81:絶世の美女
海の月の街は近代的な建物が並び、地面は動く歩道になっており移動も楽々じゃった。
これなら人魚もスムーズに移動出来るわけじゃな。
動く歩道に乗って進んでいると城に到着した。城は西洋にありそうな外観じゃった。
「皆さん、お城に到着しました。王様はこの世界の海の王なんです。決して失礼が無いようにお願いしますね。」
(そんなに偉い王様なんじゃな。どんな王様かさらに興味が湧いてきたぞい。)
「海の月師団長ラビ!姫様一行を連れてまいりました!!!」
銀髪ロンゲ人魚がそう言うと城の扉が開いた。
(銀髪ロンゲ人魚の名前はラビじゃったか。なんだか可愛い名前だなぁ。)
城の中に入ると大勢の武装した人魚がいた。そしてその奥から綺麗な顔立ちのイケメン茶髪人魚がすごい勢いでジャンプして飛んできた。
「そちらの茶色い毛の方がお姉さまですか?」
茶髪イケメン人魚はヴァルゴを見ながらそう言った。
「俺かよぉぉ!!俺がお姉さまだってぇぇ!!まさかよぉぉ!!俺は一人っ子なんだぜぇ!!」
「そうですよね。茶髪ロンゲのむさ苦しい男がお姉さまな訳ないですよね。じゃあその隣の猫耳銀髪の方がお姉さまですか?」
「いいえ。違います。その茶髪ロンゲが姫様です。先程も報告しましたが薬の効果でこんな姿になってしまったんです。」
「えーそんなこの世界の海で一番の絶世の美女のお姉さまがこんな姿になってしまわれたなんて・・・。」
「ラビよ。そこの人魚さんは誰なんじゃ?」
「この方は王様と王妃の息子のかぐや様です。つまり王子です。そしてそちらの姫様の弟です。」
「ヴァルゴよ。こんな素敵な弟がいたんじゃな。」
「だからよぉ!俺はよぉぉ一人っ子なんだよぉ!!」
「かぐや様、姫様が出て行ったのはかぐや様が幼い時でしたので姫様の面影を分からなくて当然の事なのです。」
「でも・・・でも・・・こんなの・・・。そうだお姉さまが本物かどうか分かる装置を持ってきたんだった。」
そうかぐやが言うと先端が丸いステッキを取り出した。
「これをそこの茶髪ロンゲにかざして・・・。」
《ピンポーン。一致。一致。》
「う、嘘!嘘だぁ!!」
《ピンポーン。一致。一致。》
《ピンポーン。一致。一致。》
かぐやは何度も先端が丸いステッキをヴァルゴにかざした。
「さっきからよぉぉ!一致一致ってよぉぉ!!俺はよぉぉ姫じゃねぇんだよぉぉ!」
「違うとか違わないとか関係ないんです・・・。この装置が言うなら間違いないんです・・・。ラビの言う通りこの人がお姉さまなんだね・・・。」
「かぐや様、現実を受け止めましょう。私もまだ現実を受け入れる事が出来ませんが、現実を受け止めましょう。」
ラビの言葉を聞いてかぐやは泣きそうな顔になりながらも静かに頷いた。
(ラビのやつ、姫様と恥じらいもなく言っていたのにまさか過ぎるじゃろ。)
「それでは姫様!皆さん王様のもとへ行きましょう。」
わし達はラビの後ろについて行った。そうするとかなりでかい扉があった。
「源五郎、この扉ってレオンのいた扉に似ているね。」
「そうじゃな。」
「海の月師団長ラビ!姫様一行を連れてまいりました!!!」
ラビが再びそのように言うと、かなりでかい扉が開いた。
扉が開くと奥には金髪ロンゲのかなり大きな人魚が椅子に座っていた。
そして、その人魚は渋いイケオジボイスでこう言った。
「この時を待っていた。入りなさい。」




