何じゃ?」


「大災害とは海は枯れ、大地は荒れ、あらゆる海の生物が絶滅しかけました。」


「それって大将が言ってた海神様と一緒じゃない?」


「そうじゃな。アーチはよく覚えてたなぁ!!」


「えっへん!」


「ヘカダットの海神様が海の月の王様だったとは・・・。戦うと大災害が起こるなら戦う事も出来ないなぁ。」


「このままだとヴァルゴさんは・・・。」


泣きながらマールがつぶやいた。


「なんとか脱出して王様と戦う事を回避する事が出来ればいいんじゃが。」


「無理ですよ。この牢屋には衝撃センサーがあります。衝撃を感知すると兵が集まってきます。また、そこで監視している兵もいます。」


「衝撃センサー!?それじゃ無理じゃな。」


「そういえばヴァルゴは海の月のお姫様なんだよね。なんとかロッドでピンポーンって鳴ってたよね?ヴァルゴが目覚めてお姫様の姿に戻る事が出来れば王様も僕たちを解放してくれるよね?」


「はい。この方は間違いなく姫様です。容姿に美しさのかけらもないですが、ジャッジメントロッドで完全に一致しましたので間違いないです。王様は長い間、姫様の帰りを待っていました。そして姫様と再会出来ると大変喜ばれていました。しかし、実際に会ったらこの容姿。完全に王様の逆鱗に触れました。元の姿に戻る事が出来れば問題ないと思います。」


「元の姿に戻る方法はあるのか?」


「薬を渡した奴に聞いた話だと大変な事が起きたあとでも真実の愛を見つける事が出来ればなんとかなると言っていました。」


「真実の愛かぁ・・・。どちらにしろヴァルゴが目を覚まさないと無理か。アーチよ。アーチの無理が無いようにヒールをかけ続けてくれ。」


「うん。分かったよ。」


(脱出不可能な牢屋と眠れる姫ヴァルゴ。ヴァルゴが目覚めたら解決しそうじゃが・・・。ヒールをかけ続けても目覚めないかもしれないし。もしかしたら、ビンタで目が覚めるかのう。それとも王子様のキスで・・・。まるで囚われの眠れる茶髪姫じゃな。)


「シャルロット大丈夫かな・・・。」


アーチが小さく呟いた。


「そういえばシャルロットはどこにおるんじゃ。牢屋の中にはいないが浜辺においてきたのか?」


「源五郎、何言ってるの?海の月まで一緒に来てたじゃん!!」


「どうやって一緒に来てたかのう?」


「ちゃんと泳いで来てたよ。」


(あっ!!!そうじゃった。そうじゃった。アーチの裸に夢中で視界に入っていたのに無かった事になっておったわい。シャルロットも尾びれが生えて泳いでた!!)


「それでシャルロットは今どこにおるんじゃ?」


「海の月の入り口で待っててもらってるよ。ラビがシャルロットはお城に入れないって言ってたから。」


「そうなのか?ラビ!」


「はい。王様の機嫌を損ねる原因になるかもしれないと思いましたのでアーチさんに伝えました。」


「そうなんじゃな。そしたらシャルロットが助けに来たりはしないかのう。」


「無理だと思うよ。シャルロットは僕たちが牢屋で捕まってる事知らないと思うし。」


「そうじゃな。」


(やはりヴァルゴをビンタして目覚めさせるしか方法は無いのか・・・。それで真実の愛を見つけさせるしか・・・。でもこの牢屋の中には男しかいない。アーチはダメじゃからラビかマールに真実の愛の対象になってもらうしか無いなぁ。2人とも顔が整ってるから無い話じゃないだろう。)


そんな事をわしが思っていると監視の兵士とは別に地下に兵士がやってきた。


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