80:海の月
わし達は人魚になり海の中を移動していた。
「海の中すごいね!」
「そうじゃな。こんな体験が出来るとは思ってなかったぞい。姫に感謝じゃな。」
「だからよぉぉ!姫じゃねぇよぉぉぉ!!」
「分かっておる。分かっておる。ちょっとふざけただけじゃ。」
「でもヴァルゴさんのおかげで海の中を泳げて感謝です。」
「まもなく海の月に着きますよ。」
そう銀髪ロン毛人魚が言うと海底に大きな光の球体が見えた。その球体の中には様々な建物やお城が見えた。
「おぉーあれが海の月か。まさに海の中の月じゃな。」
「神秘的です。」
「神秘的!神秘的!!」
「海の月の入り口に着きましたよ。ここから入ります。」
「入り口らしきものが無いけども・・・。」
「ついて来てください。」
銀髪ロン毛人魚がそう言うと光の球体の中に入っていった。
それに続くようにわし達も球体の中に入った。
「おぉー入り口は無かったけど普通に入れたわい!!」
「シューって吸い込まれたね。」
「あ、あっ、あ・・・」
マールの下半身が光で包まれた。
そしてわし達の下半身も光で包まれた。
(まさか時間が来ると人魚から人の姿に戻ると言っていたがその予兆なのか。戻った時に何も穿いてない状態じゃないだろうなぁ。)
隣を見るとアーチの尾びれが消え足になっていた。そして水着はちゃんと穿いていた。
もちろんわしもマールも、そしてヴァルゴも尾びれが消え足になっていた。
(水着を穿いていて良かったぞい。全裸でフルチンじゃったら大変じゃからなぁ。)
わしがフルチンの心配をしているとアーチとマールが慌て始めた。
「わっ、息が出来なくなちゃう。」
「あ、あっ、あ・・・どうしましょう。」
「大丈夫ですよ。球体の中は空気がありますから。」
焦るアーチとマールに銀髪ロン毛人魚はすかさず言った。
(フルチンの心配をしていたが、呼吸の心配が第一じゃったなぁ。うっかり。
呼吸が出来なかったら終わりじゃったなぁ。)
「ちなみにわし達が帰る時も魔法をかけて地上まで案内してくれるのか?」
「もちろんです。それでは先に王様に報告してきますのでここでお待ち下さい。」
銀髪ロン毛人魚は建物の奥に進んでいった。
「ヴァルゴよ!さっきから元気ないけど大丈夫か?」
「海の中が怖かったなんてよぉぉぉ!そんな事ないんだぜぇぇ!!どっから見ても元気だろぉぉ!!」
(海の中が怖かったのか。)
「元気なら良かったのう。」
「源五郎、海の月の王様ってどんな王様なんだろうね。」
「全く予想出来ないなぁ。マールは何か知っておるか?」
「僕も分からないです。そもそも海底に建物やお城がある事も知らなかったです。」
「ヴァルゴは何か知っておるか?」
「俺もよぉぉ!!!海の中の事は知らないぜぇ!!」
「ヴァルゴさんも知らないなんてここはすごい所なんですね。」
「僕ワクワクしてきた!」
「わしもじゃい!!」
わし達が会話をしていると銀髪ロン毛人魚が戻ってきた。
「お待たせしました。それでは王様の所に行きましょう。」




